オフィス移転のよくある失敗6選 後悔しないためのポイントと予防策

「コスト削減」や「働きやすさ向上」を目的にオフィス移転を決断する企業は多く、その目的に対しさまざまな成功事例が存在します。

一方で、「思わぬ落とし穴があった」「事前に確認しておけばよかった」という、オフィス移転にまつわる後悔があることをご存知でしょうか。オフィスは頻繁に移転できないからこそ、事前に万全の準備をしておくことが大切です。

今回は、オフィス移転時に後悔・失敗しやすいポイントについて解説します。あらかじめ見落としがちなポイントを学び、後悔しないオフィス移転を目指しましょう。

オフィス移転で後悔・失敗した事例6選

まずはオフィス移転時に後悔・失敗したよくある事例を紹介します。

経営層やオフィス構築担当者にとっての落とし穴だけでなく、実際にオフィスで働く従業員からの不満も想定しながら、イメージしていきましょう。

1.オフィス移転の狙いやコンセプトを社内に浸透できていなかった

オフィス移転の狙いやコンセプトをあらかじめ社内に浸透できてないと、従業員からの不平・不満が出る可能性があるので注意が必要です。

例えば、本社らしい風格を出したくて豪華な内装にした場合でも、狙いが正しく伝わらないと「オフィススペースが広すぎて勿体ない」「本社勤務ばかり優遇されているしコストの無駄遣いに感じる」という声が出てしまいます。

また、オンライン会議を前提にテレカンブース等の個室スペースを多く取るオフィスレイアウトを決めた場合でも、その狙いが浸透していなければ「会議室が足りない」と思われるかもしれません。

移転にかける思いや理念まで深く社内共有しておかないと、経営層による一方的な移転だと思われてしまうリスクが高まるのです。

2.働きやすさや動線の配慮が不十分だった

働きやすさや動線への配慮が不十分だと、どんなに見た目の良いおしゃれなオフィスでも使い勝手が悪くなります。

例えば、フリーアドレスにしやすいレイアウトを採用にしたにもかかわらず、結局固定席のまま運用することになれば、席の少なさやデスク周りの環境不備が気になり始めます。

また、経営・経理・人事などバックオフィス部門のスペースをオープンにしすぎた結果、人事評価等のセンシティブな情報が社内に流出する恐れもあるので注意しましょう。

他にも、LGBTや障害のある方でも使いやすいトイレの問題、宗教ごとに必要なスペースの問題など、多様性に配慮すべきポイントを見落としてしまうことも考えられます。

実際に従業員が働く姿をイメージしながら、レイアウトや必要な機能を検討していくことがポイントです。

フリーアドレスについては、下記の記事で導入ガイドを紹介しています。ぜひご参考になさってください。

3.サーバールームや倉庫を極端に縮小してしまった

コンパクトオフィスにする場合、必要なスペースを極端に縮小してしまわないよう注意しましょう。特にサーバールームや倉庫を縮小しすぎた場合、必要最低限の資材ですら置けなくなる可能性もあります。結局、ほかのフロアにサーバールームを借りたり外部倉庫をレンタルしたりすることも多く、本来の目的であったコスト削減を果たせません。

また、備品や書類をフロアに積み上げて景観を損ねたり、最悪の場合は崩れて労災に発展したりすることもあります。使いやすいすっきりとしたオフィス環境にするため、どの程度のスペースが必要か逆算してみましょう。

4.共用部や管理システムが使いづらかった

共用部や管理システムが使いづらいことも従業員の不満につながります。例えば下記のような事例が挙げられるので、自社スペース以外についても視野に入れてチェックしてみましょう。

エレベーターの台数が少なくて移動に時間がかかる
トイレや給湯室などの共用部が狭い(少ない)
ビルにゴミステーションがないので朝早い時間のゴミ出しが必要
テナントごとに空調を設定できない
夜間の入退室管理が非常に厳しい
テナント間ミーティングが高頻度にあり本業に支障が出る
共用部清掃の頻度が少ないため清潔さを維持できない

