オフィスの移転or既存オフィスの改装・リニューアル|迷ったときの検討ポイントを解説

オフィスの課題を解決したい企業担当者のなかには、「オフィスを移転する方がよいのか」「オフィスは移転せず、改装やリニューアルする方がよいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。経営層や上司からオフィスの見直しを求められた場合、どちらが自社に合っているのか検討をして社内提案をしなければなりません。

本記事では、オフィスを移転する場合と、移転はせずに改装リニューアルのみする場合のメリット・デメリット、迷ったときの検討ポイントについてご紹介します。

オフィス移転の全体像について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
オフィス移転の全体像がわかる!移転担当者が理解しておきたい4つのステップ【マニュアル付き】

オフィス移転のメリット・デメリット

オフィスの移転は、新しい環境で業務効率や企業イメージを高めるチャンスです。その一方で、コストや移行に伴う負担などリスクも少なくありません。ここでは、オフィス移転を選択する場合のメリットとデメリットをご紹介します。

オフィス移転のメリット

オフィス移転を行う目的によって、「拡大移転」「縮小移転」「都市部への移転」「地方への移転」など移転の選択肢はさまざまです。例えば、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 従業員満足度の向上【拡大移転】

  • コストの削減【縮小移転】

  • 自社ブランド力の向上【都市部への移転】

  • 優秀な人材の確保【都市部への移転】

  • 地方拠点強化税制による優遇措置【地方への移転】

  • BCP対策【地方への移転】

オフィス移転では、新しい環境での働きやすさを提供したり、自社の成長にあわせてオフィスの柔軟性を高めたりできます。また、話題性のあるオフィスビルやグレードの高いオフィスビルへ移転する場合、自社のブランド力の向上にもつながるでしょう。一方、近年では都市部から都市部への移転だけではなく、災害やシステム障害などの緊急事態が発生した場合を想定したBCP対策や、優遇措置の享受を目的に都市部から地方へ移転する企業も多く存在します。

より詳しい解説は、関連記事「企業がオフィスを移転するメリットとは?デメリットと成功させるポイント」をご覧ください。

オフィス移転のデメリット

オフィスの移転は新たな可能性を広げる一方で、見落とせないデメリットも存在します。ここでは移転に伴う代表的なデメリットをまとめました。

  • 通常業務への支障

  • 金額的な負担

  • 従業員の不満増加の可能性

従業員の立場では、通常業務以外の移転に伴うタスクの発生で従業員に負荷がかかったり、移転により業務が中断したりすることがあります。さらに、立地次第で従業員の通勤時間が長くなると不満の原因になるでしょう。

企業の財務面では、移転先のオフィス契約時に支払う諸費用、引っ越し費用、内装デザイン費用など大きい出費が伴うことを考慮し、計画を立てておく必要があります。

オフィス改装・リニューアルのメリット・デメリット

オフィスの改装は、現在の立地を維持しながら働きやすさや雰囲気を改善できる手段です。ここでは、オフィスの改装・リニューアルを選択する場合のメリットとデメリットをご紹介します。

オフィス改装・リニューアルのメリット

オフィスの改装は、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 従業員の生産性向上やモチベーションアップに直結しやすい

  • 社内のコミュニケーションが活性化する

  • 会社のイメージ向上に寄与する

改装・リニューアルには、内装工事やデザインの費用だけでなく、工事期間中の仮オフィス手配など、準備・対応に伴う追加の工数も発生します。しかし、オフィス移転と比べると予算・手間を抑えられる点がメリットといえるでしょう。

物件探しに時間やコストを割かなくとも、既存オフィスの改装で環境改善やイメージ刷新を実現できるケースがあります。

以下の記事では、オフィスの内装デザインの重要性について解説しています。

オフィス改装・リニューアルのデメリット

オフィスの改装は比較的低コストで環境改善を実現できますが、決して万能ではありません。以下のようなデメリットが挙げられます。

  • 通常業務への支障

  • 金額的な負担

  • 内装デザインの制限

改装期間中は、既存オフィスが使えず業務に支障が出る可能性があります。そのため、従業員が一時的に働ける環境の用意が必要です。具体的には、在宅勤務の導入や仮オフィスをレンタルする、などの方法があります。

また、オフィスの改装では、ビルの規則や面積の制約により希望の内装デザインを実現できないことがあるため注意しましょう。特にレイアウトを大きく変えられない場合は、期待した効果が得られない可能性があります。

移転 or 改装?目的別にわかるオフィスの最適ルー

オフィスの移転と改装、どちらが最適かは目的によって異なります。企業が直面する課題ごとに有効なシナリオを整理し、移転で解決すべきか、それとも改装で対応できるか選択基準を見つけましょう。ここでは主要なパターンごとに、移転・改装どちらが適しているか、目安を整理しました。

