企業がオフィス移転を検討する主な理由は? 目的を達成できる解決策も解説

オフィスの移転は全社的な一大イベントですが、他の会社のオフィス移転はどういった理由で、もしくはどういったタイミングで行われているのでしょうか?

オフィスの移転をまさに検討している方、オフィスの移転を考え始めた方にとっては特に気になるところだと思います。

そこで、本記事ではオフィスの移転に関するご相談件数、年間3000件を誇る当社が、実際の事例をもとに世の中のオフィス移転が検討される理由について紹介します。その上で、目的を達成する手段としてオフィス移転「以外」の選択肢も紹介しつつ、オフィス移転の意思決定を行う場合、その価値を最大化するためのポイントについても解説します。

また、下記記事ではオフィス移転の流れや用語、ポイント、注意点などを基礎から分かりやすく解説しているので、オフィス移転が初めてでよく分からないというご担当者様は参考にされてください。
初心者必見!オフィス移転の流れやポイントを基礎から解説!

企業がオフィスの移転を検討する理由

企業がどのような理由でオフィス移転を考えるのか、2018年に実施されたザイマックス不動産総合研究所の調査結果から見てみましょう。

出典:「オフィス移転にみる企業行動と働き方改革」(ザイマックス不動産総合研究所)

上記のデータも参考に当社にご相談いただいたお客様の事例から大きく分類すると、以下のようなケースがオフィスを移転する主な理由です。

・より良いオフィス環境の整備・従業員満足度の向上
・自社ブランディングの強化
・オフィスの賃料・面積の見直し
・定期借家契約の終了・ビルの取り壊し

より良いオフィス環境の整備・従業員満足度の向上

オフィス面積の拡大・従業員満足度向上・オフィス動線の見直しによる生産性の向上などを目的とした「拡張移転」のご相談は、当社でも一番多いオフィス移転の理由です。

人員増によりオフィスが手狭になった
新規事業開始に伴い、オフィスを拡大したい
社員がより働きやすいよう生産性の高いオフィスをつくりたい
社員満足度を高め、定着率を上げられるオフィス環境を実現したい

など、より良いオフィス環境を作ることを目的とした移転は企業のフェーズアップの象徴としても従業員満足度の向上に影響する可能性があります。

自社ブランディングの強化

オフィスを移転することで自社のブランディングの強化を図ることも、オフィス移転の理由のひとつです。

例えば、一等地に移転すること、ブランド力のあるオフィスビルに入居することなどは、業績が良いこと、会社の勢いがあることのアピールに繋がる場合もあります。それにとどまらず企業として移転をさらに戦略を定めて移転を行うこと、それに伴ったPRを行うことによって、より自社ブランディングを効果的に強めることが可能です。

ブランディング戦略が明確であれば、物件の選定やオフィスのデザインなど膨大な選択肢がある意思決定も選択肢が絞られスムーズに行えます。

オフィスの賃料・面積の見直し

賃料や面積を適正化することが、オフィスを移転する理由のケースもあります。

近年はリモートワークの普及など環境の変化により、オフィスの役割や機能そのものを考え直す企業も増えてきています。それに伴ってオフィス賃料の見直しや、面積を狭めるといった縮小移転がされるケースも少なくありません。

以前のオフィスは原則として全社員が出社し、オフィスでのみ業務を行うような考え方が一般的でした。したがって、社員数分の執務スペースの確保が前提にあり、立地・グレード・環境面を犠牲にしてでも面積を確保する必要性もあったと言えるでしょう。

働き方の変化の中で、オフィスにコストをかけたり、面積を確保しなくても、自社の中でオフィスの位置づけを見直し、適正なコスト・面積を確保すること。その中で自社に適正な環境を作ることに重点をおかれる企業も増えてきています。

定期借家契約の終了・ビルの取り壊し

定期借家契約の終了や現在入居しているビルの取り壊しなど、自社の意思や課題と関係なくオフィスを移転せざるを得なくなったケースも、オフィス移転を検討する理由の一つです。

