リモートワークやハイブリッドワークが主流になり、かつてのように社員全員オフィスへ出社するというスタイルは減り、オフィスの在り方を検討する企業が増えました。無駄なオフィス面積の削減、執務スペースをコミュニケーションスペースに転換する等、オフィス面積の効率化を検討する企業が増えてきています。
オフィス面積の効率化の一つとして取り組みやすいのが「ペーパーレス化」。とはいえ、紙での保管をゼロにするには難しく、適切な文書管理が必要です。そんなお悩みを解決できる「書類・文書保管サービス」についてご紹介!導入時の注意点もまとめています。
そもそも文書管理って?
「文書管理」とはその名の通り、作成した文書を管理することですが、具体的には下記5つのサイクルに分けられ、段階的に管理される事を指します。
– 発生
– 活用
– 保管
– 保存
– 廃棄
また、「文書」には2種類あり「個人文書」と呼ばれる、個人が作成し保管しているものと、「共有文書」と呼ばれる企業が持つ有益な情報で、全社員が活用できるものがあります。現実的には素案段階の「個人文書」から完成版の「共有文書」へとステップを踏んで管理されているものがほとんどでしょう。
これらの文書を必要に応じて取り出せるように管理すること、機密情報や個人情報などの法的に漏洩を防ぐ必要のある情報を適切に管理することの二つが文書管理の主な目的になります。
前者の目的は業務の効率化や生産性の向上には欠かせない要素。リモートワークやハイブリッドワークが主流となった今、各社でペーパーレス化が進み、オンライン上でデータ(電子文書)としてうまく文書管理されることが求められるようになりました。
職種や規模、業界によってはかなりデジタル化が進んでいるものもあるようですが、企業活動を行う上で契約書や財務諸表、労務関連の書類など機密情報を含む重要な書類はデジタル化しにくいものが多いでしょう。こちらは後者の目的にあたり、リスクマネジメントにも繋がってきます。
文書管理の方法には2つ。紙と電子文書
紙保管
紙での文書管理は、書庫、キャビネット等を用いて行います。五十音順に並べる、取引先ごとに分類する、など必要な書類を探しやすくする工夫が必要となります。
電子保管
データで文書を管理するのが電子保管です。紙より修正がしやすく、汎用性のある電子文書は全社で共有、活用しやすいというメリットもあります。
紙の資料が減ることで紙自体のコストや印刷に関するコストが削減できます。それに伴う印刷機器のメンテナンス費、紙を廃棄する際の費用も不要になりコスト面のメリットは大きいといえます。
また、紙の場合は棚やキャビネットなど資料を保管するためのスペースも必要になるので、電子文書にすることはオフィス面積の削減というコストカットにも繋がります。
ペーパーレス化の実態とオフィスの有効活用の考え
では、実際にペーパーレス化に取り組んでいる企業はどの程度いるのでしょうか。
2022年にザイマックス総研が研究調査した「大都市圏オフィス需要調査2022春②働き方とワークプレイス編」によると、働き方に関する取り組み状況として、約半数が資料・書籍のペーパーレスに取り組んでいることが分かりました。これらは上位3項目のモバイルワークに関する施策につぐ割合で多くの企業が積極的に取り組んでいることがうかがえます。
また同じ調査の中で、オフィス内の席について、在籍人数分の固定席を用意する従来のレイアウトではなく、働き方の変化による出社人数の増減に柔軟に対応できるレイアウトが求められ、ポストコロナの働き方に適したオフィスレイアウトの再検討が進む可能性が示唆されています。
文書保管サービス
ペーパーレス化や、オフィス面積の効率化が進む中、書類の電子保管と共に注目されているのが、文書保管サービスです。
電子データによる保存を認める電子帳簿保存法も徐々に事業者が利用しやすいように法改正がされましたが、電子帳簿保存法の要件を満たさない書類など、紙面で保管しておく必要があるものがまだ残っているのが実情ではないでしょうか。
電子化して廃棄はできないが、オフィスに書類を大量に置くのは避けたい、そのような際に活用できるのが、文書保管サービスです。文書保管サービスとは、オフィスで保管しきれない書類を別の場所で預かるサービスのことで、不要になった書類の廃棄や、必要な際の閲覧、配送なども行います。
紙の文書保管サービスの選び方
現在、文書保管サービスは複数あります。どのサービスが自社にあっているか検討したうえで導入することが大切です。比較する際に確認すべきポイントは大きく4つあります。
セキュリティ
保管が必要になる書類は機密性の高い重要書類であることが多いです。そのような書類を外部に預ける際に重視したいのがセキュリティです。保管場所への出入りは管理されているか、その管理方法は、プライバシーマークは取得されているか、等を確認しましょう。
立地
都心部に近い倉庫も魅力的ですが、地震や津波などの自然災害が起こりにくい場所にある倉庫を選ぶことでより安心して書類を保管することができます。
保管量の柔軟性
保管の必要な文書量は時と場合により変化します。最低預入量はあるか、1箱単位で変更可能か、等、保管料の柔軟性があるのか確認しましょう。
システムの使い勝手
入出庫はWEBで管理、依頼できるサービスが多いです。預ける書類が多くなるほど、システムの使いやすさが重要になります。WEB画面で操作できる範囲が何か、使い勝手はいいか、等を確認しましょう。
現在注目の文書保管サービス。オフィス効率化のために、検討してみてはいかがでしょうか。