人員増加や業務拡大を見込むなら「移転」

既存オフィスではスペースの拡張が難しい、新しいレイアウトや設備を導入できないといった制約がある場合には、移転が適しています。

移転すれば、柔軟な動線設計や最先端のインフラを導入でき、将来の成長や生産性に合わせた理想的なオフィスをつくりやすいでしょう。ただし、初期費用や手続きの負担は大きいため、コストや運用面への影響を慎重に見極めることが大切です。

立地やビルグレードで企業価値を高めるなら「移転」

企業イメージの刷新や採用強化は、内装を一新する「改装」でも効果が期待できます。しかし、「事業のステージを変える」ような、より抜本的な変革を目指すなら移転が効果的です。

移転の最大の強みは、改装では変えられない「立地」と「ビルのグレード」という、企業の顔となる要素を根本から変えられる点にあります。ただし、移転には事務手続きや顧客への案内が必要で、移行期間に生産性が下がる可能性もあります。そのため、事前にリスクへの対策が必要です。

立地や通勤環境を維持しながら見直すなら「改装」

現在の立地や通勤の利便性に満足していて、その良さを保ちたい場合は、改装が適しています。

改装なら、これまで使用してきたインフラや設備をそのまま利用できるため、コストや契約手続きの負担も抑えられます。コストの削減だけでなく、働きにくさや老朽化といったオフィスの課題を比較的短期間で改善できる点も魅力といえるでしょう。ただし、工事中は従業員が通常通り業務をこなせるように、スペースの確保やリモートワークの導入など働き方の工夫が必要です。

コスト抑制を優先するなら「改装」

改装は移転に比べて初期投資を抑えられる点が魅力です。「限られた予算で効率的に環境を改善したい」「コスト優先で検討したい」という場合には、改装が有力な選択肢となります。改装の準備にかかる時間も移転に比べると少なく、外部手続きや移動の負担が少ないこともメリットといえるでしょう。

一方で注意したいのは、工事に着手してから判明する不備です。壁や床下などに潜んでいた劣化や老朽化した配線・設備が見つかると改修範囲が広がり、想定以上の時間や費用がかかる可能性があります。そのため、改装を計画する段階で十分な現地調査を行い、追加費用に備えた予備費を確保しておくことが重要です。

移転と改装に迷ったときの検討ポイント

ここからは、オフィスの移転と改装で迷ったときの検討ポイントについてご紹介します。

以下の3点を軸に優先順位を決めると判断しやすいでしょう。

移転と改装の検討ポイント①:コスト

移転後・改装後のオフィスを何年利用するかを想定したうえでコストのシュミレーションが大切です。例えば移転は、改装よりも初期費用が高くなる傾向ですが、賃料の低い物件に移転すれば長期的なコストを抑えられます。

一方で改装は、初期費用を抑えやすいのが特徴です。ただし、改装を繰り返すとその分コストが積み重なり、結果的に総額が高くなる可能性もあります。

移転と改装の検討ポイント②:時間

移転では、新しい物件探しから引っ越し完了までに時間がかかります。これに対して改装は、同じ場所を活かして工事を行うため、比較的短期間で終えられることが特徴です。

以下の記事では、移転のプロジェクト立ち上げから移転先で業務を開始するまでのスケジュールを解説しています。

移転と改装の検討ポイント③:効果

新しい環境で達成したい目的を明確にし、その目的に合ったコンセプトから「どんな価値を生み出したいのか」を検討することが重要です。例えば、既存のオフィスを活かしつつ、コミュニケーションの活性化や働きやすさの向上を目指すのであれば「改装」が現実的で効果的な選択となるでしょう。

しかし、企業のステージを次の段階へ引き上げるような、より抜本的なブランド戦略を意図するならば「移転」が強力な選択肢となります。

具体的には、ビジネスの一等地に拠点を移したり、環境性能の高い新築ハイグレードビルに入居したりするケースです。このような移転は、単なるイメージアップに留まらず、企業の信頼性やステータスを内外に強く発信するメッセージとなり、採用競争においても大きな優位性を生み出します。

目指す効果が「現状の改善」なのか、それとも「抜本的な変革」なのか。この視点を持つことで、自社に最適な選択が見えてくるでしょう。

オフィスのコンセプト設計については以下の記事が参考になります。

まとめ

オフィスの移転と改装で迷ったときの検討ポイントについて解説しました。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、「コスト」「時間」「費用」の3つの観点から比較検討しましょう。先に自社が求める要件を設定し、優先順位をつけておくとスムーズに検討できます。

オフィスの見直しで「自社だけでは移転や改装の検討がうまく進まない」「人手が足りず対応しきれない」といった課題をお持ちの場合、HATARABAサーベイがおすすめです。オフィス利用の現状を徹底的に可視化し、これまで気づきにくかった課題を浮かび上がらせて最適な解決策へと導きます。

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この記事を書いた人

HATARABAコラム編集部

HATARABAコラム編集部によるコラムです。オフィス移転やオフィスづくりなど、『はたらく場所を、もっとよくする。』ためのお役立ち情報を発信しています。

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