一般社団法人サステナブル経営推進機構

50坪~100坪
25〜50人
士業・コンサルティング
拡張移転
設立5~10年

オフィスは従業員にとっての「居場所」 幅広い年齢層の従業員が上手く過ごせるオフィス空間を

企業に対するサステナビリティに関するコンサルティングやセミナーを手掛ける一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO:さんぽ)。順調な採用活動により従業員数が急激に増えるなか、オフィスを分散化させたことで対面コミュニケーションのハードルが上がっていたことが課題だったといいます。前オフィスが入っているビルの契約期間満了、建替えを機に、分散していたオフィスを1ヵ所に集約することに。

今回、この移転に際して要件定義や物件紹介のサポートをいたしました。

本インタビューでは、同社がオフィスに求めることや移転プロジェクトについて、物件の選定に携わった専務理事の壁谷様、移転プロジェクトに携わった経営企画室・広報室の又江様にお聞きしました。(以下、敬称略)

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背景・課題

  • ・オフィスが分散されており、コミュニケーションのハードルが上がっていた
  • ・働き方改革を踏まえた新しいオフィス空間づくりを行いたかった

ポイント

  • ・オフィスを1ヵ所に集約したことで、カジュアルなコミュニケーションが取れるように
  • ・エントランスに北山杉を使ったり、ラウンジにコーポレートカラーを採り入れたりと、SuMPOらしさを演出
  • ・若手従業員が移転プロジェクトを推進。従業員の要望を聞き、あえて固定席を採用

オフィスを分散させたことでコミュニケーションコスト増に

オフィスエントランス

事業内容についてご紹介ください。

壁谷

企業のサステナビリティに関するコンサルティング事業を行っています。企業が20年30年100年と続いていくためには、利益を追求するだけではなく環境問題への対処も必要です。国としても、これまでのように利益を追い求めるだけではなく、社会課題を解決する取り組みを通して新しい価値観を構築することを政策に盛り込んでいるんですね。こうした国の方針に企業が対応するためのサポートを行っています。

今回のオフィス移転の背景、働き方・オフィスの使い方についてお聞かせください。

一般社団法人サステナブル経営推進機構 壁谷様

壁谷

創業と新型コロナウイルス感染症の拡大時期とが重なったこともあり、当初はリモートの活用が必然でした。オフィスと変わらない働きやすさを自宅でも担保するため、環境を整える支援も個別に行ってきました。その経験から、今でもフレキシブルな働き方ができる状態が続いていまして、就業時間を守ってさえもらえれば出社でも在宅でも良いとしています。

状況が落ち着いてからの出社割合は2割ほど。ただ、その全員がひとところに集まれていたわけではありません。従業員数が増えたことから、オフィスを分散せざるを得なかったのです。役員層の席をまず外に出しましたが、物理的に距離ができると意思決定をする際にどうしても影響が出てきます。

前オフィスが入っていたビルに建て替えの話もあったことから、移転を機にオフィスを集約することにしたのです。

オフィス移転についてご検討を始めた時期はいつ頃だったのでしょうか。

弊社:西村

我々にご相談いただいたのは1年前くらいでしたね。

壁谷

そうですね。ただ、入居した当時からすでに移転について考えてはいました。ですから、御社に相談する前からいろいろな物件を見てはいたんです。人数も増えてきたこともあり、資金を借りてでも早期に移転をしたかったのですが、前のビルは3年間の契約だったため、このタイミングになったという経緯でした。

移転プロジェクトは若手従業員中心に進行

仲介会社の選定について、どのように進められたのでしょうか。弊社を選んでいただいた理由についてもお聞かせください。

壁谷

オフィスを1ヵ所にまとめ、あらためて我々の仕事のフレームワークを作りたいという目的がありました。要は働き方改革ですね。それを踏まえて新しいオフィス空間づくりをしたいと考え、サポートいただける仲介会社を探していました。出会いは電話営業でしたね。

一般社団法人サステナブル経営推進機構 又江様

又江

担当者の方の感じが良く、相談をさせていただきやすい雰囲気が好印象でした。移転プロジェクトは若手従業員が中心になって進めていったのですが、初の移転ということもあって、右も左もわからない状態だったんです。移転初心者の私たちに寄り添っていただけそうだという安心感がありました。

壁谷

先ほども申し上げたように、私は以前から物件を見て回っていましたが、お二方からは豊富な物件情報と働き方の最新動向をお伺いしながらご相談することができました。期間が限られていたなかでさまざまなサポートをしていただき感謝しています。

物件に求めた条件、決め手についてお聞かせください。

壁谷

お客様との関係性を考えると、霞が関にアクセスしやすく、慣れ親しんだ神田エリアが良いなと思っていました。あとは職員にとって働きやすい環境にできるかどうかですね。コスト面についてもシミュレーションをし、絞っていきました。最終的にハーフセットアップのこの物件を選んだのは、家具や備品類を自分たちで選ぶ余地があったためです。

又江

採用活動を行いながら移転プロジェクトを進めたため、そもそもどれぐらいの規模の物件を探せばいいのかについてもご相談に乗っていただきました。この物件は壁面のほとんどが窓で、太陽光が入る明るい雰囲気が良いなと感じました。オフィス内にたくさん植物があるのもお気に入りです。

