オフィス移転の中でも、特に多くの予算を占めるのが「内装工事」です。工事の内容は大きく建築・電気・その他の工事に分類されます。実際の費用は「スケルトンか居抜きか」といった物件の状態や「A・B・C工事」の工事区分の違いによっても大きく変動します。
「坪単価の目安はいくらがいいか?」「グレードによってどれくらい金額が変わるのか?」など、具体的な相場や費用の仕組みが気になっているご担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、工事費用の内訳はもちろん、物件タイプ別、グレード別の坪単価の目安についても詳しく解説します。
また、下記記事ではオフィス移転の流れや用語、ポイント、注意点などを基礎からわかりやすく解説しています。オフィス移転が初めてでよく分からないという場合は参考にしてみてください。
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オフィス移転にともなう内装工事の内容
まずは、オフィス内装工事の内容についてみていきましょう。
建築工事
オフィス移転にともなう内装工事では、オフィスの骨組みづくりから壁・天井に至るまで、内装の基本設計に関わるさまざまな工事を行います。この中には、工事を行うにあたり必要な足場づくりや養生といった仮設工事も含まれます。
天井や壁の工事は軽鉄工事・ボード工事と呼ばれ、石膏ボードなどを駆使して行います。カーペット・タイル・クロス・化粧シートなど内装の仕上げとなる工事費用はこちらに含まれることが多いです。
パーティション工事という間仕切り工事も建築工事に含まれます。パーティションにも材質や固定式と可動式といった種類があり、自社にあったものをチョイスできるため、適したものを選ぶとよいでしょう。
オフィスに必要なドアの設置は内装の仕上げには含まれず、建具工事と呼ばれています。建具工事の際には、さまざまな材質からドアの種類を選べるようになっています。自社の雰囲気に合うドアを選びましょう。
電気工事
オフィス移転にともなう内装工事では、電気設備や空調換気設備、給排水設備、消防設備などの電気工事もおこないます。
具体的には、照明・コンセントの設置や空調・換気扇の設置、給湯室、キッチン、トイレなどの水回り工事、消火設備・火災報知器設置、非常放送設備設置、避難設備の設置などが該当します。
配線などのその他の工事
ビデオ会議システムを搭載するAV工事、監視カメラや入室・退室カードリーダーなどのセキュリティに関する工事、電源・LAN配線工事、音響設備工事、電話回線工事など、配線に関する工事もオフィス移転にともなう内装工事でおこないます。
支店間でビデオ会議をしたい、セキュリティ面を強化したオフィスにしたいなど、要望がある場合は業者に伝えてみるとよいでしょう。
物件の状態・グレード別に見るオフィス内装工事費用の相場
オフィス移転の予算策定において、最も変動幅が大きいのが内装工事費用です。一般的な目安としては坪あたり10〜30万円程度がよく挙げられますが、実際には物件の引き渡し状態(スケルトン/居抜き)や内装のグレード、設備へのこだわりによって10万円台から50万円超まで幅広く変動します。まずは、変動要因ごとの相場観を押さえておきましょう。
スケルトン物件と居抜き物件の坪単価の違い
工事費用を左右する最大の要因は、入居時の物件状況です。
スケルトン物件
「スケルトン物件」は床・壁・天井などの内装設備がない状態から工事を行うため、レイアウトの自由度は高い一方で工事範囲が広くなります。相場は坪20万〜40万円程度です。
居抜き物件
「居抜き物件」は、前テナントの内装や設備を引き継ぐスタイルです。間仕切り壁、空調、照明などを再利用できるため、工事費用を抑えやすく、内容にもよりますが相場は坪10万〜20万円程度に収まるケースが多いです。スケルトンと比べて、費用を半額近くまで圧縮できる可能性があります。
費用の内訳と負担区分(A工事・B工事・C工事)
内装工事の見積もりは、工事内容を「A工事・B工事・C工事」の3つに区分して整理されるのが一般的です。これは誰が費用を負担し、誰が工事業者を指定するかという契約形態の違いによる分類です。
A工事:ビルの躯体や共用通路など。費用負担・業者指定ともにオーナー側。
B工事:空調・防災・排水設備など、ビル全体の安全性や機能に関わる工事。費用は借主負担だが、業者はオーナー指定。
C工事:専有部の壁紙、照明、什器設備などの内装工事。
費用負担・業者指定ともに借主側で、デザイン会社や施工業者を自社で選定可能。
A/B/Cは「負担者と発注権限」を整理するための枠組みです。次に、実務上よく発生する工事項目ごとの費用感を把握しておくと、見積の妥当性を判断しやすくなります。
【工事項目別】費用感の目安
オフィスの内装工事では、エントランス・会議室・執務室・リフレッシュエリアなどのゾーンごとに仕様を決め、必要な設備を整えていきます。目安としては以下のような費用が発生します。
