【アジアの最新オフィス動向】シンガポール・香港・バンコクでの拠点選びの判断基準とは

アジア市場への進出において、オフィス選定は単なる「拠点確保」に留まらず、初期コストの最適化と現地でのブランド価値を左右する最重要戦略です。特に、シンガポール、香港、バンコクといった主要都市では、それぞれが独自のビジネス環境や賃料事情を持つことから、事前の市場分析が不可欠です。

本記事では、これら3都市のオフィス事情を分析し、自社にとって最適な拠点選びのヒントを提供していきます。

アジア主要都市で加速するオフィス戦略の新潮流

アジア主要都市のオフィス市場は、ハイブリッドワークの定着に伴い、柔軟性と機能性を兼ね備えたオフィス空間への需要が高まっており、特にハイグレードオフィスビルに人気が集中しています。

加えて、ESG(環境・社会・ガバナンス)対応や最新テクノロジー実装を前提としたスマートオフィスも増加しつつあり、コスト効率だけでなく、生産性向上を促す要素やブランド訴求力といった点を、オフィスの価値として重視する傾向が強くなっています。

【都市別】シンガポール・香港・バンコクの賃貸オフィス市場を徹底比較

シンガポール・香港・バンコクは、いずれも国際的なビジネスハブでありながら、それぞれが異なる市場特性と強みを持っています。

シンガポール|アジア統括のハブとしての圧倒的地位

ザイマックス総研の「仕事の未来を創る世界都市」と題されたレポートで分析されているように、シンガポールは、強力な政府のリーダーシップのもと、変化を強力に後押しし、世界的なイノベーションと投資のハブとしての地位を確立しています。その魅力は、政治・経済の安定性、グローバルなアクセス性、そしてスマートシティ・インフラへの注力にあります。

オフィス市場においては、特にハイグレードオフィスが集中するマリーナベイやラッフルズプレイスといった戦略的なエリアに需要が集中しています。

スマートシティ戦略ではAIやデジタルツイン「バーチャル・シンガポール」で都市機能を最適化し、「シンガポール・グリーンプラン2030」のもと、炭素税導入や建築物の環境基準(グリーンマーク)義務化で脱炭素社会をリード。環境配慮型かつ効率的な働き方を重視する企業にとって魅力的な選択肢となっています。

今後もビジネスハブとしての地位は揺るがず、不動産市場も安定を維持する見込みです。ハイブリッドワークが定着する中、サステナビリティへの投資や、コムセンターのカーボンニュートラルな再開発に代表される野心的な都市開発を継続。これにより、将来にわたり世界から人材と投資を惹きつけ続けることを目指しています。

参考:「仕事の未来を創る世界都市:シンガポール、ロンドン、東京、ニューヨーク」



シンガポールのオフィス市場の安定性は、緻密な国家戦略の必然的な結果です。スマートシティやグリーン政策といった国家ビジョンがオフィスビルの価値に直結し、この戦略が需要を高品質な物件に集中させ、市場全体の安定を創出。不動産を国家の競争力を高めるための戦略的インフラと位置付けている点が、他の都市との決定的な違いであり、その強さの根幹であると考えられます。

香港|変化の局面にある国際金融都市

長らくアジアの金融・貿易ハブとしての地位を確立してきた香港ですが、近年は政治的な変化やパンデミックの影響を受け、オフィス市場も大きな転換期を迎えています。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社が発表している『2025年の香港オフィス市場展望』では、

「2025年の香港オフィス市場は、供給増加を特徴とするテナントと貸主にとって多くの機会を提供し、賃料への更なる下落圧力を引き起こすと見込まれます。この環境は市場の動きを牽引する可能性があり、テナントは高品質で交通至便かつ好立地の物件に魅力を感じ、スペースとコスト効率を高めています。
こうした関心と、貸主が新規テナント誘致のために講じる積極的な施策は、オフィス賃貸契約の増加を後押しすると予想され、今後1年間の香港市場の回復力を浮き彫りにするでしょう。」

とまとめられています。

出典 「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社」
引用:「2025年の香港オフィス市場展望」https://www.cushmanwakefield.com/en/greater-china/insights/blog/hong-kong-office-market-outlook-for-2025



香港オフィス市場は、大量の新規供給により賃料下落が続く「借り手優位」な状況です。これは単なる市況の波ではなく、香港がアジアのハブとして役割を再定義する中で生じる、より構造的な変化の表れと考察します。

この環境は、企業にとって単なるコスト削減の機会に留まりません。むしろ、同じ賃料でより価値の高い場所へ移る「戦略的投資」の好機となっています。企業の社会的評価を高めるESG対応ビルや、優秀な人材を引きつける快適な環境への移転、いわゆる「質への逃避」が加速しているのは、オフィスが企業のブランド価値を左右する経営資源と認識され始めた証です。

結果として、市場の二極化はさらに鮮明化し、テナントの高度な要求に応えられるビルに需要が集中する一方、そうでないビルは競争力を失うと予想され、今後の香港では、単なる立地だけでなく「どのような価値を持つオフィスを選ぶか」が、企業の競争力を測る新たな指標となっていくと考えられます。

バンコク|コスト競争力と成長性が魅力

タイの首都バンコクは、ASEAN市場へのゲートウェイとして、東南アジア進出を目指す企業にとって非常に魅力的な拠点です。近年は、都市インフラの整備や外国企業に対する誘致政策の推進により、国際ビジネス都市としての存在感を着実に高めています。そのバンコクのオフィス市場は今、歴史的な「供給過剰」という逆風の中にありますが、これは企業にとって史上最大のアップグレード好機と言われています。

かつて完全な借り手優位の局面へシフトしていた市場ですが、「Thailand MarketBeat Reports」によると、「グレードAオフィスの空室率は2025年第4四半期の23.8%から2026年第1四半期には23.3%に低下した」というデータが示すように、徐々に均衡を取り戻しつつあります。しかし、市場の実態は単なる価格競争ではなく、オフィスの価値が根本から再定義される質的転換の真っ只中にあります。

出典 「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド株式会社」
引用:「Thailand MarketBeat Reports」https://www.cushmanwakefield.com/en/thailand/insights/thailand-marketbeat

最大のトレンドは、物理的なスペース確保から「従業員体験(EX)の最適化」への移行で、かつての「駅近・駐車場付き」という条件は前提に過ぎず、現在は「出社したくなる環境」が選定基準となっています。具体的には、緑地やジムを備えた複合施設型オフィスや、交流を促すライフスタイルハブとしての機能が、優秀な人材を惹きつける武器となっています。

また、ESGへの対応も必須となり、環境認証やデジタルインフラ認証のない築古ビルは淘汰される二極化が鮮明です。こうした背景から、2026年は面積を最適化しつつ、浮いたコストで最高スペックの環境へ移転する戦略が、タイにおける経営効率とブランド価値を同時に高めるための最も合理的な選択と言えるでしょう。

戦略的なオフィス選びで、自社に最適な海外拠点を見つけよう

本記事で取り上げたシンガポール・香港・バンコクは、それぞれ異なる特性と市場動向を持つアジア有数のビジネス都市です。オフィス選定においては、単なる賃料の比較だけでなく、立地や将来性、自社の事業戦略との整合性など、多面的な視点で最適な拠点を検討することが求められます。海外拠点の開設に関心をお持ちの方は、自社の成長戦略に最適な都市と物件を見極める一助として、ぜひ本記事で紹介した情報をご活用ください。

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HATARABAコラム編集部

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