設立から9期目を迎えた総合コンサルティングファーム、ZEIN株式会社。 戦略コンサルタントとしての専門性に加え、ITの現場でシステム開発や最新SaaSの導入を経験したメンバーによる実効性の高い支援で、大手に勝るとも劣らない評価を獲得しています。
彼らが次に見据えるのは、5年で売上・人数ともに3倍を目指す「第二成長期」。その実現には、組織の生産性向上やイノベーションの創出、心理的安全性の確保につながるオフィスが必要不可欠でした。
HATARABAは、志賀野寛彦社長が移転を検討し始めた2年前から関係性を構築。「社風」と「好み」、そして「成長を叶える要素」を理解した支援で理想の移転をサポートしています。
移転プロジェクトの狙いや実現の過程について、志賀野社長にお話しをうかがいました。(以下、敬称略)
背景・課題
- ・オフィスが2フロアに分かれていて、偶発的なコミュニケーションが欠如していた
- ・既存社員のロイヤリティ向上や、採用強化につながる「+α」が不足していた
ポイント
- ・互いの仕事への理解が深まる、広々としたワンフロア
- ・物理的な壁をなくすことで、人間関係の壁もなくす設計
分断された2フロアが招いた「コミュニケーションの硬直化」
―まずは、今回移転を検討されたきっかけを教えてください。
ZEIN株式会社 志賀野寛彦社長
志賀野
オフィスの構造によって、コミュニケーションが分断されていると感じたことがきっかけです。
以前のオフィスは、同じビル内で2階と5階の2フロアに分かれていました。別のフロアのメンバーと直接話をするには、自分の席を離れ、エレベーターを使って上がったり下がったりしなければなりません。
ちょっとした質問や雑談で足を運ぶには距離がありすぎますから、当然メールやチャットで済ませることが増えますよね。結果として、2階は2階、5階は5階でコミュニケーションを取ることが増え、メンバーが固定化されていました。
―メンバーが偏ると、組織の風通しの悪化や、考え方のマンネリ化が懸念されますね。
志賀野
特に、戦略立案にとどまらず、自らシステム開発まで手がける「圧倒的な顧客志向」と「実行力」を強みとする当社の場合、先輩たちの仕事ぶりから得るものが多くあります。現場でのOJTだけでなく、日常のオフィスでもベテランと若手が同じ空間ではたらき、対話の在り方や課題突破の仕方を学べる環境にしたいと思っていました。
―では、オフィス移転の最大の目的は、コミュニケーション課題を解決することでしょうか。
志賀野
そうですね。コミュニケーション課題を解決するオフィスを作ることによって、大きく3つのことを叶えたいと思っていました。
1つ目は、既存社員のエンゲージメント向上です。出社すると心地よい空間があり、人とのつながりやホスピタリティを感じることができる。そんな「集まりたくなる場所」をつくり、気持ちよく働いてほしいと思っていました。
2つ目は、社員の成長です。すれ違ったときにふと生まれる「偶発的な会話」を通して刺激し合ったり、思いがけないイノベーションが生まれたりするオフィスが理想でした。
3つ目は、優秀な人材を引き付けるオフィスを作り、採用につなげることです。
特に新卒にとって、オフィスが魅力的であることは企業選びの重要な要素であるといわれています。仕事のやりがいと同時に、働きやすさや社風との親和性、安定性などを重視する世代にとって、会社の信頼性や雰囲気が視覚的に伝わるオフィスが最後の決め手になることは少なくありません。
今後、さらなる成長に向けて採用をより強化するうえで、優秀な人材を獲得・定着させるためのブランディングの場としてのオフィスが必須でした。
オフィスは「思い入れがある人」がつくるべき
―移転プロジェクトは、どのように進められたのでしょう。
志賀野
基本的には、私が一人で進めました。
一般的には、社員の中から数名の担当者を選出し、移転プロジェクトで議論しながら進めていきますよね。でも、議論が必ずしも良いものを生み出すとは限りません。むしろ、各部門の意見をすべて取り入れようとして中途半端な計画になったり、特定の意見に引っ張られたりして、本質を見失うことも多いでしょう。
今回の移転は経営戦略をかなえるための投資であり、新しいオフィスに求める役割も明確です。そのため、移転の目的からブレずに計画を進めるために、プロジェクト制は適さないと考えました。
―確かに、目的からブレないためには一人の強力なリーダーシップが有効ですね。一方で、現場のニーズとずれてしまう懸念はありませんでしたか?