やむを得ない事情があったとしても、オフィスの移転が現在のオフィスの課題を解決し、より良い環境を実現する一つのチャンスであることには変わりはありません。

オフィスの退去の時期が決まっているのも、逆に考えれば期限を切って余裕を持った移転計画が立てられることを意味します。

オフィス移転を決めた理由が課題の解決方法として適切なのかを検討

オフィスの移転を考えるのは、現在のオフィスに何らかの課題を感じ始めたタイミング、もしくは潜在化していた課題が顕在化したタイミングが大半。ただし、その解決方法が必ずしもオフィス移転である、もしくはオフィス移転しかないとは限りません。

オフィス移転を決める前に検討すべきポイントや他に取りうる選択肢について解説します。

オフィス移転はコストを考慮しても実行すべきか考える

オフィス移転によって生産性向上・社員満足度向上・企業のブランディング向上などの効果が期待できるのは確かですが、一方でオフィスの移転にかかる費用や手間は小さくありません。

オフィス移転のプロジェクトメンバーに半年以上の長期に渡って多くのタスクが発生することに加え、移転前後には取引先への挨拶・引っ越し・移転先での環境に慣れることなどオフィスで働く全社員にとって大きな負担がかかります。また、移転後「以前よりも働きにくくなった」「通勤が不便になった」という不満が発生する可能性も。

そういったコスト・リスクを考慮しても現在のオフィスを移転すべきか、新しいオフィスに移転する意義があるかを考えることは重要です。

オフィスの動線はレイアウト変更で改善できる場合もある

「動線が悪く、業務効率が上がらない」というのは現在のオフィスのわかりやすい課題の一つ。オフィスの動線改善は業務効率の向上に大きく寄与する可能性があります。

ただし、オフィスの動線改善のため必ずしもオフィスを移転する必要はなく、レイアウトの変更で足りるケースもあります。

物件の間取りの制約はありますが、簡易なオフィスのレイアウト変更もまず検討すべき選択肢です。

改装・リノベーションでもオフィスは一新可能

オフィス空間を一新したい場合、新しい物件を探さなくとも既存のオフィスを改装・リノベーションすることで実現するケースも。

同じ物件であっても、デザインを一新するだけでレイアウトだけでなく印象も大きく変えられる上、移転ではなくあえてリノベーションでオフィスをリニューアルすることが企業のブランディング戦略に寄与することも可能です。

改装・リノベーションにも相応の費用や、工事期間中の仮オフィスの手配などの工数は発生しますが、オフィスの移転と比べると予算・手間は抑えられる傾向にあります。

フレキシブルオフィスなどのサードプレイスを活用する

既存のオフィスだけではなくシェアオフィス、レンタルオフィスを自由度の高い様々な形態のオフィスがサービス化されています。

足りない分の一部を、別の形で用意するという選択肢も考えられます。
初期コストを抑え、スピーディーにオフィスを構えることができるため利用される企業が増えています。

既存のオフィスの課題抽出には「HATARABAサーベイ」を

オフィスの課題を「オフィス移転以外の方法」で解決できるケースについて例を挙げて解説しましたが、実際には一つの目的・課題のみでオフィス移転を検討することは少なく、総合的な観点から検討されるケースが多いと思います。

オフィス移転に踏み切るべきか、既存のオフィスの中で解決策を考えるべきか迷われている場合、ぜひ「HATARABAサーベイ」をご検討ください。

当社が提供するHATARABAサーベイは既存のオフィスでの働き方を独自の指標で測定し、顕在化している改善点だけでなく、見えない課題も抽出します。現在のオフィスの利用状況を可視化し、課題を発掘、具体的な解決策をご提案します。

