「いい景気を作ろう。」をミッションに掲げ、新しいデータ経営の在り方を生み出すDXサービスを提供している株式会社ログラス。人員の増加ペースが極めて速い上に、出社を大切にする社風であることから、移転先には相当の広さが必要でした。株式会社HATARABAが同社の移転をサポートするのは2度目となります。移転プロジェクトに携わられた滝田様、高橋様に、今回の移転プロジェクトについて伺いました。(以下敬称略)
背景・課題
- ・前オフィスは取り壊しが決まっており、期日までの移転が必要だった
- ・社員数の伸びが予測しづらいほど大きく、2、3年入居できるだけの広さを算出するのが困難
- ・執務エリアのほか、できるだけ全員が集まれるイベントスペースを設けたいという社内要望あり
ポイント
- ・エリアを広げつつ多くの候補を出し、要件ごとに比較して選定
- ・当初の希望より規模の大きな物件にしたことで、社内要望である「イベントスペース」の確保に成功
- ・社内デザインチームに携わってもらうことで、対外的に打ち出したいブランドイメージをオフィスに反映
1年前より移転プロジェクトを始動
皆様の業務内容、今回の移転で担われた役割についてお聞かせください。
滝田
私はコーポレートと人事を管掌していまして、コーポレート機能全般に携わっています。今回の移転プロジェクトには、「はんこを押す人」として関わりました(笑)。
高橋
私はコーポレート部で情報システム業務を担当しています。過去に別会社で配線工事をしていたことから、内装に関する知見が一定あったこと、さらに移転経験もあったことから、今回の移転ではPMの立場を担いました。
移転の経緯についてお聞かせください。
滝田
理由としては人員の増加なのですが、そもそも前のビルは取り壊しが決まっていまして、移転前提で入居していたという背景がありました。弊社はハイペースで人員が増えていて、ペースが読みづらいほどだったため、一旦退去期間までの1年4ヵ月をしのげればよしという考えの元、入居したんです。その間の人員の伸びを見て、次の移転では2、3年は腰を据えられるキャパシティの物件に入りたいと考えていました。
高橋
私が入社したのが、ちょうど前のオフィスに移転する直前で、当時から「いずれ、また移転するよ」と聞いていました。前の移転は居抜き物件だったので、内装作りも行った今回のほうが「ちゃんとした移転」でしたね。
1年ほど前から今回の移転プロジェクトが動き始めていたとのことですが、物件選定の際に優先した要素についてお聞かせください。
高橋
社員が一堂に会せる場所と、出社できるだけの座席数の確保です。出社を重視している会社な上、全体で集まるイベントを行う機会があるため、かなりの規模感が必要でした。お話しした通り、人員の増加ペースが早いものですから、330席程度は確保できる必要がありましたね。
イベント用のスペースについては、「何とか確保したい」というのが社内からの要望でした。当初はモニターを使って間接的に参加できるスタイルも考えていたのですが、ある程度の人数までは集まって開催できるよう、広さを確保できる物件を探しました。正直、会議室との兼ね合いもあるため、200~300人規模になったときにも集まれるスペースを確保するのは無理だと思っていたのですが……。
それでも何とか広いスペースを確保し、ある程度の人数までは集まってイベントを開ける場を作れたのは今回の移転で成し遂げられたことの1つだと思っています。ちなみに、本当はこのスペースにも大きな会議室を2つ残す予定だったのですが、間仕切りを決めなければならないギリギリのタイミングでなしにしてもらいました。
エリアなど、広さ以外に重視したポイントについてはいかがでしょうか。
HB須藤
前のオフィスがあった田町周辺をベースに探しつつ、少しずつ範囲を広げてご提案いたしました。最終的には比較表をお出しし、候補を絞っていきましたね。御社は本当に爆発的に伸びていらっしゃるので、最終的に当初いただいていたご要望の規模よりワンサイズ大きな物件に決まりました。
高橋
最後はここともう1つ別の物件とで選ぶことになりましたが、結果的にもう一つの物件が募集ストップになってしまったためここ一択となりました。弊社サイドとしては、日々「こっちがいい」「いや、あっちがいい」と意見が日替わりで変わる状態だったので、一択になったことに問題はありませんでした。そもそも、もう1つの物件を選んでいた場合は、「イベント用のスペースがほしい」という社内の要望にすでに応えられなかったなと思います。
HB須藤
「最低2、3年、できれば3年はいたい」とお聞きしたため、成長スピードを加味すると断然こちらの物件がいいだろうと判断し、途中からこちらをプッシュいたしました。
高橋
「さすがに広すぎるのでは?」とも思ったのですが、そんなことはなかったですね。
HB 西川
いろいろな企業様の移転をサポートするなかで、人員計画をいい意味で飛び越えるケースを見てまいりました。個人的にも、御社はユニコーンになる企業だと感じていまして、異常な速さで人が増える会社だろうと予測できていたんです。結果的にもう1件は空かないという展開にはなりましたが、どちらにせよ広さ的になしだろうなと思っていました。入ったところで、すぐにキャパシティがいっぱいになってしまってもったいないだろうなと。ベストだと感じていた物件に決まって良かったと思っています。
株式会社HATARABAが移転を支援するのは2回目です。弊社との出会いのきっかけ、今回またお選びいただいた理由についてお聞かせください。
