機能的で内装にもこだわったオフィスは働く人の意欲や想像力を上げ、生産性を高めます。また、採用の観点でも効果があるといえるでしょう。そのため、オフィスの内装に力を入れる企業が増えています。
オフィスのレイアウトはどこまでを自社で?どこからを業者に?具体的にどのように進めればよいのか迷われる方も多いのではないでしょうか?
結論としては、オフィスの内装デザインにおいては自社で簡易なレイアウトを作成し、デザイン会社と情報共有するのが効率的かつ効果的です。
本記事ではオフィスのレイアウト作成において、専門知識がなくても使いこなせるソフトを無料のフリーソフトを中心に紹介し、レイアウト作成において重要な考え方やポイントについても解説します。
・オフィスのレイアウト作成において何からすればよいかわからない
・レイアウト作成のために自分にあったツールが知りたい
・レイアウト作成の無料ソフトと有料ソフトの違いを知りたい
上記の課題をお持ちの方は本記事が解決の糸口となるのでぜひご一読ください。
オフィスのレイアウト作成が重要な理由とは?
オフィスのレイアウト作成はオフィスデザインの第一歩として非常に重要です。まずは、レイアウト作成が重要な理由を解説します。
オフィスの内装デザイン会社との正確な情報共有
オフィスの内装やデザインを業者に依頼する場合、イメージを伝えるにあたってレイアウト図を用いることで口頭や文章で要望を伝えるよりも要望が正確に共有できます。
レイアウト図を細部まで作り込むことよりも、意思疎通に齟齬がないよう簡易でかまわないので要望を明確にすることを心がけるのが重要です。
業者によってはレイアウト図の作成から対応可能な場合もありますが、目的や要件を明確にしたうえでレイアウト図は自社で作成した後に共有した方がイメージとデザイン案の乖離も起きにくいといえるでしょう。
オフィスの移転・リニューアルのシミュレーション
理想とするオフィスのレイアウト図を簡易的にでも作成することにより、オフィスの移転やリニューアルに伴うシミュレーションがスムーズになります。
理想とするオフィスのレイアウトを作成することは、現状のオフィスの課題の発見にもつながります。新たなオフィスに対して求める条件は現在のオフィスにおける潜在的な不満である可能性が高いためです。
レイアウトを作成する中で現状のオフィスの課題が発見できた場合、作成したレイアウトの中で見つかった課題が解決できているのか再確認することでより良いレイアウトづくりが可能です。
【基本は無料で十分】オフィスレイアウトソフトのチェックポイント
初心者でも簡単にオフィスレイアウトを作成するためにはソフト選びが大切です。まずは、より使いやすいソフトを見つけるためのチェックポイントを見ていきましょう。
操作の簡単さ
操作の簡単さはレイアウトソフトに限らずソフト選びの最重要チェックポイントです。初心者でも直感的に使えるようなソフトを選ぶとよいでしょう。
フリーソフトはコストをかけずに試せるので、いくつか使い勝手を確認して最終的に1つに絞り込むようにすると失敗もなく安心です。
パーツやテンプレートの豊富さ
レイアウトソフトにはデスクやチェア、パーテーションといった、オフィスのレイアウトに役立つパーツやテンプレートが予め用意されています。具体的にイメージを固めるためには、パーツやレイアウトが豊富なものがおすすめです。
3D表示機能はあると便利だが必須ではない
3D表示機能は平面図では具体的にイメージしにくい「高さ」を、立体的に表現できる機能です。立体でみえることでオフィス家具の高さによる圧迫感なども具体的にイメージできます。
便利な機能ではありますが、3D表示機能がなくてもレイアウトそのものは可能です。社内でイメージを共有したり、デザイン会社に渡すための簡易なレイアウト作成であれば平面図でも十分でしょう。
あれば便利な機能ですが、必ずしも備わっている必要はありません。
有料ソフトと無料ソフトの差は?
