オフィス移転を検討し始めたら、オフィスの目的に合わせて移転先のオフィス要件を定めていきましょう。初めての方は「①オフィスの課題を把握する」「②オフィス移転の目的を明確にする」「③移転にかかる費用をシミュレーションする」「④移転先の希望条件を設定する」の順序で進行すると漏れなくスムーズです。本記事では、この各事項について説明します。
また、オフィス移転における全体の流れは以下の記事で解説していますので、全体の流れを知りたい方はこちらもご覧ください。
オフィス移転の全体像がわかる!移転担当者が理解しておきたい4つのステップ【マニュアル付き】
STEP①オフィスの課題を把握する
オフィス移転を検討する背景には、オフィスの在り方や環境を見直すことで解決したい課題が存在します。オフィス移転を検討していても、課題によってはオフィス移転よりもオフィス内装のリニューアルやレイアウト変更で対応できるケースも考えられます。
オフィス移転の担当になったら、まずはこの課題を把握して整理することから始めます。一方的に課題を解決しようとするのではなく、従業員に意見を聞く、アンケートを取ってみるなど、十分なヒアリングを欠かさず行いましょう。
経営層と従業員が求めていることからオフィス課題を分析
経営層や従業員はさまざまな課題を抱えています。そのなかで、経営層が認識している従業員側の課題と従業員が実感している課題は、両者の認識のズレが生じている場合も少なくありません。オフィス移転担当者はこのズレを把握し、オフィス移転で解決できるのかどうかを検討する必要があります。
”働き方”と”オフィスの在り方”からオフィス課題を分析
働き方が多様化していく中で、今後オフィスはどのような立ち位置で、どう変化していくべきなのでしょうか。例えば、弊社の別記事内の「働く場所に関する価値観の調査結果」に記載したように”選べる働き方”への志向は20代・30代の若年層で特に強くなっています。この状況下で若年層に出社を強制したり、在宅勤務しか選択肢を与えなかったりすると、組織のエンゲージメント低下や生産性低下などを招く可能性があります。オフィス勤務に対する従業員側の課題は、「働く場所=オフィス」を見直すことで解決できるケースが考えられます。
よくある課題や課題の解決案などはこちらの記事でもご紹介しています。合わせてご覧ください。
STEP②オフィス移転の目的を明確にする
企業がオフィス移転を検討する目的は企業の課題によりさまざまですが、主な理由として以下が挙げられます。
・より良いオフィス環境の整備
・従業員満足度の向上・自社ブランディングの強化
・オフィスの賃料・面積の見直し
・定期借家契約の終了・ビルの取り壊し
・BCP対策
・SDGs導入
企業がオフィス移転を検討する主な理由は?目的を達成できる解決策も解説
それぞれの目的を実現したときに得られるメリットはさまざまです。オフィス移転を通して”何を期待するか”や”何の課題を解決するのか”などを明確にしておきましょう。
オフィス移転の目的を明確にするうえで以下の記事が参考になります。
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STEP③移転にかかる費用や期間をシミュレーションする
概算でよいので、自社がオフィス移転する場合の費用や期間を計算し、シミュレーションしておきましょう。しかしながら、シミュレーションをするためには相場や目安を知らないと計算することができません。本章では、オフィス移転にかかる主な費用や期間をご紹介したのち、コストを抑えるうえで使えるアイデアをご紹介します。
また、弊社の物件検索サイト『HATARABAオフィス』では、希望面積と営業開始日の入力だけで最適なスケジュールを自動作成できます。こちらもぜひお試しください。(無料会員登録が必要です)
オフィス移転にかかる主な費用と期間
オフィス移転にかかる費用は、大きく以下の4つに分類することができます。
オフィス移転にかかる費用といっても、何にどれだけかかるのか相場を把握しておくことで、オフィス移転の費用を抑えられる可能性がある部分を見つけやすくなります。
オフィス移転にかかる費用の相場や目安、削減するコツ、注意点などについて、初めてオフィス移転を経験するご担当者様にも分かりやすいように以下の記事で詳しく解説しています。予算を立てるための費用相場がわからない、という方は必ずご覧ください
オフィス移転にかかる期間
オフィス移転は少なくとも半年以上の期間を要するような大きなプロジェクトになります。検討開始から移転完了までの全体のスケジュールを把握して、必要期間も概算で構わないので計算しておきましょう。
以下の記事で、一般的なケースのスケジュールをまとめています。ぜひご活用ください。
オフィス移転のコストを抑えるためのアイデア
コストを抑えるうえでは「補助金・助成金の活用」、「不用品の廃棄・処理費用」にも着目しておきましょう。
補助金・助成金の活用
補助金・助成金を使うことでオフィス移転にかかる費用の一部を補填できる可能性があります。補助金・助成金は種類も豊富で、数百万円以上のコスト削減ができる場合もあるため、自社が活用できるものがないかは事前に情報を集めて確認しておきましょう。
不用品の廃棄・処理費用
粗大ゴミではなく、産業廃棄物に分類される不用品があると、多くの場合、専門業者に処分を依頼して廃棄してもらう必要があります。不用品の種類や状態・品数などの条件次第では非常に高額になるケースも見受けられます。
オフィス移転でよくある「不用品の廃棄・処理費用の目安」を以下の記事にのせています。参考にしながら、シミュレーションするうえでこちらの費用も組み込んでおきましょう。
STEP④移転先の希望条件を設定する
ここまででご紹介した解決したい課題、目的、費用、時期のシミュレーションなどが準備できたら、希望条件に落とし込んでいきます。例えば、自社オフィスの希望条件として以下を定めます。
<希望条件の例>
・エリア
・必要な面積
・想定の予算
・賃料
・移転(入居)時期
移転先の面積や賃料は、今後の人員計画や出社率、キャッシュフローなどを考慮したうえで策定する必要があります。
現状分析と要件定義をサポートする「HATARABAサーベイ」
株式会社HATARABAが提供する「HATARABAサーベイ」はオフィスの利用状況を様々な切り口で可視化し、合理的な課題解決をサポートしています。
以下のようなシーンで活用いただけます。
<主な活用シーン>
・オフィス移転が必要かどうかの判断に
・オフィスリニューアル前後の効果測定に
・フリーアドレス検討時最適席数の算出に
・会議室の最適な数/会議室の広さの検討に
具体的にはお客様の抱える課題に対して以下の内容で解決をサポートいたします。
<オフィス課題の把握>
・定量測定分析
・定性測定分析
・ヒアリングの実施
など
<シミュレーションの作成>
・移転スケジュール
・人員計画シミュレーション
・コストシミュレーション
・キャッシュフロー表
など
サービスページはこちらからご覧ください。
また、オフィス移転の目的・要件が定まったら、次は移転先のオフィス物件探しです。
オフィス物件の探し方や選び方の流れは以下の記事にまとめていますので、次のステップでご活用ください。