オフィス環境の見直しやアップデートは、企業の持続的な成長を促すうえで重要な役割を果たします。リモートワークの浸透から一転、出社回帰の動きが盛んに報じられる昨今においては、改めて自社に適したオフィスの再構築を検討されている企業も多いのではないでしょうか。
2024年6月12日。オフィスの移転やリニューアルを検討している企業の経営層や総務担当者に対し、より高い効果を生み出すオフィスづくりのためのマインドセットの機会として、テレビ愛知株式会社・株式会社日経エージェンシー共催のオフィスリアルセミナー「社員が輝く最適化されたオフィスとは〜新潮流が切り開く働き方の未来〜」が開催されました。
セミナーには、講演者としてHATARABA オフィス事業本部 名古屋支店 支店長代理 村上諒が登壇し、事例を交えながらオフィス戦略における合理的な意思決定の重要性について解説しました。本記事では、そのセミナーの様子をレポートしていきます。
オフィス選びでありがちな失敗
事業拡大や部署の再編、働き方の変化など、企業にとってオフィス環境を見直すきっかけは様々です。そして、様々な社内の課題の解決策として、多くの企業がオフィスの移転や内装・レイアウトの変更を選択します。
例えば、「従業員数×3坪=オフィスの適正面積」とする一般的によく用いられる指標だけを鵜呑みにして物件を選定した結果、内見に行って初めて自社にとっては狭すぎることが判明した。または、他社の事例を見て「なんとなく」フリーアドレスやABW型レイアウトを導入した結果、自社の働き方に合っておらず、従業員の間で不満が募ってしまったなどのケースがあげられます。このように、感覚的なオフィスづくりはせっかくの投資コストを無駄にしてしまうリスクがあるのです。
スタートアップから大企業まで、数々のオフィス移転やオフィスの最適化をサポートしてきた村上は、このような失敗を避けるためには、オフィスづくりにおける意思決定を合理的に行うことが重要であると語ります。
効果が見えるオフィス戦略に必要な3つのステップ
自社に最適なオフィスづくりを成功させるうえでは、しっかりとしたオフィス戦略の策定が欠かせません。感覚に頼ったものではなく、望んだ効果を生み出すオフィスを確実に構築するためには、3つのステップが必要となってきます。
Step1. 現状分析と課題抽出
無駄を省いて効率的かつ的確にオフィスづくりを進めるためには、意思決定の材料となる要素をしっかりと収集する必要があります。そこでまず最初のステップでは、自社の現在地を明確にし、抱えている課題の解像度を上げていく作業を行います。自分たちを取り巻いている状況とこれから向かおうとしている将来像との間で生じているギャップの原因となっている要素を可視化していきます。
現状を的確に分析し課題抽出の精度を高めるうえで有効となるものが、定量調査と定性調査の2つの手法です。オフィスの実際の利用状況を多角的なデータで可視化する定量調査は、スムーズでブレのない意思決定において重要な判断軸となります。加えて、実際に働く従業員からの生の声をしっかりと吸い上げた定性調査を行うことで、トップダウンではなく、実際にオフィスで働く当事者たちにとって最適なオフィスに必要な要件定義が可能となります。
この定量調査と定性調査を組み合わせ、お客様それぞれが持つ企業文化や事業計画、働き方などの様々な独自要素を総合的に勘案したうえで高精度な分析結果を導き出すサービスが、「HATARABAサーベイ」です。
Step2. 解決策候補の立案と検証
次のステップでは、浮き彫りになった課題に対して解決策候補をあげていき、それぞれがどのようにして課題を解決へと導いていくかの道筋を描いていきます。この時、各解決策候補が持つメリットとデメリットの双方を明確にし、それぞれの与えるインパクトもシミュレーションしていきます。
Step3. 優先順位の決定
課題が可視化され、各課題に対する解決策が紐付けられたら、それらの中で優先順位を決めていきます。村上は「この『優先順位をつける』という過程こそ、最適なオフィスづくりの成功を左右する重要なポイントである」と講演で述べました。
オフィスづくりにおいて大抵の場合、「利便性は高まるが、賃料も高くなる」「希望設備を増強できるが、駅から遠くなる」など、メリットとデメリット両方の要素を併せ持っています。そのため、あらかじめ自社が抱える課題に対して解決すべき優先順位を決めておくことで、合理的な選択ができるようになります。
働きやすさと事業成長を実現するオフィスづくりをサポート
オフィスという空間は単なる「職場」という場所ではなく、人と人とのコラボレーションが生まれ事業成長が促進されていくような空間であることが求められています。そのため、オフィスの価値とは、そこで働く人たちが快適で働きやすい空間であることを軸に測られるという考え方が昨今のオフィストレンドとなっています。
最後に村上は「物件を紹介するだけの不動産会社としてではなく、時代のニーズやお客様の課題に寄り添った最適な選択をし、働く人にとって最適な『はたらく場所』の提供を名古屋からサポートしていきたい」と締めくくりました。
HATARABAは企業の皆様を全力でサポートしています。中部地方の魅力、可能性、今後の開発予定を知りたい方、中部地方の進出をご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください!
■イベント名:『社員が輝く最適化されたオフィスとは ~新潮流が切り拓く働き方の未来~』(2024年6月12日開催)
■主催:テレビ愛知株式会社・株式会社日経エージェンシー
演題 「最適なオフィス選択をするには?合理的な意思決定から導くオフィス戦略の秘訣」
登壇者 オフィス事業本部 名古屋支店 支店長代理 村上諒