企業の成長に大きな影響を及ぼすオフィス環境。より快適で生産性向上を図れる環境づくりを目指す際、環境を一気に変えることができるオフィス移転は、多くの企業にとって選択肢の一つにあがってくるでしょう。しかし、担当者にとって大きな悩みの種となるのが社内稟議です。
本記事では、多くの費用と時間・労力がかかるオフィス移転プロジェクトのスムーズな始動・進行を実現させるために、おさえておくべき社内稟議のポイントについて解説していきます。
オフィス移転で稟議が必要となる理由

社内稟議制度は、企業が持続可能な組織運営を行っていくために必要な意思決定プロセスの一つです。社内を横断する稟議制度を設けることで、不正や不適切な判断を未然に防ぎ、不透明な意思決定を抑制することができます。
ここでは、オフィス移転プロジェクトにおいて社内稟議の争点となる2つのポイントをあげていきます。次項で解説する具体的なアクションプランにつながりますので、しっかりおさえておきましょう。
経営層や関連部署との合意形成
オフィス移転は、単にオフィスの場所を移すだけでなく、企業の将来はもちろん、現行の事業計画をも左右する重要な経営判断です。そのため経営層は、移転が企業の成長戦略や経営目標にどのように貢献するのか、投資に見合う効果が得られるのかを慎重に判断したうえでなければ、移転プロジェクトに実行許可を出すことはできません。
移転目的や具体的な計画、効果を可視化した稟議は経営層にとって重要な判断材料となるため、稟議の良し悪しによって彼らからスムーズに理解や賛同を得ることができるか否かが決まります。また、オフィス移転は社内の様々な部署の理解と協力が必要となるプロジェクトです。
各部署の懸念点や要望をしっかりと把握し新オフィスに反映させていくことで、稟議承認が得やすくなるだけでなく、移転後の業務品質や従業員満足度向上にもつながります。
予算・リスク管理
オフィス移転に際して発生する費用は、企業の財務状況に大きな影響を与えます。そのため、稟議を通じて移転プロジェクトの詳細な予算計画や積算の根拠を明確に示し、妥当な費用であることを経営層に理解してもらい承認を得る必要があります。
また、スケジュール遅延などの予期せぬトラブルや従業員の負担増といった移転に伴う様々なリスクの可視化と対策の策定も同様に、稟議を行う大きな目的の一つです。リスクマネジメントの観点から、保険の加入や代替案なども提案しておくことで、経営層を含め社内全体に安心感を与えることができます。
このようにコストとリスクの双方をしっかりと可視化し対策を講じていくことで、オフィスの移転プロジェクト成功の可能性を高めることができます。
オフィス移転で稟議をスムーズに通すための3つの秘訣

ここまで、オフィス移転を進めるうえでの稟議の必要性と目的について解説してきました。ここからは、実際に社内稟議を通す際に、経営層や関連部署からスムーズに承認を獲得するための3つの秘訣を紹介します。これらのポイントをおさえることで関係者の理解と協力を得やすくなり、計画の遅延や頓挫を防ぐことができます。
1.移転の目的とメリットを明確にする
「なぜオフィス移転が必要なのか」「移転によってどのようなメリットが得られるのか」は、社内稟議を通すうえで明確に示すべき、最も重要なポイントです。先述の通り、オフィス移転には多大なコストやリスクが伴うため、曖昧な理由では経営層や関係者から承認を得ることはできません。
オフィス移転に対してより好意的な印象を与えるためには、経営戦略との関連性を示し、定量的なデータと具体的な事例を交えながら、移転の必要性やメリットをまとめていきましょう。
2.関係部署と緊密に連携する
オフィス移転では、プロジェクトを先導する部門・チームの他に、人事部、情報システム部、営業部などの多くの部署が関係してきます。社内稟議をスムーズに通すためには、これらの関連部署の担当者との間に、プロジェクト構想の初期段階から緊密なコミュニケーションを取っておくことが大切です。
稟議を回す前から関連部署と協議を重ね、それぞれのニーズや要望を把握しておきましょう。それらの意見を反映した移転計画を作成することで社内に協力体制が構築され、よりスムーズな承認獲得につながります。
3.承認に必要な情報を網羅した資料を準備する
社内稟議で承認を獲得するためには、経営層や関係者が計画内容を短時間で理解することができる、わかりやすい説明資料が不可欠です。特にコストとリスクの2点に関しては、客観的でロジカルな表現を意識する必要があります。図やグラフによる視覚効果やデータを活用し、難しい専門用語の使用を避けて、費用対効果の数値化と具体的なリスク対策の明示を心がけましょう。
さらに、わかりやすさを重視した構成の回覧用資料とは別に、質疑応答を想定した詳細情報をまとめた資料も準備しておくと、関係各所に対してさらなる安心感を与えることができます。
スムーズな社内稟議はオフィス移転成功の鍵!余裕をもって丁寧に準備を進めよう

オフィス移転成功の鍵は、余裕を持ったスケジュールと入念な準備にあります。特に稟議は、資料の作成や関係部署との協議、不動産業者・施工業者との調整など、準備に十分な時間が確保できていない場合、社内での合意形成が難航して稟議承認の獲得までに時間がかかったり、最悪の場合、差し戻されたりするリスクが高まってしまいます。スムーズな承認を得るためには、移転希望時期の数ヶ月前から準備を始め、質の高い稟議資料を作成することが重要です。余裕のあるスケジュールは、承認後のトラブル回避にもつながります。
オフィス移転は、企業の成長戦略や働き方改革を推進していく強力な一手です。そして移転プロジェクトの成否は、スムーズな稟議承認にかかっています。社内での承認を得るための準備は、プロジェクトを通じて想定される様々なリスクの抑制や、移転後の業務効率・従業員満足度の向上につながる非常に重要なプロセスです。ぜひ、今回紹介した3つの秘訣を実践し、戦略的なオフィス移転の成功と自社のさらなる成長を実現していきましょう。