賃貸オフィスの場合、共用部の仕様や運用ルールは自社都合だけで勝手に変えることができません。ルールを事前に確認しながら、自社の利用するイメージに合うか検討することが大切です。

5.周辺環境のチェックが疎かだった

オフィススペースやビル自体のものだけでなく、周辺環境のチェックも不可欠です。実際に下記のような失敗・後悔をした事例もあるので、あらかじめ想定しておきましょう。

近隣の飲食店から臭気が届き、窓を開けられない
ダンススタジオや子ども向け施設が多く騒音が多い
飲食店が少なくランチ難民が発生する
駐車場・駐輪場が極端に少なく公共交通機関以外での移動が不便
繁華街が近く深夜の風紀が悪い
終電が早く残業しづらい
周辺を走っているタクシーがほぼいなくて手配できない

オフィス移転をする際は、つい最寄り駅からの距離を優先してしまいがちです。しかし、車・バイク・自転車・タクシーでの移動も考えたり、ランチのできる場所を探したりすることも大切です。

場合によっては、「自転車出勤が奨励されているのに駐輪場がない」などのミスマッチにつながるかもしれません。共用部や管理システムのチェックと同様に、周辺環境をチェックしておくことをおすすめします。

以下の資料では、レイアウトや設備といった物件情報だけでなく、周辺環境や通勤アクセスなど内見時にチェックすべき項目をリストにしてまとめています。移転先の候補物件を内見する際にお役立てください。

内見チェック表を無料ダウンロード

6.予算をオーバーした

トータルコストが想像以上にかかり、予算を大幅にオーバーした場合も、悔いが残るオフィス移転となってしまいます。

初期費用はもちろん、引っ越しにかかる費用や退去にかかる費用など、移転プロジェクト全体にかかるコストを全て可視化し、無理のない範囲に収まるか試算を繰り返しましょう。

不動産会社など、協力業者に予算をはっきり伝えながらコンサルティングしてもらうことも大切です。

また、移転の初期費用だけでなく、移転後のランニングコストを視野に入れることも大切です。

「採光性を高められるよう大きな窓を入れたが想像以上に光熱費がかかった」という場合、結局遮熱カーテンを使うなどオフィス本来の良さが発揮できません。

移転が完了し、業務が本格スタートしてからの費用も概算しておきましょう。

オフィス移転で後悔・失敗しないための予防策

次に、オフィス移転で後悔・失敗しないための予防策を解説します。

前項のような失敗を防ぐため、どのようなポイントに配慮するべきか検討し、対策しておきましょう。

オフィス移転以外の選択肢も検討しておく

まず、オフィス移転以外の選択肢も十分に検討したうえで、移転が最適解かを探ります。例えばコンパクトオフィスにしてコスト負担を抑えたい場合、シェアオフィスを検討することも可能です。

シェアオフィスは初期費用・月額費用ともに抑えやすく、人員に応じてオフィス面積の拡大・縮小ができるので使い勝手に優れています。

従業員の通勤時間短縮を狙うなら、各地域にサテライトオフィスやコワーキングスペースを契約してもよいでしょう。

テレワークやモバイルワークにしてそもそもの通勤をゼロにすることもできますが、同居家族の都合や自宅スペースによっては、やはりオフィスの方が働きやすいと感じる方がいるのも事実です。

