株式会社HATARABAでは、ファシリティ担当者に向けた会員制サロン「FMsalon KANSAI」を運営しています。本記事は、GMB株式会社(以下、GMB社)の大阪支店新オフィスで行われたオフィスツアーの様子についてのレポートです。
FMsalon KANSAIご参加企業
今回は下記の企業様をはじめとする、8社のファシリティ担当者にご参加いただきました。
・株式会社インゲージ
・沢井製薬株式会社
・西尾レントオール株式会社
・株式会社ブイキューブ
・株式会社ミラタップ
など (五十音順)
83年続く老舗メーカーが挑む、グローバル拠点としての新オフィス
まずは、GMB社の馬場様、村本様、足立様に、事業概要と移転の背景についてお話を伺いました。
GMB社は1943年創立、今年で83年目を迎える老舗の自動車部品メーカー。同社の主力製品であるウォーターポンプは世界トップクラスのシェアを誇り、海外売上比率は90%を超えています。
今回の移転は、北浜と淀屋橋に分かれていた拠点を集約し、ワンフロアに統合することを目的として行われました。賃料上昇という厳しい環境下での決断でしたが、その背景には、グローバル展開を加速させるためのハブとして大阪を活用し、部門間の情報共有と意思決定を早めるという狙いがありました。
オフィスでしか創り出せない価値の創出と充実の福利厚生
新オフィスの設計にあたり、重視されたのは人材確保とエンゲージメントの向上です。単なる勤務場所を超え、社員が誇りを持ち、自発的にアイデアを出し合える組織文化の醸成を目指しました。
また、同社は健康経営にも注力しており、福利厚生が充実しています。具体的には、1食400円のお弁当を会社が半額負担することで社員が200円で食べられる仕組みや、手軽に利用できるオフィスコンビニを導入。
さらにユニークな取り組みとして、理学療法士が職場を巡回し、正しい作業姿勢や疲労回復のための専門的なアドバイスを社員に送る機会を設けており、ソフト面からも社員のパフォーマンスを支えています。
淀屋橋オフィスツアースタート!
ここからは、2グループに分かれ、こだわりが詰まったワークスペースを見学します。
透明性と開放感を演出するミーティングルーム
まず目を引くのが、ガラス張りのミーティングルームです。
これは「見える化」による社内コミュニケーションの活性化を狙ったもので、ワークスペースとの境界を感じさせない開放的な造りが特徴です。
今回のFM salonが開催されたミーティングルーム1。隣接するミーティングルーム2とはパーテーションで区切り、用途に応じて分割・連結が可能。
各室には、デザイン性に優れたこだわりの家具を配置。部屋ごとにイメージを変えることで、イノベーションを刺激する工夫が施されています。また、次世代型ミーティングボード「MAXHUB」の導入により、高性能なマイクとカメラを通じて、奈良本社など他拠点とのスムーズな連携も実現しています。
ブルーとブラウンを基調としたシックな雰囲気のミーティングルーム3。テーブルやチェア、壁のアートは以前の事務所から引き継いだこだわりの逸品。
鮮やかな赤を効果的にあしらったミーティングルーム4。壁に掛けられた大きなイラストがアクセントとなり、空間全体にエネルギッシュな躍動感を与えている。
多様な働き方を実現するワークスペース
ワークスペースはフリーアドレスを採用しています。集中作業やオンライン会議に最適なWebブースをはじめ、図面作成などの専門業務にも対応したデスク一体型ブース、さらには、座りっぱなしによる身体的負担を軽減する昇降式デスクも導入。「どこで働くか」を社員が自律的に選択できる環境が整っています。
生産性を高め、チームのつながりを育む多種多様なワークスペース。
ゆったりと寛げるソファースペース。ガラス越しにミーティングルームが見渡せる設計により、オフィス全体の一体感を高めている。
交流を促すカフェスペース
カフェスペースは、リフレッシュやランチタイムの場として活用されています。家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」も導入されており、社員間のコミュニケーションを活性化するとともに、リラックスできる癒しのひとときを提供しています。
食事や雑談、ソロワークなど、多様なニーズに応えるカフェスペース。
急な体調不良時や静かに休憩したいときに活用できるリフレッシュルーム。
【質疑応答】
ツアーの中では、参加者からの質問で、オフィス構築の苦労についても触れられました。
Q:エントランス付近が非常に開放的ですが、セキュリティや法令面での苦労はありましたか?
A: 本来は完全に仕切りたい箇所もありましたが、消防法との兼ね合いで、一定の開放感を持たせた設計にする必要がありました。特に近年のビルは基準が厳しく、壁面の装飾一つをとっても細かな制限があるなど、デザイン性と安全性をいかに高いレベルで両立させるか、その調整には非常に苦労しました。
座談会
ツアー後は、オフィス運用と文化醸成をテーマに座談会を行いました。各社のファシリティ担当者によるユニークな取り組みが次々と披露され、終了時間ギリギリまで活発な意見交換が続きました。
まず、デジタル企業こそ対面での議論に欠かせないアナログツール(ホワイトボード等)が不可欠であり、設置が遅れるとリクエストが相次ぐほど重宝されている実態が共有されました。
また、サテライトオフィスを地域に開放し、若手主導でイベントを運営するなど、地域連携と若手の裁量権拡大を両立させる先進事例も注目を集めました。
そのほかにも、他社を招いたゲーム大会やAI活用クイズといった集まる楽しさを再認識させるイベントから、感謝の気持ちをポイント化するピアボーナスなどの貢献の可視化まで、文化を浸透させるための多様な仕組みも深掘り。
総務が単なる場の提供を超え、コミュニケーションをデザインすることでオフィスの価値を最大化させる――そんな共通認識を深める、密度の濃い座談会となりました。
FMsalon KANSAIでは、引き続きコンセプトに共感いただける方や、ファシリティ業務に携わる方をお招きしております。