オフィス移転は会社にとって重要なイベントです。しかし、数年に一度である事が多いため、社内でオフィス移転のノウハウが蓄積されにくい傾向があります。はじめてオフィス移転のプロジェクトを任された方は「何から始めれば良いかわからない」「スケジュールの立て方がわからない」など多くの不安を抱えていることでしょう。
本記事では、はじめて移転を経験される方がスムーズに行えるように移転の流れを4つのステップに分けて、それぞれのステップの要点をご紹介します。プロジェクトが終了するまで活用できる「オフィス移転マニュアル」も無料でダウンロードできますので、ぜひ最後までお読みください。
オフィス移転には4つのステップがある
オフィス移転は大きく分けて以下の4つのステップが存在します。次章以降でこの各ステップについて要点を説明します。
<オフィス移転の4つのステップ>
STEP①現状を分析してオフィス移転の要件定義を行う
STEP②物件を選定して内見を行う
STEP③物件への申込・手続きを行う
STEP④オフィス内装を入れてオフィス運用をする
このような全体のステップと順序を理解しておくことには以下のメリットがあります。
<メリット>
・オフィス移転におけるスケジュールを立てやすくなる
・移転にかかる手間や注意すべき箇所などがイメージしやすくなる
・無駄な費用を抑えることができる
・手戻りや抜け漏れが少なくなり、スムーズに進行ができる
・必要な箇所を切り出して外部へ相談しやすくなる
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STEP①現状をしっかり分析し、オフィス移転の目的を設定しよう
この段階では、すぐに移転先の物件を探すのではなく、現状課題の把握と整理を行い、目的の設定を行うことから始めましょう。
ここを曖昧なまま進めると、物件を探す工程やオフィス内装を決める工程で判断基準が曖昧になるため、余分に時間がかかったり、手戻りが発生する可能性があります。
オフィス移転によって何を実現するべきなのかを明確にすることが移転成功のカギです。社員数や坪数だけでなく、リモートワークの有無、出社率、フリーアドレスの導入といった働き方や、現在のオフィスでの課題などを把握しましょう。
例えば、具体的なタスクとしては以下があります。
1.現在のオフィスにおける課題を把握する
2.オフィス移転の目的を明確にする
3.移転にかかる費用をシュミレーションする
4.移転先の希望条件を設定する
STEP②物件候補を選定して内見をしよう
物件を選定する段階では、希望条件を設定して物件を選び内見をします。具体的には以下のタスクが発生します。
1.広さ、エリアなど希望条件を絞る(3点ほどに絞ることをおすすめ)
2.希望条件に優先順位をつけて物件を探す
3.内見してイメージ通りか確認する、また周辺環境を調べる
4.物件を比較し、決定する
物件選定の前準備として、広さ、エリア、交通アクセス、設備など、譲れない条件を3点ほどに絞って優先順位を付けておきましょう。
物件の内見数が多すぎると時間がかかってしまうため、その条件に合致する物件を選んで実際に内見をすることをおすすめします。
内見の際は、事前に資料から分かる部分は調べておき、Webや資料だけでは分からなかった部分を確認するようにしましょう。
見るべきポイントを事前にチェックリストにまとめておくと、確認の抜け漏れを防ぐことができて、他の候補物件との比較もしやすいのでおすすめです。
STEP③物件へ申込・条件確認・契約をしよう
この段階では、希望物件が決まったら申込をし、契約書の内容を事前にチェックします。条件を確認して相違がなければ契約を進めます。具体的なタスクとして以下が発生します。
1. 入居条件を明確にする
2. 物件に申込む
3. 契約書の確認・調整を行う
契約に関する疑問点は必ず確認のうえ、賃貸借契約を締結するようにしましょう。契約書の内容を必ず事前に読み、合意した内容が正しく反映されているか、極端に不利な文言がないかなどの確認も重要です。法務担当や弁護士がいる場合にはチェックをお願いするのも良いでしょう。
STEP④オフィスの内装構築し、オフィス運用しよう
この段階では、STEP①で設定したオフィス移転の目的を達成するためにオフィスの内装を構築していきます。内装デザインを行ってくれるパートナーを選定して、内装を構築してオフィスを運用します。
内装は会社の理想や理念、働き方を反映させやすいポイントです。しっかりとイメージを空間づくりに反映させましょう。具体的なタスクとしては以下が挙げられます。
1. オフィス内装のコンセプトを決める
2. 内装パートナーの選定と決定をする
3. 内装を構築する
4. オフィス移転時に必要な届け出を行う
5. オフィスを運用する
パートナー選定時に求める条件やオフィス内装の条件は、事前にまとめておくことをおすすめします。その後、オフィスを運用するうえでは、期待した通りの結果が得られているかを定期的にチェックします。もし、得られていない場合は、オフィス内装を微調整したり、制度を変えたりしながら理想形に近づけていく活動が必要です。
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