生成AIでオフィス業務はどう変わる? 設備・DXに続くバックオフィス業務の効率化と導入ステップ

「会議室の予約が重複している」「社員から毎日同じ質問が届く」「総務規程の改定文案作成に3日かかる」。こうした日々の業務に追われ、企画や改善といった、本来やるべき業務に時間が割けない総務担当者は少なくありません。

一方で、スマートオフィスやDX化により、オフィスの空間最適化と勤怠・申請といった定型業務は着実に進化しています。残されたのは「判断と工夫が必要なバックオフィス業務をどのようにして効率化していくか」という課題です。

これに対して注目されているのが生成AIです。生成AIは社内問い合わせ対応を自動化し、文書作成を支援し、企画検討を加速させます。これにより、総務の「考える・まとめる・つくる」業務を支える新たなパートナーとなるでしょう。

本記事では、設備やDXで整えた基盤の上に生成AIをどのように活用し、バックオフィス業務とオフィスのあり方を次の段階へ進めるのかを整理しました。AI時代における新たな総務の働き方と、その先にあるオフィスの姿を掘り下げます。

スマートオフィス・DXと合わせて使いたい「生成AI」とは?

スマートオフィスやDXは、オフィス環境の最適化や定型業務の効率化を担っています。一方で生成AIは、判断や工夫が求められるバックオフィス業務を支援する存在です。ここでは、それぞれが担う役割を整理します。

スマートオフィス:空間と設備の最適化

スマートオフィスとは、IoTやセンサー、入退室管理、会議室予約システムなどの技術を使い、オフィスの使い方を整える仕組みです。人の動きやスペースの利用状況を可視化すれば、必要な場所だけに空調や照明を稼働できます。また、実際には使われてない会議室が予約されたままになることも防げます。オフィス全体の無駄を減らし、快適さと効率を同時に高めるのがスマートオフィスの特長です。

その一方で、スマートオフィスは総務が日々行っている判断や調整、企画など「考えることが必要な業務」まではカバーしきれず、これまでとは異なるアプローチが求められています。

DX:定型業務のシステム化

DXとは、勤怠管理や各種申請、ワークフロー、文書管理など、業務ルールや手順が明確な定型業務をデジタル化・自動化する取り組みです。紙やメールを中心としていた業務がオンラインで完結することで、処理スピードや正確性が向上し、属人化の防止にもつながります。これにより、総務の業務負担は確実に軽減され、業務の効率化が進みました。

一方で、DXが得意とするのは「規定に沿った業務運用」です。イレギュラーな対応や判断、関係者との調整など、バックオフィス業務については依然として人の手に頼らざるを得ず、新たな課題として残されています。

生成AI:バックオフィス業務を支援する思考のパートナー

生成AIは、正解が一つではない業務を支援する存在です。都度内容が異なる社内問い合わせへの対応や文書作成、施策やイベントの企画検討など「考える・まとめる・言語化する」業務を幅広くサポートできます。

生成AIの最大の特徴は、人の代わりに判断を下すのではなく、情報整理やアイデア出しの補助役として機能する点です。これにより、従業員が悩む時間を減らし、意思決定の質を高められます。

スマートオフィスは空間・設備を最適化し、DXは定型業務を自動化する一方で、生成AIは判断が必要な「思考業務」を支援します。これまで人にしか担えなかった業務領域の生産性を高める、新しい業務改善のアプローチといえるでしょう。

総務の現場が変わる!生成AIの具体的な活用シーン3選

生成AIは、総務のバックオフィス業務を変える存在です。ここでは、総務の現場で実際に生成AIを活用できる3つのシーンを紹介します。

① 社内問い合わせの「コンシェルジュ化」

総務には、就業規則や各種申請、オフィス利用ルールなどに関する社内問い合わせが日々寄せられます。こうした対応は特定の担当者に集中しやすく、属人化を招くケースも少なくありません。

生成AIを活用すれば、社内規程やFAQを学習させた「総務コンシェルジュ」を構築し、従業員が気軽に質問できる環境を整えられます。問い合わせの一次対応をAIに任せられれば、総務は割り込み業務に割く時間が減り、企画や改善といった付加価値の高い業務に集中できるでしょう。また、回答内容を標準化できるため、対応品質のばらつきを抑えられる点もメリットです。

② 文書作成・要約の「アシスタント化」

社内通知文や規程改定案、会議資料の作成は、総務業務の中でも時間を取られやすい作業です。生成AIは、こうした文書をゼロから作成する存在ではなく、下書きや構成案を提示するアシスタントとして力を発揮します。

同じ内容でも、経営層向けと従業員向けに表現を調整したり、長文資料を要点だけに要約したりといった工夫が可能です。文章の方向性や伝えるべきポイントを考えるのは人が担い、実際に形にする作業をAIに任せることで、質を保ちながら作業時間を削減できます。

③ 社内イベント・施策の「壁打ち相手」

社内イベントやエンゲージメント向上施策、オフィス活用の企画など、総務には明確な正解のない業務が数多くあります。

生成AIは、企画のたたき案を提示したり、想定される反対意見や懸念点を洗い出したりする「壁打ち相手」として活用できます。過去事例を整理し、複数の選択肢を比較することで、検討の質とスピードが向上します。意思決定そのものをAIに任せるのではなく、判断材料を増やすと、総務の企画力や提案力をより高められるでしょう。