HB西川
今日ここにいるメンバーで当時を知っているのは私だけなので、出会った当時のことは私からお話いたします。2019年ごろ、御社の代表の布川さんがFacebookか何かで「オフィスが狭い」と投稿されたのを私の知人が見て、メッセンジャーでつないでいただいたのが最初のきっかけです。「起業家ってこんなに忙しいのか」と始めて思ったのが布川さんでしたね。結局、タイミングの関係もあり、当時は知り合いの会社を間借りするという話になりました。
滝田
その後、再移転のタイミングで御社に物件を見せていただき、ご紹介いただいた五反田の物件に決めたのが、はじめてのお取引でしたね。さらに別会社様からご提案いただいていた三田のオフィスへの移転を挟んで、再び御社にご支援いただくことになりました。今回も幅広くご提案いただきました。
高橋
御社は提案数が1番多かったですね。天井高や床下、人数に対する広さなど、細かい要件に対して選択肢を提示していただけたので、選ぶ余地があり助かりました。
HB須藤
最終的に候補を絞っていったとはいえ、多すぎただろうかと思っていたため、そう言っていただけて安心いたしました。
新オフィスでこだわった部分についてお聞かせください。
高橋
9階の会議室やイベントスペース内に関しては、社内のデザイナーチームに入ってもらいました。ログラスのお客様はエンタープライズ企業が多いのですが、CMを打つなかでデザインチームが意識しているのは、「高級感」「重厚感」というワードを簡単に使わないことなのだそうです。
そんな彼らと「ログラスのブランドイメージってどういうものなんだっけ」と話していき、最終的にアピールしていきたいブランドイメージは「先進的で新しい経営をつくる未来志向型の次世代プロダクト」だという意見が出ました。
高橋
施工会社からのご提案には、ロゴのカラーでもある青が多用されていたのですが、オフィスをご覧いただくとわかるように、青一辺倒にはしていません。落ち着いた高級感のある要素を採り入れつつも、そちらに振り過ぎるわけではなく、かといって青メインの空間に寄せ過ぎないバランスを意識してもらいました。
高橋
会議室の家具もデザイナーたちが決めていて、張地の色の組み合わせにもこだわりが見られます。我々がメインで決めたのは執務室エリアで、お客様に見られる場所はデザインチームが選定しました。
移転プロジェクトを進めるなかで難しかったことはありますか?
高橋
プロジェクトに関わるメンバー全員が移転経験者ではないなかで、ステークホルダーをいかにコントロールするかが1番難しかったですね。みんないいものを作りたい想いは同じなのですが、方向性は異なっていたりするので。あと、正式に社員に希望を募ったわけではないのですが、自然発生的に要望が上がってくるので、それをどこまで拾い上げて実現させるのか、落としどころを見つけるのも難しかったです。
さまざまな働く場もイベントスペースも、移転直後からフル稼働
移転後、社員やお客様からどのような反響がありましたか?
高橋
反響というよりは見ていて感じたことですが、社員は移転初日から新しいオフィスを非常によく活用してくれていると思っています。固定された席で仕事をするわけではなく、いろいろな場所で働き、そこで生まれるランダムなコミュニケーションを作りたいという発想の元、デザイナーがいろいろな場を作ってくれたのですが、その狙いが初日からきれいにはまってくれたなと。窓側にハイカウンタースペースがあるのですが、ここも初日から非常に稼働率が高いです。
高橋
イベントスペースも活用されていまして、すでにセミナーや他の企業との共催イベントが何度か開かれています。来週は夜の予約がすでに埋まっていますし、活用してもらえていて嬉しいです。
今後のオフィスに対する展望についてお聞かせください。また、その展望に対して株式会社HATARABAに期待したいことがあればお聞かせください。
滝田
オフィスはコミュニケーションを取る場であることにこそ価値があると思っています。今後も上手く活用していきたいですし、活用法に関しても何かあればご支援いただけるとうれしいです。今回はお二人からのレスポンスの早さに助けられました。今後ともよろしくお願いいたします。
高橋
コロナ禍が落ち着き、出社に回帰している流れもありますが、フル出社に完全に戻ったわけではありません。出社を大切にしている企業として、出社の意義を考えていきたいです。
弊社にとって、このオフィスは初めて空間に余裕がある状態で動かせるものとなります。過去に私がもっと大きな規模のオフィスで働いていたときに社員から出てきていた声が、今後弊社でも出てくる可能性は大いにあると思っていますので、その声にどう応えていくのか、どう叶えていくのかを考えていかなければならないだろうと思っています。
今回いただいたご提案は、弊社がオフィスに何を求めているのかをご理解いただいた上でのものだったからこそ最終決定に至ったと感じています。次の移転先も、おそらくこのあたりのエリアになるのではないかと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
会社概要
- 会社名
- 株式会社ログラス
- 移転先
- 東京都港区三田3-11-24 国際興業三田第2ビル 9階
- 従業員数
- 約150名(取材時)
- 移転後坪数
- 約675坪
- 企業URL
- https://www.loglass.co.jp/
- 取材
- 2024年4月
取材・文:藤巻 史 撮影:竹井 美砂子