女性向けキャリアサービス「SHElikes(シーライクス)」をメインに事業を展開するSHE株式会社。本社はあるものの、ほぼリモートワークで急成長を遂げてきた会社です。社員の増加に伴い、ハイブリッドワークへの移行を目指し、オフィス移転プロジェクトを進めることになった同社。物件のご提案を株式会社HATARABAが担当いたしました。取締役 CFOの森山さん、移転プロジェクトに携わられた中野さんにお話を伺いました。(以下、敬称略)
背景・課題
- ・ほぼフルリモートの状態からハイブリッドワークへ。出社ニーズがわからない中での取り組み
- ・上記の背景により、自社にとって最適なオフィス選びが困難だった
ポイント
- ・まずは出社を「お試し」で。契約期間に融通の利くサービスオフィスを選定
- ・サービスオフィスを選ぶことで什器・家具類の用意も不要。迅速にオフィスでの仕事を開始
ほぼフルリモートで急成長。非同期コミュニケーションの円滑化のため、オフィス作りを
貴社についてご紹介ください。

森山
女性のためのキャリアサービス「SHElikes(シーライクス)」をメイン事業として展開している会社です。代表が女性向けのWebデザインスクールを始めたところからスタートしておりまして、現在はオンライン講座をメインに、銀座、大阪、名古屋の3か所にある拠点でもコミュニティ活動やイベントなど、ハイブリッド型で講座を開いています。これまでの受講生は累計20万人以上で、多くの女性がリスキリングでキャリアアップや副業、フリーランスとして独立するといった目標に向かって学ばれています。
お二人の自己紹介もお願いいたします。オフィスプロジェクトでのお役割についてもご紹介ください。

SHE株式会社 取締役 CFO 森山さん
森山
ふだんはCFOとして資金調達周りや事業計画、コーポレート機能全般を担当しています。今回のオフィスプロジェクトでは、代表を含む役員陣で要件を決める部分で関わりました。
中野
私はオフィスに求める要件が決まったあと、契約に関する書類業務などを担いました。
森山
中野さんには経営直下の案件で動いてもらっているんです。弊社にはいわゆる総務部がないんですよ。
あらためて、今回のオフィスプロジェクト始動の背景についてお聞かせください

森山
弊社はリモートワークを中心に仕事をしてまいりました。青山の一軒家を本社としていましたが、実際にそちらに出社したことのある社員は限定的で、ほぼリモートワークで成長してきたといっても過言ではありません。ただ、月に1回はオフラインで総会を開き、交流の場も設けてはいました。
コロナ禍のタイミングで急成長を遂げ、コロナ禍前に10人程度だったのが、今は100人以上まで増加したことで、非同期コミュニケーションが難しくなったことから、まずは役員陣のなかでオフィス作りの話が出てきました。総会の場を借りるのも困難になってきていましたしね。2024年夏頃、資金調達が完了したタイミングでした。そこで、総会で会社の未来についてディスカッションする時間を設けてみたんです。今後の成長のために必要なものとして、上位に出てきたのが「オフィスがほしい」でした。
社員たちにとっても、規模が大きくなりリモートワークだけでは会話が難しくなってきている実感があったのでしょう。部署ごとに別の会社みたいな状態になってしまっていましたしね。ただ、申し上げた通り、弊社はリモートワークメインで成長してきた会社のため、弊社で出社体験をした社員は少ないわけです。世の中的には出社回帰の流れが見られるようになってきましたが、弊社の場合は戻るも何もやったことがない。「どうすればハイブリッドにできるのか」というところからのスタートでした。
出社に振り切るのではなく、ハイブリッド型を目指されたのですね。
森山
採用活動もリモートワーク前提で行ってきたため、弊社の社員の2割は関東圏以外に住んでいるんです。また、出社可能な範囲に住んでいても子育て中の方など、家庭の事情でフル出社ができない社員もいますから、ハイブリッドワークが前提でした。原則月に1回はオフィスに来てもらおうという形で運用しています。
HB小谷
御社とは以前、店舗物件のお手伝いで関わらせていただいた過去があります。今回動かれる1年ほど前にもオフィス移転のお話が出てらっしゃいましたよね。
森山
実はコロナ禍が落ち着いたタイミングで、何度も移転を検討して動いてみたことがあったんですよ。ただ、移転するとなるとコストがそれなりにかかりますし、構えたところで出社してくれるかもわからない。当時は社員たちがどこに住んでいるか詳細に把握できていませんでしたしね。そもそも、弊社の社員は子育て中の方が多いため、出社スタイルが合わないのではという懸念もあったんです。社員たちからも「オフィスが必要だ」という意見が出たことで、本格的に動きだしましたね。
本格的なハイブリッドワーク前に「お試し」しやすいWeWorkを選択
今回、HATARABAをお選びいただいた理由についてお聞かせください。
森山
他社さんにも声をかけたことはありました。スケルトンでオフィスを作る意思決定が取れないなか、「まずはすぐにでも一度試してみたい」というこちら側の想いに対して、すぐさまお試し出社の条件を提示してくださったのがHATARABAさんだったことが決め手になりましたね。