失敗しない生成AI活用の3ステップとセキュリティ対策

生成AIを効果的に活用するためには、ツール選定よりも導入プロセスが重要です。ここでは、総務業務で失敗しないための3つの導入ステップと、セキュリティ対策のポイントを解説します。

ステップ1:業務の棚卸しとリスクの整理

生成AI導入の第一歩は、業務の棚卸しです。総務のバックオフィス業務には、情報整理や文章のたたき作成などAIに任せやすい業務と、最終判断や関係者との調整など人の手で担う業務が混在しています。

すべてをAIに任せようとすると、混乱を招きかねません。どこまでをAIに任せ、どこから人が判断するのかを事前に整理することが、生成AI活用を成功させるための前提条件となります。

ステップ2:スモールスタート(PoC)

業務整理ができたら、次はスモールスタートでの検証です。社内問い合わせ対応や文書作成など、影響範囲が限定的で効果を測りやすい業務からAIの導入を試行します。

実際に現場で使ってみると、「どの業務で活用できるか」「どこに違和感があるか」といったリアルな感覚をつかめます。PoC(概念実証)の段階では完璧を求めず、改善を前提に展開することで、定着への近道となります。

ステップ3:効果検証

PoCで一定の成果が見えたら、次は効果を検証します。社内問い合わせ対応時間の削減や文書作成工数の短縮など、定量的な成果を可視化し、導入効果を客観的に判断します。同時に「業務が楽になったか」「本来の仕事に集中できるようになったか」といった現場の声を拾い上げることも重要です。

こうした定性的な変化も、生成AIの価値を測る指標となるでしょう。結果を踏まえて展開することで、生成AIは単なるツールではなく、組織全体の生産性を高める投資として位置づけられます。

セキュリティ・ガバナンスの考え方

生成AI導入において欠かせないのが、セキュリティとガバナンスの設計です。まず取り組みたいのは、社外に公開して問題ない情報と、社内限定・機密情報の線引きを明確にすることです。そのうえで、利用目的や禁止事項、取り扱いルールを文書化し、全社で共有する必要があります。

生成AIの導入ルールが曖昧なままでは、現場が不安を抱え、活用が進みません。個人向けサービスではなく、アクセス制御やログ管理が可能な専用環境や法人向け生成AIであることが選定時の重要判断軸です。活用することで、情報漏えいリスクを抑え、安心して利用できる環境を整えましょう。

AIで創出した時間を「人が集まるオフィスづくり」へ

生成AIの導入によって生まれた時間をどう使うかが、総務やオフィスの価値を左右します。本章では、AIで創出した余白を人と組織のために活かし、「人が集まるオフィス」へと進化させる視点をまとめました。

AIが生んだ時間を、人と組織のために使う

生成AIの導入によって生まれた時間は、単なる効率化の成果ではありません。その時間を総務が担うべき業務に再投資すれば、組織全体の価値を高められます。

社員エンゲージメント向上の施策や、部門間コミュニケーションを活性化させる仕組みづくり、働き方の変化に合わせたオフィス環境の再設計などは、人の視点が欠かせない領域です。AIが生んだ余白をどう使うかによって、総務の役割と価値は大きく変わるでしょう。

“処理する総務”から“考える総務”へ

生成AIが日常的な業務を支援すれば、総務の役割は「処理する存在」から「考え、設計する存在」へとシフトします。総務の担当者は組織や社員の状態に目を向け、次に取るべき対応を考える余裕が生まれるでしょう。

それに伴いオフィスは作業をこなす場ではなく、人が集まり、自然なコミュニケーションや新しいアイデアが生まれる場へと変化します。総務はその変化を支えながら、働きやすい環境づくりを促進する存在として、これまで以上に重要な役割を担っていくでしょう。

オフィスを“置き換える”のではなく、“進化させる”

AI時代のオフィス改革では、業務と空間の両面を捉える視点が欠かせません。生成AIによって業務の進め方や働き方といったソフトを変えるだけでは、改革は定着しにくいのが実情です。

それを支えるオフィス環境の設計で、新しい働き方が無理なく定着します。組織や人の変化に寄り添いながら、オフィスを少しずつアップデートしていくことこそが、これからの時代に求められるオフィスづくりといえるでしょう。

HATARABAサーベイ

まとめ

生成AIは、決して仕事を奪う存在ではありません。これまで人にしかできなかった「考える」「調整する」「場をつくる」仕事に集中するための時間を生み出す技術です。スマートオフィスやDXによって整備されてきた業務や環境の基盤に、生成AIという新たな力を重ね、働き方とオフィスは次の段階へと進化します。

業務効率化だけで終わらせるのではなく、その先にどのようなオフィスをつくりたいかを描くことが大切です。HATARABAは、業務と空間の両面から、これからの時代にふさわしいオフィスづくりを支援します。

この記事を書いた人

HATARABAコラム編集部

HATARABAコラム編集部によるコラムです。オフィス移転やオフィスづくりなど、『はたらく場所を、もっとよくする。』ためのお役立ち情報を発信しています。

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