プランニング費(レイアウト/内装デザイン設計):1〜3万円/坪程度
内装・電気・防災・空調など(内装工事一式):20〜35万円/坪程度
通信ネットワーク・電話設置・配線工事:5〜15万円/坪程度
家具費用:5〜30万円/人程度
※上記はあくまで目安で、物件状態(スケルトン/居抜き)や既存設備の再利用可否によって大きく変動します。
内装グレード(標準・ハイグレード)による坪単価の変動幅
同じ広さでも、内装グレードによって坪単価は変わります。たとえば、クロス貼りやタイルカーペット中心の標準グレードであれば坪20万円前後が一つの目安です。一方、エントランスに石材を使う、ガラスパーテーションを多用するなどのハイグレード仕様では、坪40万〜50万円を超えることも珍しくありません。
重要なのは、全面をハイグレードにするのではなく投資すべき場所を見極めることです。自社のオフィス利用状況を可視化し、来客が多いエリアにはコストをかけ、利用頻度の低い会議室は標準仕様にするなど、データに基づくメリハリ設計を行うことで、デザイン性とコストの両立が図れます。
オフィス移転の内装工事にかかる費用はこだわりによって異なる
一般的に、オフィス移転における内装工事は坪あたり10~30万円ほどが相場とされていますが、これはオフィス内のレイアウトや設備へのこだわりによって左右されます。
オフィスの内装工事における基本的な設備はエントランス・会議室や執務室、リフレッシュエリアと分けられます。
自社らしくオフィスレイアウトや内装デザインにこだわりたい場合は、プランニングにかかる費用で1~3万円/坪程度を見込んでおきましょう。
また、内装・電気設備・防災設備・空調設備など電気工事に関わる費用で20~35万円/坪程度、通信ネットワーク・電話設置設備や配線工事にかかる費用で5~15万円/坪程度かかるのが一般的です。
さらに、オフィス内家具費用として5~30万円/人程度かかります。オフィス内のレイアウトは採用活動や来客に与える第一印象を左右するものです。どこまで内装にこだわるかは、入居する期間やオフィス移転の目的などを考えながら決めるとよいでしょう。
オフィス移転の内装工事にかかる初期費用を抑える方法
居抜き物件へ移転する
初期費用を抑えてオフィスの内装工事を行いたい場合は、居抜き物件がおすすめです。居抜き物件とは、以前利用していたテナントの設備が残ったままの物件です。
オフィス空間のレイアウトの自由度が下がってしまう点はデメリットですが、設備を一から整備しなくてよいため、初期費用を抑えられます。さらに、おしゃれなオフィスを安く引き継げる点もメリットだといえるでしょう。居抜き物件の場合は、追加工事費用のみを負担すればよいのです。
見積書に書かれている工事項目を確認する
見積書の確認は必須です。どの項目にどの程度費用がかかっているのか確認しなければいけません。工事項目の例は以下の通りです。工事項目をあらかじめ知っておくことで、余分に業者に搾取されることを防げるでしょう。
- 仮設工事
- 軽鉄工事
- 内装工事
- 建具工事
- パーティション工事
- 電気設備工事
- 空調換気設備工事
- 消防設備工事
- サイン工事
- 雑工事
- 諸経費
業者によっては坪単価10~30万円と幅があり、200坪程度の規模で坪単価10万円とすると、費用はおよそ2,000万円。しかし、同じ規模でも坪単価が30万円であれば費用は約6,000万円と、およそ4,000万円も費用が異なってくるのです。できる限り安く費用を抑えたい場合は、複数の業者に見積りを出してもらい比較しましょう。
さらに、見積書を複数出していると、業者側が自社を選んでもらおうと最安値で工事を引き受ける可能性が高まります。工事を下請けに任せず、デザインや工事、引き渡しまで一貫してサポートする業者を選ぶと、比較的工事費用が安く済むケースが多いでしょう。
オフィス移転の内装工事は信頼できる業者に相談しよう
今回は、オフィス移転の内装工事の工程やそれぞれにかかる費用などをご説明しました。
見積書を照らし合わせ、上記の一般的な見積書の工事項目に書かれていない項目や、説明が不明瞭な項目があれば業者にきちんと聞いてみることが大切です。複数の業者に見積を依頼し、工事コストを比較してみるとよいでしょう。
一貫してサポートしてくれる業者だと比較的コストが安く済む可能性が高いです。オフィス移転は何かと費用がかかるので、業者とよく相談して少しでも初期費用を抑えるようにしましょう。
弊社の「オフィス移転コンサルティング」にご依頼いただけると、最適な選択肢を最適なタイミングで提示しながら必要なサポートを適宜させていただくので安心してプロジェクトを進めていただくことも可能です。
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