近年特に注目度の高まっているテレワークですが、無理に導入せずサテライトオフィスやコワーキングスペース勤務と組み合わせるのもおすすめです。

さまざまな方法を考えたうえで、それでもオフィス移転の優位性が多いと感じたときに移転を本格的に検討します。

「なぜオフィス移転をするのか」という目的も可視化しやすくなるので、ぜひ取り組んでみましょう。

事前にオフィス移転の目的を可視化しておく

事前にオフィス移転の目的を可視化しておき、目標やコンセプトをぶらさないことも重要です。

まずは「自社の何が問題なのか」「オフィスを変えることで何を解決できるか」を探ってみるのがよいでしょう。

課題意識を共有しておけばオフィス選びやレイアウトづくりの軸もはっきりするので、目的を達成しやすくなります。

オフィスの課題や改善点などを可視化するには、HATARABAの「HATARABAサーベイ」がおすすめです。HATARABAサーベイは、オフィスの利用状況をさまざまな切り口から数値化して定量的な分析を行うことで、オフィスの課題や改善点などを明確にし、合理的にオフィスの最適化をサポートするサービスです。
オフィス移転のあたり現状分析をする際はお気軽にご相談ください。

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対象外の部門も含めて移転の目的を十分に社内広報をしておく

オフィス移転が決まり次第、移転の目的は社内に幅広く浸透させます。

社内報・日々の朝礼・部門別のミーティング・経営層からのアナウンスなど、ありとあらゆるチャネルを活用しながら社内広報することが大切です。

何を目的としてオフィス移転をするのかが伝われば、従業員それぞれが移転後のイメージを確立しやすく、大幅なミスマッチを防げます。

反対に、意図や目的が分からないまま移転プロジェクトだけが進行してしまうと、これまで慣れ親しんだ場所・やり方から離れる不安の方が強くなってしまうので、十分配慮しておきましょう。

また、社内広報は直接移転に関係のない他部門にも拡大し、全社的な取り組みとするのが大切です。

移転後は社内報に従業員インタビューや新オフィスの様子を掲載するなど工夫することで、社内の情報格差も是正されます。

従業員満足度の向上施策としても有効なので、特定の部門だけを切り取るようなことは避けるのがおすすめです。

従業員のニーズをヒアリングしておく

移転の前に、オフィスに対する従業員ニーズをヒアリングしておくのもポイントです。日々オフィスを使う従業員は、経営層には見えない困りごとを抱えているかもしれません。

「いつも会議室の予約が取れなくて困っている」「情報システム部門からサーバールームまでの距離が遠くて移動に時間がかかる」など、業務に直結する困りごとには注意が必要です。

同時に、「自宅から弁当を持参しているが食べるスペースがない」など、業務には一見関係ないように見える小さな困りごとを拾い上げることもポイント。なるべくオフィス移転のタイミングで解消できないか、検討してみましょう。

ヒアリング方法はアンケートや1on1ミーティングでの聞き取りなど多岐に渡りますが、特定の部門だけに集中しないよう配慮します。総務部門では困っていないが営業部門では困っている、など部門ごとの特徴があるかもしれません。

また、部門だけでなく性別・年代・役職などにより困りごとが異なるケースもあるので、幅広い従業員をターゲットにリサーチしていくことが大切です。

取引先へのアクセスや周辺環境をチェックしておく

周辺環境・共用部・管理上のルールなどは事前に詳しくチェックしておきましょう。

また、自社の働き方や従業員のライフスタイルに合わせた確認項目を設けるのもおすすめです。例えば外回りの営業社員が多い場合、メインとなる取引先へのアクセスを確認しておきましょう。