株式会社HATARABA 小谷
HB小谷
サービスオフィスという選択肢ですね。一般的なオフィスは2年以上という契約期間に縛られてしまい、途中解約となると違約金が発生してしまいます。今回のご移転はほぼフルリモートの状態からハイブリッドワークへのお試しという側面がおありでしたので、契約期間の縛りの少ないサービスオフィスが良いだろうと感じていました。
今回、選ばれたのは半蔵門エリアのWeWorkです。ここに決まるまでの経緯についてお聞かせください。
森山
青山のオフィスに月1、2度は出社していたため、表参道エリアだとなじみがあるなと思っていました。そのため、理想としてはこれまでと同じ最寄り駅のオフィスでした。加えて、会員向けの拠点がある銀座エリアもオフィスを構える場所として親和性があったため、銀座も候補でしたね。その次が、その間の沿線です。
オフィスについては、ワンフロアで借りられるところが重要な要件でした。同じフロアであっても、物件が分かれるのは避けたかったですね。みんなの顔が見渡せる、オフィス感のある物件を希望していました。
HB小谷
先ほどもお話したように、結果的にサービスオフィスに絞られましたが、最初はあらゆる物件の情報をご希望で、170件ほどご提示しました。居抜きオフィスやセットアップオフィスなど、あらゆるタイプの情報をご覧いただきましたね。
森山
情報が何もないところからのスタートでしたから、選択のポイントの言語化ができていなかったんです。いくつか拝見するなかで、「ここがいい」「これはない」と判断できる材料を得られていきました。「スケルトンでのオフィス作りは今回は興味がない」は、いろいろなタイプの物件を知ったことで出てきた選択でしたし、半蔵門エリアもこちらからの希望だけでは出てこなかったエリアだと思います。

株式会社HATARABA 川元
HB川元
サービスオフィスが良いだろうと絞られたあと、路線的に良いエリアで必要な規模のワンフロアのWeWorkとなると、必然的に今回ご契約いただいたWework半蔵門PREX Northのみとなりました。
HB小谷
そこからは本当にスピーディーでしたよね。当時4フロア空いていたのですが、3フロアをまるまる検討している会社様が出てきたためスピード感は意識しました。
HB小谷
中野さんのご対応は迅速でしたね。だからこそ、良い条件を勝ち取れたと思っています。

SHE株式会社 中野さん
中野
何もかも初めてだったので、教えていただけたからこそだと思っています。
森山
Slackでのやり取りを見ていましたが、最初は敬語でのやり取りだったところから、徐々に楽しげなスタンプでのやり取りも見られるようになり、溶け込んでいるなと思っていました(笑)。
HB小谷
踊っている猫のスタンプなどですね(笑)。楽しくやり取りさせていただきました。カジュアルにやり取りできるようになったことで、一員になれた感覚がありました。
森山
良い関係性だなと思っていましたよ。
HB川元
私はふだん重厚長大な企業様をお相手にすることが多いので、お客様とのやり取りでスタンプを使うことがなく、新鮮でした(笑)。また、スタートアップベンチャーならではのスピード感も新鮮でしたね。

