オフィスビルを選ぶ際に建物の内部構造を意識することはありますか?設備や賃料を気にしてしまいがちですが、目には見えないけど意外と重要な選定基準となる構造や耐震について解説していきます。
1.建物構造とは?
建物構造とは建築の際にどのような材質や材料を使用しているかということで、アルファベットで表記されることが多いです。今回は代表的な3種類の違いについてご説明します。
・S造:鉄骨造(Steel)
名前の通りに鉄骨を用いた構造で、鋼材の厚さによって軽量鉄骨造(6mm未満)と重量鉄骨造(6mm以上)があり、オフィスに利用されるのは主に重量鉄骨造です。RC造、SRC造と比べて軽く柔軟性があるため空間を広くとるデザインや高層の建物に採用されることも多いです。
デメリットとしては、火災が起きた場合に鉄は熱が伝わりやすく変形してしまい建物の安全性に影響がでる可能性があります。
・RC造:鉄骨コンクリート造(Reinforced Concrete)
コンクリートの中に鉄骨をいれることにより強固にした材料で建築した構造となります。
メリットとしてはコンクリートに覆われていることによりS造より耐火性に優れ遮音性も高くなるのですが、材料も増える分建築コストがかさみオフィス賃料に影響がでることもあります。
・SRC造:鉄筋鉄骨コンクリート造(Steel Reinforced Concrete)
RC造の構造と似ており、コンクリートの中に鉄筋と鉄骨が入った構造でさらに高い強度と耐火性を持つことができます。ただし鉄筋と鉄骨の両方をいれるため複雑な形にすることは難しくなってしまいますが、災害時の安全性をもとめた企業にはおすすめの構造となるでしょう。
2.オフィスビルの耐震基準とは?
耐震基準とは、建築基準法で定められた地震に対する強さの基準のことを言います。
その中でも1981年6月に建築基準法の大きな改正があり、この改正以前の建築基準のことを旧耐震基準、改正以降を新耐震基準と呼んでいます。
築年数が浅い、古いというのは年数でわかると思いますが、ではどういう影響があり何に気を付ければよいのかを解説していきましょう。
・旧耐震基準
1981年5月31日以前の建築確認をうけたもの
震度5程度の揺れでも建物が倒壊しないこと
・新耐震基準
1981年6月1日以降に建築確認をうけたもの
中規模の地震(震度5強程度)の地震でほとんど損傷せず、また大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないこと
重要なのは竣工日ではなく建築確認日がいつか?という点です。改正後に竣工された建物でも建築確認を受けた日が改正前になれば旧耐震基準となるので注意をしましょう。
旧耐震基準の建物では、大規模の地震に直撃されると倒壊してしまう可能性が高くなりますが耐震性を確認するための耐震診断を受けていたり、補強や改修工事をしている建物も存在します。耐震診断を受けている場合、新耐震と同等の耐震性と評価されることもあるので診断や補強の有無の確認をとることをお勧めします。
3.BCPから見るおすすめオフィス
今回ご紹介した構造や耐震はオフィス選びのBCP対策観点として考えることも大切です。
特に自社で取り入れることが難しい物件自体に備わっている耐震基準や設備は事前に把握しておくことが良いでしょう。
そのBCP対策としておすすめ物件であるテレコムセンターをご紹介します。
■構造と特徴
建物を安定した地盤に支えるなど適切な構造設計を行い、液状化対策をすることで十分な耐震力と安全性が確認されています。構造の特徴としては、21階建ての高層棟2棟をアトリウムとブリッジで接続し一体としています。シンプルな形態の建物でバランスを保ち震災時の揺れで起こる力が特定の部分に集中することを防いでいるのです。
1996年1月竣工の新耐震基準であるということに加え、高さ60mを超える建築物に義務付けられている構造安全に関する大臣認定も受けているため、ハード面のBCP対策として重要な要素となりますね。