志賀野
移転のためのどんな話し合いも、突き詰めれば目的はただひとつ。私が常々考えている「社員の幸せと会社の成長の実現」です。ということは、私が移転の陣頭指揮を取れば、この目的から外れることはありません。
マネジメントや各リーダーも、私が社員を失望させるようなオフィスをつくるはずがないと信頼してくれていたと思います。
だから私も、オフィスの方は私に任せて、みんなは安心して仕事を頑張って欲しいと考えていました。
直感と信頼のパートナーシップが物件選定の決め手に
―「HATARABA」とのご縁は、いつ、どんなきっかけで生まれたのでしょう。
志賀野
お付き合いのある不動産会社さんからの紹介です。近い将来移転を検討しているとご連絡をして、10件ほど内見に連れて行っていただきました。いわば、オフィス探索の第1期です。
HATARABA 有田
HB有田
当時はピンとくる物件が見つからなくて、いったん間が空いたんですよね。
志賀野
いい物件があれば進めたいと思っていたんですが、こればかりは縁ですからね。いったん引いて時期を待ち、いよいよ待ったなしで移転だという段階でまたHATARABAさんにお声がけしました。
―他社さんとのお付き合いもあったと思いますが、再びご依頼いただいた理由を教えてください。
志賀野
私の考え方や好みを踏まえた提案をくれたからです。
「開放的なオフィスがいい」とか、「眺めが良いほうがいい」とか、いろいろと条件を出すじゃないですか。そうすると、その希望にあった物件をいくつか紹介しながら、忖度せずにズバッと意見を言ってくれるんですよ。
「ここは志賀野さんの好みじゃなさそうなので、行かなくても良いと思います」とか(笑)。
HB西川
2年前にお付き合いが始まってから、プライベートでも飲みに行ったり、ゴルフに行ったりとよく遊びに連れていっていただいて。志賀野さんの人柄や個性、ビジネスに対する考え方、好き嫌いなどはだいたい理解できるようになってきていたんです。
第一印象を大事にされる方なので、最初にしっくりこなかった物件の評価は覆らないこともわかっていました。
志賀野
ここは合わないな、という感覚をスッと読み取ってくれるんですよね。そこがいいんですよ。仲介業者さんも受注したいですから、普通は粘って決めようとすると思うんですが、それがない。必然的に、私の理想のオフィスに最短距離で近づけたと思っています。
オーナーや管理会社との関係性も親密で、最終交渉がこちらに有利に働くように動いてくれたのもありがたかったですね。
新オフィスを起点に、5年間で3倍の成長をめざす
―今回のオフィスの最終的な決め手を教えてください。
志賀野
ワンフロアで、成長プロセスにあった適度な広さを確保できることです。エントランスから、その奥の景色が直線的に見通せる開放感も私の好みに合っていました。
都内近郊はもちろん地方に行くことも多い仕事なので、田町駅からのアクセスの良さも魅力でしたね。
―抜け感を活かした、広々した空間なのが良いですね。
志賀野
大きなワンフロアを執務スペースとラウンジスペースに分け、物理的な壁をできる限りなくしてコミュニケーションが生まれやすい環境をつくっています。隣から聞こえる声を聞くともなく聞き、すれ違う仲間と何気ない話をすることで、気づきが生まれるオフィスになれば良いなと思っています。
執務スペース
ラウンジスペース
―ありがとうございました。最後に、オフィスを起点とした今後の展望をお聞かせください!
志賀野
直近の目標は、5年間で売上と社員数をともに3倍にすることです。このオフィスを活かして、モチベーションの高い人材をできる限り多く採用し、目標を達成したいですね。目標を達成した暁には、またHATARABAさんに移転のお手伝いをお願いできればと思っています。
会社概要
- 会社名
- ZEIN株式会社
- 移転先
- 東京都港区三田3丁目5-27 住友不動産東京三田サウスタワー30階
- 設立
- 2017年11月
- 従業員数
- 132名(グループ全体 148名)※2026年4月時点
- 移転後坪数
- 約350坪
- 企業URL
- https://zein.jp/
- 取材
- 2026年2月
取材・文:藤巻 史 撮影:竹井 美砂子