電車だけでなく社用車やタクシーでの移動も視野に入れるなどしておけば、大幅なミスマッチになることはありません。

セミナーや企業説明会を定期開催している場合は、規模に合った貸会議室が近くにあるか、集合研修に使えるホテルがあるかなどをチェックしておくのもよいでしょう。

オフィス移転後の小さなストレスを減らす対策として有効です。

オフィス移転に成功した事例

最後に、オフィス移転に成功した事例を紹介します。

自社ならではのオリジナリティある移転をすることも、業務効率化など特定の目的だけにフォーカスを当てた移転をすることもできるので、他社事例を参考にしてみましょう。

そのうえで、自社にも共通するポイントがないか探っていくのがおすすめです。

株式会社MagicPod|人員拡大に合わせてオフィス面積も7倍に

株式会社MagicPodでは、好調な業績に合わせた人員拡大に伴い、オフィスの移転に踏み切っています。

もともとリモートワークで働く環境が整ってはいたものの、マネジメントの課題や自社カルチャーづくりの拠点としてオフィスを整備しています。

結果、ビジネス部門とエンジニア部門の連携が叶うなど、社内コミュニケーションも活性化するようになりました。

今後は顧客ユーザーを巻き込みながら実施するリアルイベントの開催も想定しており、自社スペースの有効活用を視野に入れている事例です。

【オフィス移転の事例】
オフィス移転事例 株式会社 MagicPod

アニエスベージャパン株式会社|持続可能なオフィス空間をイメージ

アニエスベージャパン株式会社では、設立当初より続く「サステナビリティ(持続可能性)」を体現したオフィスを構築しました。

緑あふれるテラスガーデンや再生可能なエネルギーをふんだんに取り入れており、「アトリエ」として使えるオフィスを目指しました。オープンな空間になるよう配慮されているので社内外のコミュニケーションも活性化しやすく、イノベーションの創出にも貢献しています。

入居階専用の庭園があり、業務の合間でのリフレッシュがしやすいのも大きな特徴。生産性向上とフレッシュな働き方を同時に叶えた、新しいオフィスとして確立しています。

【オフィス移転の事例】
移転事例|アニエスベージャパン

トレスイノベーション株式会社|今後の成長を見据えたオフィス移転

トレスイノベーション株式会社では、今の課題に対応するだけでなく、今後の成長も見据えたオフィス移転に踏み切っています。

複数部門を1ヶ所に集約したことで部門間連携がしやすくなり、社内の雰囲気が大幅に改善しました。風通しの良いコミュニケーションができたことで従業員の心理的安全性も高まり、一体感が生まれたというのもメリットです。

また、今後の更なる事業成長や人員拡大も想定し、2~3年で居抜き退去しやすい物件を選定したのも大きなポイント。

急成長中のベンチャー企業だからこそ、移転戦略の工夫も見られます。

【オフィス移転の事例】
移転事例|Tres Innovation株式会社

オギツ株式会社|分散していた事業部をワンフロアに集約しコミュニケーションを促進

株式会社オギツでは、各部門をワンフロアに集約し、部門間コミュニケーションの促進を図るため移転を決断しました。

これまでは部門ごとに3フロアに分散していたためコミュニケーションのためにフロアを移動する必要があり、必然的に時間のロスが発生していました。

コミュニケーションコストが増えると連携漏れやミスコミュニケーションが増えやすくなるため、契約更新のタイミングが近かったこともあり、ワンフロア化を目的として移転。

オフィスがワンフロアに集約されたことにより、事業部の垣根に関係なく幅広いコミュニケーションが取れるようになりました。また、以前は各階に設置してあった給湯室やトイレなども集約され、空いた空間に休憩スペースを設置できたことも、コミュニケーション促進のきっかけとなっています。

【オフィス移転の事例】
移転事例|株式会社オギツ

まとめ

新たな期待と展望を抱いてオフィス移転をする企業は多いものの、一方で思わぬ落とし穴が多いことも事実です。

事前の確認不足で移転後してからミスマッチに気づいた場合、本来の移転目的を果たすことができません。

または、小さなストレスが積み重なって従業員満足度が低下してしまうなど、思わぬ生産性低下につながることもあるので注意しておきましょう。

失敗しないオフィス選びをしたいときは、弊社にご相談ください。

希望に応じたオフィスの選定や賃貸借契約のサポートはもちろん、成功事例・失敗事例のリサーチもサポートしています。

業務の性質に合ったチェックポイントづくりなどもお手伝いしていますので、「何を基準に選べばよいかわからない」というときにもご活用ください。

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この記事を書いた人

HATARABAコラム編集部

HATARABAコラム編集部によるコラムです。オフィス移転やオフィスづくりなど、『はたらく場所を、もっとよくする。』ためのお役立ち情報を発信しています。

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