株式会社HATARABAでは、ファシリティ担当の方に向けた会員制サロンFMsalon KANSAIを運営しています。 本記事は、2025年11月18日にミラタップ大阪本社(グラングリーン大阪)で行われたオフィスツアーの様子についてのレポートです。
FMsalon KANSAIご参加企業
今回は、以下の企業のファシリティ担当者にご参加いただきました。
座談会
HATARABAの紹介と今回のFM Salon KANSAIの概要、スケジュールを説明した後、2グループに分かれ、各トークテーマに基づき、座談会を行いました。
トークテーマ(1)意識改革に関する取り組み
業務に欠かせない社用携帯やスマホ、セキュリティカードなどを紛失・破損した際の社員の意識や行動、会社側の対応策などについて話し合いました。
トークテーマ(2)福利厚生
参加企業各社の福利厚生の紹介や利用状況、利用率を向上させるための対策などについて意見交換が行われました。
トークテーマ(3)本社・支社における環境の違い
拠点間の格差解消のための工夫や具体的な施策など、各社のリアルな現状をもとに、活発な意見交換・情報交換が行われました。
ミラタップ本社移転と新オフィスの紹介
続いて、ミラタップ社 水田様より、オフィス移転の背景やオフィス構築の際のこだわり、新しいオフィスの特徴について、お話をうかがいました。
過去5年で売上高・従業員数ともに1.5倍に成長した同社。急成長に伴い旧オフィスが手狭になったこと、さらには、2フロアに分かれていたことでコミュニケーションロスが生じていたこともあり、梅田エリアでワンフロア化を実現すべく「グラングリーン大阪」への移転を決断しました。2022年8月に物件を決定。社内アンケートで従業員の意見を集め、ニーズを反映させながら設計を進めました。
新しいオフィスのコンセプトは、”はたらく”も楽しく、美しく。キッチンやダイニング、バスルームなど、家を連想させる空間に遊び心と機能性を持たせた設計が特長です。社内アンケートで最も要望の多かった「自社製品を使ってほしい」という意見をもとに、自社のキッチンやバスタブ、タイルなどを随所に配し、自社製品に囲まれることで従業員のブランドエンゲージメントを高めるよう工夫しています。
初期工事前の物件だったため、一から構築でき、コスト削減にもつながったといいます。
ミラタップ本社オフィスツアースタ―ト
ここから再度2グループに分かれ、1時間ほどのオフィス見学ツアーを行いました。
ツアーのスタートとなったエントランスは、広々とした空間に大型モニターを設置し、企業映像やCMを上映。抜け感を重視した設計で、来訪者をスマートに迎える印象的な空間となっています。
セキュリティカードで入退室を管理するゲート。自社製品である門柱を加工して採用し、機能性とデザイン性を両立させています。
フロア内には、モルタル、ストーン、アイアンなど、異なる素材をテーマにした5つの会議室を用意しています。各室に自社製品を取り入れ、製品の魅力を体感できる空間設計が特長です。こちらは、「モルタル」テーマにした会議室。ここには、スラブタイルやピッタラ(棚)などのオリジナル製品を取り入れています。
続いて、会議室「ストーン」。メインテーブルの天板に廃材を使用するなど、環境負荷の軽減にも取り組んでいます。重厚感のある会議室なので、役員のミーティングや金融機関との打合せなどに利用されることもよくあります。
こちらは「アイアン」をテーマにした会議室。だらだらと長居せず、会議が終わったらサッと退室するようにという意図を込めて、あえてデザイン重視のチェアをセットしています。
いずれも会議室も、フロアに面する壁には電動ブラインドを採用。開放感を保ちながら、必要に応じてプライバシーも確保できる設計となっています。なお、会議室は予約制で、5分前退室ルールを徹底。不足時にはリビングエリアを活用するなど、柔軟な運用を行っています。
リビング&キッチンエリアは、特注の自社製システムキッチンとキッチンドレッサー(収納)、造作のカウンター、リビングダイニングセットを据え、自宅のように自由に過ごせる空間に。ミーティングや立食パーティにも対応できます。
ランチや業務、新商品説明会など多目的に使えるひな壇スペース。今回のツアー説明や座談会もこの場所で行われました。執務エリアを見渡せる位置にあるため、就活生への会社紹介にも活用されています。
続いて、執務エリア内の注目スポットを紹介します。こちらがバスルームエリア。バスタブは実際の商品で、中にクッションと板を配置し、美しい景色を眺めながら集中作業ができるようになっています。奥は、シャワーヘッドをあしらったカウンター席。シャワーからアイデアが降ってくるお風呂からアイデアが沸いてくるようにというユニークな発想から生まれました。同社ならではのシンボリックなエリアです。
こちらがダイニングエリア。天井をスケルトンにすることで、広さと開放感を演出。奥のカウンター席には自社製キッチン下台を使用しています。空間の使い方は自由ですが、12~14時は食事優先となっています。
Web会議や電話に使える個室ブースも用意。「ミトン」「おなべ」「スプーン」など、親しみやすい愛称がついています。
カタログやサンプルを一箇所に集約したライブラリースペース。必要な情報にすぐにアクセスできるようになっています。
ライブラリースペースの隣にはクラフトスペースもありました。試作品を保管したり、作業をする場所になるので、目隠しを施し、視覚的な配慮も行っています。
執務エリアはフリーアドレス制を採用しており、5年以上先を見据えた余裕ある設計で最大250席まで対応可能、レイアウト変更にも柔軟に対応できるようになっています。
オフィスツアー後の質疑応答
ツアー後には、質疑応答が行われました。
Q.社員の満足度は?
A. 従業員には非常に好評で、移転後のアンケートでも「室内に余裕と開放感があると落ち着いて仕事に取り組める」「来たくなるオフィス、来るだけでテンションが上がるオフィスになった」「人を呼んで自慢したい」という意見があがりました。
Q.採用に影響はありますか?
A.本社移転後、採用活動が本格化するのはこれからですが、会社説明会などでの反応を見ると、新しいオフィス、なおかつグラングリーン大阪で働けることは学生たちにも魅力的に映っているようで、良い効果が生まれることを期待しています。
最後に
大阪本社の刷新は従業員からの評判も上々で、確かな成果を示しています。一方で、「他の拠点はこれほど充実していない」という指摘もあり、本社と支社の格差は課題として残っています。とはいえ、支社においてもフリーアドレス制の導入など、座席・空間の有効活用が進んでおり、大阪本社を刷新したことで、「オフィス環境の重要性」「働く環境の大切さ」という意識が社内に浸透しました。上層部の意識も変化しており、環境改善を加速させる契機となることが期待されています。
FMsalon KANSAIでは、引き続きコンセプトに共感いただける方や、ファシリティ業務に携わる方をお招きしております。
文:西川 知子 撮影:中畑 凛