オフィスレイアウトソフトには無料のものと有料のものがありますが、有料のレイアウトソフトが優れている点は主に以下の3つです。
レイアウト作成機能
レイアウト図の共有機能
ソフトのサポート体制
有料ソフトは感覚的な操作で図面作成ができたり、床材や壁紙、オフィス家具といったレイアウト作成に役立つパーツが豊富だったりと、レイアウト作成をスムーズに行うことができます。(3D機能が備わっているものも多い)
また、社内の複数メンバーでレイアウト図を編集、確認することができる共有機能が備わっているものも多いのも特徴と言えます。操作のサポートやヘルプサービスがついているものもあります。
ただし、社内のメンバーやデザイン業者とイメージを共有するためのレイアウト図を作るという目的であれば、フリーソフトでも十分役割を果たすことができます。
イメージを伝えるにあたっては初心者がフリーソフトで作成したレイアウト図であっても、口頭や文章で伝えることに比べると遥かに具体的にできるためです。
実際にオフィスレイアウトのイメージをフリーソフトで作っている企業は多く、デザインまで自社で行う場合やデザイン業者に対して細部までのこだわりを共有したい場合以外はフリーソフトで作成したレイアウト図で十分といえるでしょう。
オフィスレイアウトに役立つおすすめ【フリーソフト6選】
オフィスのレイアウト作成におすすめのフリーソフトを6つ紹介します。ダウンロードして使うものやオンラインで使うもの、ExcelやPowerPointを使うものなどがあるため、使いやすいものを探してみてください。
せっけい倶楽部
「せっけい倶楽部」は、オフィスレイアウトと外観の作成ができるフリーソフト。名前と住所を入力すれば無料でダウンロードできます。
パズルにピースをはめるような直感的な操作で間取りを配置していくので、使い方も簡単です。家具や壁紙、フローリングなど、1000種類以上もの豊富な素材データを標準装備しているので、まるでショールームでコーディネートしている感覚で使用できます。3D表示機能が無料で利用できるのも嬉しいポイントです。
ホームページではインストール方法やオンラインマニュアルなどがとても丁寧に解説されており、「質問・お問い合わせフォーム」では個別の質問に回答してもらえるので、初めてでも安心して使えます。
「フリーソフトなのに高性能!」とユーザーからの評価が高いおすすめのレイアウトソフトです。
Floorplanner
Floorplannerは直観的なエディタで間取り図を素早く描くことができるレイアウトソフトです。豊富な素材データから家具を選びドラッグ&ドロップで配置するだけで簡単にレイアウト作成が可能。3D表示も無料で利用することができます。
作成したデータは全てクラウドに保存され、印刷することが可能です。
海外のサービスですが、日本語に対応している上、メールアドレスとパスワードを登録するだけで利用開始できるため導入に苦労することもないでしょう。
フリーソフトとは思えないくらい高機能ですが、無料版では保存できる図面が1枚だけである点のみご注意ください。
オフィスレスキュー119
オフィスレスキュー119は簡易なレイアウトが作成できるExcelテンプレート。オフィス家具の大型販売店「オフィスレスキュー119Happy」が提供しています。
間取りに合わせて「図面シート」に罫線を引き、あらかじめ用意されたオフィス家具をコピー&ペーストするというシンプルな方法でレイアウトが作成可能です。用意されているオフィス家具は、デスクやチェア、OA機器やパーテーションなど約75種類。タイルカーペットの色の変更も、セルの書式設定から簡単に操作できます。
普段Excelを使っている方であれば直感的に使いこなせる操作性も魅力です。
Cacoo
Cacooはウェブアプリケーションのドローイングツールで、ウェブブラウザでオフィスレイアウト図を作成することができます。
豊富な種類のオフィスレイアウトテンプレートと図形が用意されており、ツールをマウスでドラッグするだけでレイアウトが可能。マウスを中心とする簡単な操作だけでオフィスレイアウトが作成できます。
