一般的なオフィスではカーペットやタイルなどの床を土足のままで歩きます。しかし、スタートアップ企業を中心に、オフィスの一部または全てを土足禁止にするところが増えています。オフィスを土足禁止にすることは、土足のままで歩けるオフィスと比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
土足禁止のオフィスがあるの?
一般的な企業は、オフィス内を土足のままで歩けるところが大半なのですが、比較的最近設立されたスタートアップ企業の中には、オフィス内を「土足禁止」にしているところもあります。社員の福利厚生として土足禁止のオフィスにしている企業もあります。これは既にさまざまな社内規定が出来上がっている大手企業と比べ、スタートアップ企業の場合は柔軟に社員の意見を反映しやすいためでしょう。
従業員の働きやすさをメインとし、「家よりも快適なオフィスを目指そう」というビジョンを明確な目標として打ち出している企業もあります。さまざまな通信機器やクラウドサービスの発達により、「家が快適ならリモートワークで良い」と考える人も増えている中、「それなら会社を家よりも快適な場所、来たくなる場所にしよう」という発想です。
オフィスを土足禁止にするメリット
オフィスを土足禁止にすることで、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
掃除が楽
靴を履いたまま歩き回らなければ外の汚れを持ち込みにくいので、掃除の手間が省けるようになります。掃除の時間が短縮されれば、その時間を業務にあてられますので、業務効率のアップにもつながるでしょう。また、オフィス内が汚れにくければ掃除の頻度を減らすこともできますので、コストの削減にも寄与します。
社内をキレイに保てる
オフィスの床を明るい色のフローリングにしている場合、土足だとすぐに靴の跡やキズがついて汚れが目立つようになります。しかし靴を脱いで歩けば汚れにくく、社内を長い間、キレイに保つことができます。フローリングに限らず、什器やカーペットの劣化も軽減できるでしょう。
リラックスできる
家にいるようなリラックス感覚が持てるのは、決してダラダラするという意味ではなく靴を脱ぐことの大きなメリットです。身体が緊張していると思考まで緊張しやすくなりますから、靴を脱いで肩の力を抜きリラックスして業務に臨むことで、柔軟な思考やフラットなディスカッションが行えるようになるでしょう。
リラックスした雰囲気は、社員同士のコミュニケーションも促します。活発なコミュニケーションやディスカッションによって、チームや会社が一体となった仲間意識が生まれ、そこからより良いアイデアやクリエイティブな発想が生まれるかもしれません。
オフィスを土足禁止にするデメリット
オフィスを土足禁止にすることは、以下のようなデメリットが考えられます。
靴の紛失・盗難のリスク
靴を下駄箱に置いておくと、どうしても取り違えられる可能性が生じます。社員の数が多くなればなるほど、そのリスクは増えるでしょう。中には「自分のより良い靴だから」「有名なブランドの欲しかった靴だから」といった理由による盗難も絶対にないとは言いきれません。
スリッパの管理
靴を脱いだ後でスリッパを使う場合、使用したスリッパは誰が管理するのかという問題点が生じます。スリッパも毎日履いていれば次第に汚れてきますので定期的な交換や消毒も必要になります。
デメリットの解消方法
これらのデメリットを解消するには、以下のような方法が考えられます。
靴の紛失・盗難を防ぐには
靴の取り違えや盗難を防ぐためには、鍵つきの下駄箱を用意するのが最も確実でしょう。鍵のかからない下駄箱よりも、ずっと盗難や紛失のリスクは軽減できます。「下駄箱は予算や設置場所の問題で難しい」という場合は靴袋を用意し、各自で外履きを管理してもらう方法もあります。ただ、この方法は紛失を防げても盗難は防ぎにくいですから、よく検討するようにしましょう。
スリッパの管理方法
スリッパを会社側で用意するのではなく、何らかの上履きを各自で持参してもらい管理も個々に任せる方法なら、消毒や管理の問題も解決できます。福利厚生として用意したいということであれば、カタログなどから各自に選んでもらって会社が一括して注文し、届いた後の管理は個人に任せる方法もあります。
また、社員数が多い場合には使用したスリッパを自動で消毒してくれる、マシンを導入したり、業者に頼んだりする方法もあります。どちらが適しているのかは会社の規模や予算にもよりますので、よく検討をしましょう。
オフィスを一部だけ土足禁止にする方法も
オフィス内を全面的に土足禁止にするのが難しい場合には、一部だけ土足禁止にする方法もあります。例えば、普段は通常通りに土足OKの執務スペースで集中して作業し、リラックスしたいときだけ土足禁止エリアへ移動するなど、メリハリをつけた業務がしやすくなります。
この方法なら、いつでもリフレッシュして頭を切り替えることができ、業務効率や生産性アップにもつながりやすいでしょう。リラックスした場所ではアイデアが生まれやすいほか、マグネットスペースとしての役割も期待できます。
土足禁止エリアを作れるグッズ
オフィス内に土足禁止エリアを作ることができるグッズをご紹介します。
●置き畳(正方形)
参考サイト:国産 い草 置き畳 ユニット畳 82×82cm 「あぐら」
●置き畳(長方形)
参考サイト:い草 置き畳 ユニット畳 システム畳 82×164cm 「 あぐら」
置き畳には、正方形や長方形、縁の色、畳自体の色など、さまざまな選択肢があります。日本人なら実家や伝統的な日本家屋などで畳に触れる機会もあり、畳があると“ほっ”と落ち着ける人も多いでしょう。
●ウッドカーペット:タイルウッドカーペット
参考サイト:タイルウッドカーペット(20枚セット)
木目調の床は温かみや柔らかさを感じやすいものです。さらにクッションなどを置いて過ごしやすくしても良いでしょう。ご紹介したタイプは縦横の向きをランダムにして気分を変えることもできます。
●フロアタイル:置くだけフローリング
置くだけフローリングは、カーペットタイプと比べて頑丈なために手入れの頻度が少なくて済みます。ただし、タイル地というやや硬めの材質は畳と比べるとリラックス感に欠けるかもしれません。
●クッションラグ:フロアソファになる洗えるクッションラグ
参考サイト:ウォッシャブル クッションラグ
クッションラグは、なんといってもゴロゴロと寝転がれる気軽さがポイント。リフレッシュスペースとしても、昼寝スペースとしても利用できます。ご紹介したタイプはカバーを洗濯機でも洗えるので清潔度も保てます。
まとめ
オフィス内を土足禁止にすると、掃除の手間が省けるだけでなく、心身ともにリラックスして柔軟な思考やディスカッションができるようになります。まずは上記のようなグッズを使って、一部土足禁止エリアを作ってみてはいかがでしょうか。