調査結果をもとにした意思決定のサポートもいたしますので、既存のオフィスに課題を感じている場合やオフィスを移転すべきか迷われる場合、まずはお気軽にご相談ください。

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オフィス移転の効果を最大化させるために重要なポイント

現在のオフィスの課題解決策として「オフィスを移転する」という意思決定を行う場合、社内の一大プロジェクトとなるオフィス移転の効果を最大するにあたって重要なポイントを解説します。

オフィス移転プロジェクトの要件定義をする

オフィス移転において最も重要なのは要件定義。すなわち、なぜオフィスを移転するのか、移転することにより現在のオフィスのどういった課題を解決するのかといった目的を明確にすることです。

要件定義を行うためには、オフィスで何を体現したいのか、自社のオフィスはどうあるべきかという会社のミッションやビジョンに照らし合わせ、かつ、既存のオフィスにはどういった課題があるのか抽出し、新しいオフィスでどう解決するか、解決策を策定する部分まで求められます。

また、新しいオフィスで実現したい事項、刷新したいブランディングイメージなどは中長期の経営計画とも絡んでくる部分なので、現場目線での課題解決だけでなく経営層が意思決定に関わるべき領域です。

オフィスにコンセプトを定める

オフィスの移転の目的を定めた後、それを実現するためのオフィスの「コンセプト」を定めることにより、その後の意思決定もスムーズになります。

オフィスのコンセプトとは、いわば会社がオフィスという空間を通じて伝えたい社内外へのメッセージ。つまり、オフィスのコンセプトが明確であれば、受け手が感じ取る印象のずれも少ないため、オフィス移転の目的達成の確度が高まります。

オフィス移転プロジェクトの初期には物件の選定や内装デザインの確定など、重要な意思決定が続きます。この時コンセプトが明確であれば、膨大な選択肢の中でも「この意思決定はコンセプトに沿っているか」という軸で選定が行えるため、プロジェクトの方向性がずれることを回避できます。

オフィスのコンセプトについては詳しくまとめていますので併せてご参照ください。

プロジェクトの目的・コンセプトを全社員に共有する

オフィスの移転は社員にとって働く環境が一新される一つの大きな機会。一方で、移転前後に一時的とはいえ大きな負担をかけることは間違いありません。

オフィス移転プロジェクトの進行の中で引っ越しの2~3か月前には社員向けにオフィス移転の旨やそのために必要なスケジュールの共有を行うのが一般的ですが、その際単に移転の事実やスケジュールを告知するだけでなく、以下のポイントを伝えることも重要です。

オフィス移転の目的
新しいオフィスのコンセプト
新しいオフィスで実現すること

可能であれば質疑応答が行えるよう、説明会のような機会を設けるのが望ましいと言えるでしょう。

オフィス移転後の効果検証を行う

無事オフィスの移転が完了し新しいオフィスでの業務が始まればプロジェクトとしては一段落。しかし、移転前に定めていた目的が本当に達成されたのか、旧オフィスが抱えていた課題が解決されたのかは実際にオフィスでの業務が始まってからでないとわかりません。そこで、移転後一定期間をおいての効果検証まで行えるのが理想です。

様々な切り口での指標の数値化から、社員のオフィスへの満足度のヒヤリングなどから移転後の効果検証を行い、軽微な軌道修正で可能な事柄があれば早期対応することで移転の効果の最大化が期待できます。

オフィス移転の目的達成に重要な部分をかいつまんで解説しましたが、オフィス移転のプロジェクトには他にも様々なタスクが求められます。

当社ではオフィス移転を簡単に4ステップにまとめたマニュアルをご用意しています!オフィス移転に関するスケジュール、必要となる官公庁への届け出一覧リストなど、オフィス移転に関わるマニュアルをまとめています。