【物件探し】希望条件から物件探しを依頼する

弊社 西村

弊社 菊池

弊社:西村

物件のご提案と同時に、どのようなオフィスにしたいのか、雑談ベースでいろいろとお話もしましたね。

弊社:菊池

印象に残っているのは「ビールサーバーを置きたい」でした(笑)。

壁谷

実際には先にワインセラーがやってきました。立って仕事ができるスペースがほしいという若手職員の意向でスタンディングスペースが設けられていたのですが、いつの間にかその場所がバーカウンターになっていたという出来事もありました(笑)。

【資料DL】オフィス移転コンサルティングサービス資料をダウンロード

ラウンジの片隅にあるバーカウンター

来客対応、仕事スペースとして活用されているラウンジ

又江

物件が決まったあとは、若手職員が中心となって考えていったんです。代表からのリクエストは「役員室を作らないこと」くらいでしたよね。

壁谷

全体を見渡せる環境にしてほしいと伝えました。特に若手の意見が採り入れられているのは、今お話しているラウンジです。弊社のカラーを使っているのが特徴ですね。カラフル過ぎるのではという意見もありましたが、人が交流する場所として良い雰囲気に仕上げられたのではないかと思います。

又江

あとは「禅」と呼んでいる和室も特徴です。海外とWebミーティングをする機会が増えているため、日本らしさが相手に伝わるよう、背もたれに畳を使用したり掛け軸を飾ったりと、和の雰囲気を感じられる空間になっています。

禅の入口。浮世絵柄の暖簾が印象的

壁谷

「畳を使う」と聞いていたので、てっきり座面に敷くのかと思っていたのですが、できあがってみると背もたれに使われていたので驚きました。禅には、600 年の伝統技術と文化を伝承する北山杉のサンプルも置き、来客者に説明できるようにしています。北山杉はエントランスやコートフックにも使われているんですよ。

禅の室内にある北山杉のサンプル

コートハンガーも北山杉製

エントランスの壁面にも北山杉があしらわれています

今回の移転で大変だった点についてお聞かせください。

又江

まずは人数ですね。移転プロジェクトを進めているなかでもどんどん人が増えていくので、何人入るオフィスにすればいいのか決めるのは大変でした。

あとは幅広い従業員のニーズにどう応えるのかについても苦労しました。年齢層が幅広いため、できる限り個別にニーズを聞き、落としどころを考えていきましたね。固定席にしたのも、従業員の要望があったためです。

執務室に向かう廊下にはアートが飾られています

オフィスは「ただ働く場」ではなく従業員一人ひとりの居場所

今回の移転に対するご感想、今後の展望についてお聞かせください。

又江

移転後、面接のために来社される方がオフィスを見てワクワクした表情をされるのが嬉しいですね。SuMPOと聞くとカジュアルさがありますが、サステナブル経営推進機構となると堅い印象があるので、オフィスの明るさが良い意味でギャップになってくれているのかなと思います。

オフィスが1ヵ所になったことで、「10分クイックに話しましょう」とカジュアルにコミュニケーションを取れるようになりました。別の部署で何をやっているかわからないといった不透明さも払拭されたと思います。「オフィスの中を見てみたいです!」「SuMPOらしいですね!」といったお声もよくいただきますね。

今回は初のオフィス移転ということで、お二方には手取り足取りサポートしていただきました。地球環境の未来を考えるには仲間を増やすことが大切だと思っています。次の移転はもちろん、移転以外の部分でも情報共有をお願いできれば嬉しいです。

 

壁谷

新しいオフィスに来て思うのは、若い従業員たちの過ごし方の上手さです。自分の席だけではなく、カウンターやラウンジなど、空いているスペースを余すことなく活用しながら、自分のペースで働いている姿をよく目にしますね。自分の居場所があると思ってもらえるオフィスを整える大切さに改めて気づかされました。

今もどんどん従業員数が増えていまして、すでに次の移転にも目を向けています。お二方は弊社の事業や作りたいオフィス像について理解していただいていますし、ぜひ次も依頼をしたいと考えています。

弊社:西村

ありがとうございます。壁谷様とは初回からフランクにお話でき、どのようなオフィスを目指したいのかについて共有できました。だからこそ、いざ物件探しに入ったときに「こういう物件が良いだろう」とイメージしやすかったのかもしれません。お客様と私たちというより、私たちも皆さんの一員だという気持ちで臨めたのが嬉しかったです。

弊社:菊池

仲介会社は物件の紹介屋だと認識されることがありますが、ただ物件を紹介するのではなく、理想のオフィス作りに伴走する存在だと知ってほしいと常々思ってきました。初回のご挨拶のあと、西村と「私たちを選んで良かったと思ってもらえるご提案をしたいね」と話していたのを思い出します。こちらこそ、また次回もご一緒できることを心より楽しみにしております。

会社概要

名称
一般社団法人サステナブル経営推進機構<略称「SuMPO」(さんぽ)>
移転先(本部)
東京都千代田区内神田一丁目14番8号 KANDA SQUARE GATE 4階
移転後坪数
約100坪
従業員数
34名(取材時)
企業URL
https://sumpo.or.jp/index.html
取材
2023年3月

取材・文:卯岡 若菜 撮影:原 哲也

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