エンゲージメントが高まるオフィスとは?人が集まるワーク/コミュニティスペースの工夫とアイディア事例5選

昨今、働き方が多様化するなかで「なぜオフィスに出社するのか?」が改めて問われはじめています。このような状況で注目されているのが、従業員のエンゲージメントを高める“集まりたくなるオフィス”です。働く場としての快適性はもちろん、自然と人が集い、交流が生まれる空間設計やイベント・コミュニティスペースの活用が、組織の活性化やチームの一体感を育てます。

この記事では、エンゲージメント向上につながるオフィスの工夫とアイディア事例を5つご紹介します。

エンゲージメントを高めるオフィス環境の条件

従業員のエンゲージメントを高めるためには、快適さだけでなく「ここで働きたい」と感じられる空間づくりが重要です。ここでは、空間が働く人に与える影響を踏まえ、ワークスペースの設計ポイントを解説します。

モチベーションとエンゲージメント両方の向上

エンゲージメントとは、仕事や組織に対する心理的な結びつきで、一時的なやる気とは違い安定して長く続くのが特徴です。一方、モチベーションはやる気や動機づけを指し、外的・内的要因によって変動します。

モチベーションが報酬や評価といった短期的な刺激に左右されやすいのに対し、エンゲージメントが高い人は逆境にあっても離職しにくく、組織への定着も期待できるでしょう。職場改善や組織開発では、モチベーションの瞬発力とエンゲージメントの持続力を両立させることが重要で、これらを支えるオフィス環境づくりが求められます。

働く目的の明確化と自律性を尊重するスペース設計

明るく開放的な空間は、心理的な安心感や組織に対する信頼感の醸成につながり、働く人の心を前向きにします。選べる座席や集中ブースなど自律性を尊重した設計は、自分で働き方をデザインでき、主体的な行動にもつながるでしょう。

チームでの作業、個人で集中する作業など目的に応じた多様な空間が用意されていることで、働く目的と空間が一致し、エンゲージメントが自然と高まります。

目的に応じた高品質なワークスペースの存在

エンゲージメントは制度や周囲の評価だけでなく、オフィス空間の質からも育まれます。快適なオフィスは「働く人を大切にしている」という想いを自然に伝え、安心して働ける土台ともなるでしょう。

オフィスの工夫には、空調や音、照明、椅子など空間を構成するものへの配慮も欠かせません。これらは、ストレス軽減やパフォーマンス向上に直結するため、利用者の目線に立って選択することが大切です。

オフィスは単なる作業場所ではなく、従業員の感情や関係性に直接働きかける無言のマネジメントツールといえるでしょう。

心理的な安心感やつながりを生み出すスペース

「この場所で働きたい」と感じられるオフィスは、仕事のやりがいや満足感を高めることにつながります。個々の業務スタイルに合わせて選べる多様なワークスペースや、気軽に交流できるフリースペースを整備すると主体性やモチベーションが高まり、エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

物理的な空間は、心理的な安心感やつながりを生み出す重要な要素です。空間、制度、関係性を連動させて初めて、働く人の心に深く根ざしたエンゲージメントが生まれます。

エンゲージメントを高めるためにできるワークスペースの工夫とは

エンゲージメントの高いオフィスづくりには、働きやすい環境の整備と、従業員同士のつながりや心理的な安心感を生み出す工夫が不可欠です。

本章では、前章でご紹介した「働く目的の明確化」や「自律性の尊重」といった観点も踏まえ、ワークスペースにおける具体的な設計や仕組みの工夫をご紹介します。

ABWに対応したオフィスレイアウト

ABW(Activity Based Working)は、業務内容や気分に応じて働く時間や場所を選べる柔軟なワークスタイルです。オフィスにおけるABWとは、オープンなミーティングスペースやリラックスできるソファ席、WEB会議専用の個室ブースなどを設置することが挙げられるでしょう。それぞれの用途に応じた内装デザインを採用し、従来のオフィスレイアウトにとらわれない空間づくりが大切です。

ABWの導入は、生産性向上や従業員満足度のアップに直結します。パフォーマンスと満足度を同時に高める有効なアプローチといえるでしょう。

座席管理システムの活用

座席管理システムとは、オフィスの座席利用状況を可視化・管理できるツールです。従業員は事前に座席の予約や、誰がどこに座っているかを確認できるため、ABWやフリーアドレスなど自由に働く場所を選ぶスタイルで生じやすい「誰がどこにいるかわからない」問題を解消します。また「空席だと思ったら離席中だった」といったダブルブッキングの心配も防げるでしょう。

座席管理システムには、QRコードを読み取って予約するタイプや、人感センサーでリアルタイムに利用状況を把握するタイプがあります。柔軟な働き方でもスムーズに業務を進められ、ストレスの少ない環境づくりに貢献します。

静音ブースとコミュニケーションエリアの設置

ABWでは、部署や組織を超えた柔軟なコミュニケーションが進み、新しい発想やイノベーションが生まれやすくなります。そのためには、集中できる静音ブースと自由に交流できるコミュニケーションエリアの設置が効果的です。

静音ブースは、個人の深い思考や集中作業を支え、コミュニケーションエリアは業務上の連携をスムーズにします。働く人同士の関係性の質を高め、エンゲージメント向上にもつながるでしょう。

ワークスペースの工夫は、従業員の働きやすさだけでなく、自然なコミュニケーションや交流も促します。さらにエンゲージメントを高めるためには、空間だけでなくイベントやコミュニティといった “人と人をつなぐ仕掛け” も重要です。