オフィス移転の課題から効果検証までトータルサポート

オフィス移転が検討される際に頻出の理由や、それに対するオフィス移転「以外」の選択肢、オフィス移転を行う場合の重要なポイントについて解説しました。

オフィスの移転は拡大であれ縮小であれ、やむを得ない事情であれ、既存のオフィスの課題を解決するチャンスであると同時に、企業の今後の方向性を考える上で重要な意思決定でもあります。一方で「移転しない」という選択肢の中で解決できる課題も多くあるため、そういった部分も含めて最適な選択を検討してみてください。

当社は「オフィス移転業務の支援」にとどまらず、オフィス移転を行うべきかの意思決定のサポートから移転後の効果検証までワンストップでのご支援が可能です。

既存のオフィスの課題の明確化からご支援し、移転の是非のご判断もサポートします。

お問い合わせ、ご提案は無料なので、ぜひ「迷っている」段階からお気軽にご相談ください。

既存オフィス課題の抽出・解決策のご提案

現在のオフィスに何らかの課題を感じた場合、もしくは明確な課題は感じていないくても「より良いオフィス環境を整えられないか」と感じた場合、まずは現在のオフィスの利用状況を詳細に調査し、改善ポイントを明確化することが望ましいと言えるでしょう。

その上で課題解決の選択肢の一つとしてオフィス移転を行うべきか、最適な意思決定をサポートします。

オフィスを移転の要件定義のご支援

オフィスを移転する場合、最も重要なのはプロジェクトとしての要件定義。当社では「最高のオフィス移転体験」を提供することをミッションに、移転の効果を最大化するためオフィス移転の要件定義からサポートさせていただきます。

オフィスの移転は多くの企業にとって短くても数年スパンと、頻繁に起きるものではありません。慣れない中で自社のみで要件定義を行うよりも、オフィス移転のサポートを専門的に扱っている業者からのサポートがあった方が最適な意思決定ができる可能性が高まります。

候補先物件の仲介

オフィス移転の要件定義、さらにその目的を落とし込むためのオフィスのコンセプトが定まれば、重要な意思決定として新しい物件探しが挙げられます。

物件の面積や間取りだけでなく、立地や入居するテナントビルそのものもオフィスのコンセプトを体現するための重要な要素。

そういった視点も含めて当社が持つ豊富なネットワークの中からお客様のコンセプトに合った最適な物件の選定、さらに入居時のオーナーや管理会社との交渉までサポートいたします。

オフィスデザイン決定のご支援

物件が決まれば、その物件をどう活用しオフィス空間を作り上げるかも重要な意思決定です。オフィスのコンセプトを実現しつつ、業務効率や社員の利便性、居心地の良さを両立させるようなオフィスデザインを決定するにあたってもご支援させていただきます。

例えば、複数の事業者からデザイン案を募り、採用した案に対してデザイン費を支払う形式の「オフィスデザインコンペ」をご活用いただくことで、費用を抑えながら豊富な選択肢の中からデザイン案を決定できます。

オフィス移転業務のトータルでのご支援

オフィス移転プロジェクトの中で特に重要な意思決定を求められるのは「要件定義」「物件選定」「オフィスデザイン」の部分ですが、オフィスの移転プロジェクトにはそれ以外にも数多くのタスクが発生します。

見落としがちな部分も含めてトータルでサポートし、プロジェクトの円滑な進行をご支援します。

移転後の効果検証

移転が完了し新しいオフィスでの業務が始まった後、当初定めたオフィス移転の目的が達成されたか、課題は解決できたかの効果検証も当社にお任せください。

HATARABAサーベイは移転前の課題抽出だけでなく、移転後の効果検証にも併せて活用することでより精度の高い効果検証が可能です。

物件選定から賃貸借契約サポートはもちろん、
移転先の要件定義や内装パートナー選定まで一括サポート

オフィス移転コンサルティング

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この記事を書いた人

HATARABAコラム編集部

HATARABAコラム編集部によるコラムです。オフィス移転やオフィスづくりなど、『はたらく場所を、もっとよくする。』ためのお役立ち情報を発信しています。

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