近年では3mを超える天井高のオフィスも増えてきていますが、なぜ天井高が注目されているのでしょうか。実はオフィスの天井高は、社員に大きな影響を与えるポイントなのです。今回は、オフィスの天井高の平均値や天井高の影響についてご紹介します。
オフィスの天井高は社員にどのような影響を与える?
まずは、オフィスの天井高が社員に与える影響について見ていきましょう。天井が高い場合と低い場合の違いを解説します。研究結果も記載しているので、オフィスの天井高について改めて確認してみましょう。
天井が高い場合
天井が高い場合、社員はオフィスに差し込む自然光の明るさや、開放感を感じながら業務に集中できます。また、蛍光灯がまんべんなく室内にあたるため、適度な明るさを確保できる点も魅力的です。また、ストレスや圧迫感が少ない分、自由な発想も生み出しやすい環境だといえるため、床面積に合わせた天井高を確保すると良いでしょう。
天井が低い場合
天井が低い場合、社員は圧迫感を感じてストレスが高まってしまいます。デザイン職のようなクリエイティブな職業に就いている人に特に影響を及ぼし、自由な発想が生み出しにくくなる傾向にあります。また、集中力が低下するため業務を効率的にこなせなくなってしまうことが考えられます。
オフィスの天井を高くするには?
オフィスの天井高の平均値は2.61mといわれています。しかし、竣工年月日が新しくなるほどに天井高は高くなっている傾向にあります。
錯覚を利用する
人間は、天井の色が黒いと天井を含め部屋を狭いと錯覚し、白いと部屋が広くなったと錯覚します。そのため、部屋が明るいと光を反射して開放的な空間を演出できるのです。反対に、フローリングを暗い色にすると、天井の色と相反してより天井を高く見せられます。
ただし、むやみに天井を高くするだけではいけません。天井が高すぎても不安を感じてしまう社員もいるので、いかに社員のストレスを少なくして業務に集中できる高さどうかに焦点をあてて天井高に注目すると良いでしょう。
実態を調査しよう
まずは、「現在のオフィスの天井高」を測ったり調べたりして、現状を知ることから始めましょう。社員が働きやすい環境になっているか、床面積に適した天井高になっているかどうかを調査することが大切です。現状のままでいいのか、レイアウトやデザインを変えた方が良いのかなど、課題が見えてくるでしょう。移転をするということになったら、内装やレイアウトだけではなく、天井高にも気を配ってみてください。
オフィスの天井を高くするとどうなる?
天井高を高くすることで、業務に集中できたり、自由な発想を生み出したりとさまざまなメリットがありますが、その反面デメリットもあります。その理由について見ていきましょう。
家賃が高くなる
オフィスの天井を高くすると、一般的に賃料は比例して高くなります。スケルトン物件にして天井を高く見せることも可能で、近年ベンチャー企業を中心としてスケルトン物件が取り入れられています。
スケルトン物件とは、一般的にスタジオで使われるもので、オフィス内の床や壁、天井などの内装が何も施されていない物件のことです。スケルトン物件を借りてその後内装を施しますが、退去する際には借りた状態に戻さなくてはいけません。取り入れる際には、退去時に費用がかかることも念頭に置いておきましょう。
空調が効きにくい
天井を高くなり、部屋の空間が広くなった分だけ空調が効きづらくなってしまいます。さらに、部屋が広くなったことで規格外の資材を使った場合は、建設・修繕にかかるコストも割高になってしまう点にも注意しましょう。先ほどの賃料が高くなる傾向にあることも含め、まずは賃貸業者や施工業者に予算の目安を伝えておくことがおすすめです。
まとめ
天井が高い物件を考えている場合は、まずオフィスの床面積に合った天井高になっているかどうかを確かめてみましょう。広いオフィスの場合は、天井もそれなりに高くないと圧迫されているように感じてしまう可能性があります。
今すぐに移転を考えてない場合は、天井の色を白く、フローリングの色を暗い色に変えて天井が高いと錯覚させるのも一つの方法です。
社員がのびのびと働ける環境にするために、天井高についても一度検討してみてはいかがでしょうか。