社内のメンバーや業者に共有する際も、共有設定をしてURLを共有するだけ。ウェブブラウザさえあれば閲覧できるので、PDFなどの形式に変換する手間も省けます。
また、リアルタイムでのコラボレーション作業が可能なため、チーム全体のアイデアをレイアウトに反映させることもでき、作業効率アップも期待できます。
無料プランでは図を作成する機能はフルに使用できますが、図の作成は6シートまで、図の共有は15名までの制限があります。
まどりくんWeb
まどりくんWebは、会員登録なしで本格的な間取りが作成できるWebアプリ。インストール不要でブラウザ上で間取り図が作成でき、3D表示にも対応しています。
作成したレイアウト図を画像で保存できるので、デバイスを問わずレイアウトの共有が可能です。
社内レイアウト作成シート
社内レイアウト作成シートは、レイアウトをPowerPointで作成するテンプレート。数値入力でオブジェクトサイズを編集できるPowerPointのメリットを活かしてレイアウト図を作成できます。
使い方はシンプルで、オフィスのアウトラインを書き込んでから用意されたパーツを選んでコピー&ペーストするだけ。PowerPointを使ったことがある方であれば簡単に操作できます。
失敗しないためのレイアウトづくりの3つのポイント
いかにソフトをつかいこなして詳細レイアウトの作成ができても、ポイントを抑えていなければ理想とするオフィスに繋がらなかったり、もしくは作成に大きな手間がかかってしまう可能性があります。
効率よく、かつ失敗しないためのレイアウト作成のポイントについて見ていきましょう。
新しいオフィスのコンセプトを明確にする
レイアウト作成の前段階として最も重要なのは、新しいオフィスのコンセプトを明確にすること。
新しいオフィスで何を実現したいのか、オフィスにどのようなメッセージを打ち出したいのかといった指針を決め、コンセプトを打ち出すことによりレイアウトの作成もスムーズになります。
作業を進める中で迷った際はコンセプトに立ち戻ることによって、レイアウトの段階で理想のオフィスづくりから遠のくことが回避できます。
レイアウトの作成に時間・手間をかけすぎない
綺麗なレイアウト作成にこだわるあまり時間・手間をかけすぎることは効率的ではありません。
レイアウトの作成は理想とするオフィスづくりのための一つのステップ。特に、デザイン業者にオフィスデザインを依頼する場合、デザイン業者が要件・要望を把握できれば十分であり、レイアウト図自体は簡易なものでも全く問題ありません。手描きのレイアウトでも十分にコミュニケーションが取れる場合も。
レイアウト図はあくまでイメージを共有するための青写真と割り切り、作成そのものに時間・手間をかけるよりも要件を明確にすることを心がけましょう。
要望を汲み取り、踏み込んだ提案ができる業者に依頼する
自社で作成したレイアウト図をもとにヒアリングを重ね、要望を正確に汲み取りオフィスデザイン案に起こせるデザイン業者選びは非常に重要です。レイアウト図をいかに正確に作成しようと、オフィスデザイン案を作成する段階で要望が反映されなければ理想のオフィスレイアウトは完成しません。
自社の要望を正確に把握しつつ、単に要望を叶えるだけでなく潜在的なニーズにまで提案できる業者を探せることが理想です。内装に関しては内装会社のコンペを行うことをおすすめします。
当社ではオフィスのコンセプト策定の支援から実績のあるデザイン業者の紹介(内装コンペ含む)までオフィスのレイアウトや内装デザインの決定においてもサポートさせていただきます。
まとめ
レイアウトはオフィスのリニューアルや移転に伴うデザインの一新において定めた「オフィスのコンセプト」を体現する第一歩。
使いやすいオフィスレイアウトソフトを探し、デザイン業者に要件、要望を適切に伝えられるようなレイアウトの作成を心がけてみてください。また、要望をしっかりとデザイン案に落とし込める業者の選定も重要です。
オフィスレイアウトの作成や前段となるオフィスのコンセプト決めに悩まれる場合、ぜひご相談ください!
進行中のプロジェクトに関するご相談でも、移転・リニューアルの検討段階でもまずはお気軽にご相談ください!