森山
スピード感は意識していましたが、もう少し時間がかかるだろうと思っていたんです。弊社は3月末決算なのですが、まさか4月1日の始動に間に合うとは思っていなかったですね。居抜きオフィスでも椅子はないですが、WeWorkですと什器はもちろん、デスクも椅子もありますから、すぐにスタートできました。
HB小谷
5名から10名程度の規模であれば内見から1、2カ月で決まることもありますが、今回のように80名規模の移転となると1年ぐらいかけてプロジェクトを進めることが一般的なため、12月中旬に内見されて1月に契約、4月にスタートを切るのはかなり早いほうです。さすがスタートアップ企業だなと感じました。
規模はどのように意思決定されたのでしょうか。
森山
100名を超える人数になりますが、全員がそんなに頻繁に来るわけではないですし、実際のところどれだけ来るかわからないので、何となく80名ぐらいかなと。ただ、数字で見るだけではわからないため、物件を実際に見にきて決めたという感じですね。おふたりにお会いした1週間後には内見しました。報告や相談の手間を省くため、取締役3人全員で見に行き、感覚的な部分の共有を図りました。7件ほど見に行きましたね。
ハイブリッドワークの滑り出しは上々
移転後のご状況はいかがですか。

HB小谷
キャパシティはいかがでしたか?
森山
ちょうど良いですね。グループや部署単位でのチームワークがやりづらいときには、クレジットを使って他拠点を借りてみるのも良いかもしれないと思っています。
この取材を受けている段階でまだ2週間程度なのですが、今のところ「かなり良い」と感じていますね。出社を盛り上げるモメンタム局ができ、出社こけら落とし会の場を設け、スタートを切りました。

中野
火曜日と金曜日を出社デーとし、その日は出社できる社員がほぼ来ている状態です。その他の日も10数人はいますね。フォンブースを使っている社員も見られます。執務エリアには6、7人が出社しています。
弊社は新しいこと、やったことのないことを楽しむ社風だと感じていまして、「みんなで頑張ろう」と思える会社だなと思っています。今回の移転プロジェクトでも、セレモニーを開くなど、そういった弊社らしさが出たのかなと思いますね。


社員の卒業式で使われたオリジナルステッカー付きのボトル
森山
弊社は「しなやか」で「熱狂できる」会社なんですよね。部署はあるものの、その垣根を超え、横断的なコミュニケーションやチーム組成ができる会社で、それがオンライン上でできてきたことが弊社の良さだと思っています。弊社の社員は8割が女性で、子育て中の社員が3割以上、毎月産休や育休に入る社員がいるんです。そのため、オフラインのみに振り切るのではなく、ハイブリッドワークの理想形を目指していきたいですね。

今後の展望をお聞かせください。
森山
一旦、7月末までのお試し期間として初速はポジティブだと思っています。まずは更新するかどうかの意思決定をするのが直近の展開ですね。弊社にとってのハイブリッドワークの最適解は何なのか。エリアや規模感をお試し期間に考えたいです。今のところ優勢なのは、「一旦延長」ですね。出社環境があることが良いと判断できたら、その状況を途切れさせないようにはしたいなと。
あらためて、株式会社HATARABAへのご感想をお聞かせください。
森山
ここまでスピーディーに進めていただいたことに感謝したいです。情報を洗い出した上で持ってきていただけたことで、オフィスの解像度を上げられ、助かりました。弊社のオフィス作りは始まったばかりです。どういうオフィスを目指すと良いのか、モニタリングをどこまでどのようにするのが良いのか、オフィスのオペレーションなど、弊社の中に入ったご提案をいただけるとうれしいです。

HB川元
小谷は日頃からスタートアップ企業の方との仕事が多いのですが、私はあまりそういった機会がなかったため、今回こうしてプロジェクトをご一緒できたことに非常に感謝しています。私たち自身も成長し、今後もご一緒できればと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
HB小谷
数年に1度あるかどうかというオフィス移転プロジェクトにおいて、「ここに入って良かった」と言っていただけるのが我々にとっては非常にうれしいところです。次回も「良かった」と言っていただけるよう尽力いたします。ぜひまたお任せください!

会社概要
- 会社名
- SHE株式会社
- 拠点開設
- 東京都千代田区麹町2-5-1 WeWork 半蔵門PREX North
- 設立
- 2017年4月11日
- 従業員数
- 114名(2025年4月時点)
- 企業URL
- https://she-inc.co.jp/
- 取材
- 2025年4月
取材・文:卯岡 若菜 撮影:竹井 美砂子
撮影場所:WeWork 半蔵門PREX North