次章では、こうしたつながりを生み出す具体的な施策や事例をご紹介します。

従業員同士のつながりを深めるイベント・コミュニティ施策とそのアイディア事例5選

前章でご紹介したような働きやすいワークスペースを“活かす”ためには、それぞれのスペースで生まれる社員同士のつながりや心理的な安心感をはぐくむ取り組みも大切です。

ここでは、オフィス空間をより意味ある出会いとコミュニケーションの場にするための、「心理的なつながり」「チームの一体感」「自社らしい文化醸成」を実現するイベント・コミュニティ施策のアイディアを事例とともにご紹介します。

インパクトのあるエントランス&オープンカフェで会話を促進(株式会社ナハト 様)

株式会社ナハト様は、コーポレートカラーを活かしたインパクトのあるエントランス設計が特徴です。大型ビジョンのあるエントランスは活気ある雰囲気を演出し、人が集う場所を表現したいという思いが込められています。

また、カフェスペースは壁面をガラスにすることで分断された空間にならないようになっています。開放的な空間は、従業員が休憩やランチ時に気軽に集まり、コミュニケーションできる環境になっています。さらに、執務室内には気軽に声をかけられるようなとある仕掛けが用意されているなど、従業員同士のアイデア交換やチームワークの向上に大きく寄与する工夫が散りばめられています。

「こんな元気な会社もありなんだ」と知ってほしい。メンバーが誇りを持って働けるオフィス。ナハトの新オフィス見学ツアー

若者の熱狂を生み出すオフィスで柔軟な働き方に対応(株式会社FinT 様)

株式会社FinT様では、「若者の熱狂を生み出す」をテーマに、従業員の声を積極的に反映して物理的・心理的距離を縮めるオフィスレイアウトやデスク配置を採用しました。意見箱やお披露目イベントなど誰もが安心して意見を伝えられる取り組みは、職場への信頼を高める要因につながっています。

オフィス空間は、執務エリアと集中スペースを分け、状況に合った働き方やコミュニケーションがしやすいよう工夫されています。他にもワンフロアの明るい空間設計や学生インターンも通いやすい立地など、多様な交流が生まれる環境となっています。

目指すは「若者の熱狂を生み出すオフィス」!SNSマーケティング集団・FinTのオフィス見学ツアー 

モチベーション高く働ける仕組みをちりばめた「出社したくなる」環境づくり(TIS株式会社 様)

TIS株式会社様の豊洲オフィスでは、自由に働き方を選べるからこそ「出社したくなる」環境づくりに力を入れています。例えば、各フロアにはコンセプトの違うコラボレーションエリアを設けています。30階はアイディアを広く発信できるようにスタジアムのような空間を設計し、キックオフなど人が多く集まるときに使用されています。

また、社員食堂ではイベントや限定メニューの企画もたくさん実施されています。このように、コミュニケーション施策やモチベーションを高く保てる仕掛けがハード面、ソフト面の双方から実施され、出社したくなる環境の提供に繋がっています。

自由に働き方を選べるからこそ、出社したくなる環境・機会を用意する。TIS 豊洲オフィス見学ツアー

出会いが生まれる「Park」スペースの導入で垣根を越えた交流を実現(Sansan株式会社 様)

Sansan株式会社様は「出会い」を非常に大切にしている会社です。オフィスは社員同士の出会いや交流の場であり、さらなる事業の成長を促す役割を担っていると考え「Park」と呼ばれるコミュニケーションが生まれる空間を設計しています。

「Park」は、植栽や自然光を取り入れたリラックスできる環境で、部署や役職を超えた偶発的な出会いや会話を促進できます。オープン性の高い空間は社内交流を活性化し、イノベーションや情報共有のきっかけにもつながります。

また、「Park」の一角には定時後にお酒を1人3本飲めるエリアも。こちらは以前からあった福利厚生ですが、動線的に帰り道に立ち寄りやすくなったことから利用率も2倍以上にあがり、従業員同士のコミュニケーション機会が創出されています。

社員同士の出会い・コミュニケーションが生まれる「Park」をオフィスに。Sansanのオフィス見学ツアー

コラボレーションを生むコミュニケーションスペース設計(TXOne Networks Japan 合同会社 様)

TXOne Networks Japan 合同会社様では、コミュニケーションが取れるよう、いろいろなタイプの椅子や机を用意。空間に余裕を持たせ可変性の高いレイアウト設計がなされています。

新たに設けた製品デモスペースでは社外のゲストも気軽に呼ぶことができ自由度が各段にあがりました。他企業へのイベント利用の発信も行っており、そこから協業の話なども生まれやすくなったようです。こうした役割を明確に持たせた空間は、気軽な交流から新規事業やサービスのアイデアが生まれ、コラボレーション文化の定着にもつながるでしょう。

お客様や各産業リーダーとのコラボレーションを生む場を、オフィスに。TXOne Networks Japanの本社オフィスツアー

このように、ワークスペースという「環境」と、イベント・コミュニティといった「仕掛け」を組み合わせることで、従業員同士のつながりや組織への愛着はより一層深まるでしょう。

まとめ

エンゲージメントを高めるオフィスづくりは、単に快適な環境を整えるだけでなく、従業員が「集まりたくなる」ワークスペースやコミュニティスペースを設計することが重要です。多様な働き方を支える柔軟なレイアウトや、自然な交流を促すカフェスペース、部門を越えたコミュニケーションを生むイベントなどが、その鍵となります。

従業員同士のつながりや心理的な安心感を育む空間と仕組みは、仕事への主体性やチームワークの向上に直結します。今後のオフィス設計では、こうした「人が集い、対話が生まれる場」の創出が、組織の持続的な成長と活力を支える大きな力となるでしょう。

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この記事を書いた人

HATARABAコラム編集部

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