創業から10期目となる節目を前に、ダイバーシティ東京オフィスタワーへの移転を果たした株式会社Road Goal Holdings。移転の目的は、地方展開で希薄化した「血の濃さ」を取り戻し、事業創造の根幹を成すCrew-クルー-(従業員)とのつながりを再構築することにありました。
HATARABAは、成長企業ならではのベイエリアへのこだわりに共感し、さらなる飛躍への足掛かりにふさわしい選定をサポート。移転の背景、ダイバーシティを選んだ理由、そして会社のこれからについて、代表取締役社長の片江光太さん、経営企画室CreativeTeam所属の片江瑠奈さん、杉本七彩さんに伺いました。
背景・課題
- ・地方展開により、創業期の熱量や事業創造の根幹が薄れつつあった
- ・Crew同士のつながりが希薄化し、コミュニケーションが低下していた
- ・組織の一体感を取り戻す必要があった
ポイント
- ・「Crewの人生をよりよく変える」を経営の核に置き、事業判断の基準に据えた
- ・カルチャーとビジョンの浸透を推進し、リファラル採用を軸に急成長を実現
- ・ブランドコンセプトを体現できるダイバーシティ東京オフィスタワーを拠点に選定
事業創造の根幹は、「Crewのよりよい人生」
―まずは、御社の事業と特徴についてお聞かせください。
株式会社Road Goal Holdings 代表取締役社長 片江光太さん
片江さん
一般的には「お客さま第一」の経営方針を掲げる会社が多いと思いますが、当社は「Crewの人生をよりよく変える」ことを経営の根幹に据えています。そのため、展開する事業も、すべてCrewの将来を好転させる可能性があるかどうかを軸に判断してきました。
現在は、「Hexagon Structure(ヘキサゴンストラクチャー)」と名付けた六角形の構造に基づいて、エネルギー事業、営業支援事業、HR事業、IT事業、ウェルネス事業、スポーツ事業を展開しています。
いずれの事業も、最終目的はCrewの成長と人生の変革です。
―経営ありきで人を雇用するのではなく、雇用した人の幸せありきで経営を考えていらっしゃるのですね。どのようにそうした思想が形成されたのか、背景をお聞きしたいです。
片江さん
根底にあるのは、キャリアのスタートである営業支援会社での採用人事の経験です。
リファラル採用のみで5年連続300名を採用し、7年間で組織を40名から1300名へと急成長させました。
ご存知のとおり、リファラル採用は自社の社員経由で友人や知人を紹介してもらう手法です。しかし、単に報酬を設定して紹介を呼びかければ良いわけではありません。既存の従業員が自社を誇りに思い、大切な人に紹介したいと思う環境がなければ、「紹介しても満足してもらえないかも」「もし社風が合わなかったら、責任が持てない」といった心理的なハードルが先に立って行動につながらず、制度はすぐに形骸化してしまいます。
そこで、リファラル採用の実務と並行して、はたらく人が誇りを持てるカルチャーとビジョンの形成に取り組みました。採用した仲間たちが、自社への愛着を原動力として生き生きと働き、その結果として会社が伸びていく。その様子を目の当たりにしたことが、今の経営の原点です。
―Roadグループでも、採用はリファラルが中心ですか。
片江さん
はい。会社全体で積極的に取り組んでいます。というのも、リファラル採用には複数のメリットがあるからです。
1つは、コスト面。私が前職でリファラル採用に取り組んだのも、「できるだけコストをかけずに、300人採用してほしい」と指示を受けてのことでした。
リファラル採用の場合、主なコストは制度設計や社内への周知といった運用工数と、紹介してくれた社員へのインセンティブ、候補者と社員との交流のための食事代などで、求人情報の掲載や紹介会社の利用といった方法に比べると圧倒的にコストが抑えられます。
もう1つは、会社の理念や風土に共感して入社してくれているので、ミスマッチによる早期離職を防げること。
そして最後に、採用活動を通じて一人ひとりのCrewが会社のビジョンを深く理解し、良いところや悪いところを客観的に見る力が養われることです。リファラルを続けていると、「会社の強みをさらに伸ばし、弱点を強化するにはどうすればいいか」と考えられるようになり、自分が会社を創っているという誇りをもって仕事に臨むことができます。
自社での高い実績をもとに、効果的にリファラル採用を進める方法や、質の高い若手人材を獲得するノウハウなどの提供もしているんですよ。
「血の濃さ」を取り戻し、停滞を回避するために「分散」から「集約」へ
―今回の移転も、Crewの皆さんが活躍できる環境づくりを考えてのことですか。
片江さん
結論からいうとそうですね。
当社は、平成生まれの経営陣とCrewが中心となって令和を生きる会社でありながら、家族的な絆で社員同士がつながる古き良き昭和の組織風土が特徴です。同じ思いを持ち、同じ方向に向かって進む血の濃い組織。それがリファラル採用を軸にした成長の土台であり、HRビジネスの肝でもあります。
しかし、2024年の夏に地方展開を進めたところ、伸びた売上と反比例する形で「血」が薄まっていく感覚がありました。自社の根幹を揺るがす事態だと考え、分散から集中へと舵を切るために移転を決めたのです。
―瑠奈さん、杉本さんは、地方展開後の雰囲気の変化をどう感じていたのでしょう。
株式会社Road Goal Holdings 片江瑠奈さん
瑠奈さん
地方進出で活気づく反面、創業期のような温度感や空気感が薄れつつあることは漠然と感じていました。
株式会社Road Goal Holdings 杉本七彩さん
杉本さん
コロナ禍でもリモートを最小限にして毎日顔を合わせることを重視してきた会社なので、人が分散した後はどうしてもコミュニケーションが希薄化した印象はあったと思います。
―拡大で売上好調であるにも関わらず、勇気ある決断ですね。つながりを本当に大切にしていることがよくわかります。移転に際して、どんな点を重視しましたか。
片江さん
創業10期目を迎える2026年は、スタートアップから次のステージへ進む節目の年。次なる戦場でさらに飛躍する決意を示すために、「令和を代表する企業になる」という目標を達成し、ブランドコンセプトである「人の魅力で勝つ組織の創造」を実現できる場所にこだわりました。
価値観や思いを共有できるパートナーとして、HATARABAに依頼
―HATARABAにご依頼いただいたきっかけを教えてください。
片江さん
創業から4年目の2021年、将来の成長が期待されるベンチャー企業100社を紹介する「ベストベンチャー100」に選出されたときからのお付き合いですね。
そのころから、なんとなく同じにおいがすると思っていて。少しずつ社風や人柄を知っていくなかで、「この会社のこの人たちなら、Roadグループがめざす理想の移転を支えてくれるだろう」と思っていたんです。
瑠奈さん
空気感が同じでしたよね。今回の移転は集約による成長への布石でもあったので、社長からは「普通で無難なオフィスにはしたくない」と言われていたんです。ですから、理念や仕事に対する姿勢、持っている価値観などが似ているHATARABAさんなら安心だと思いました。
HATARABA 島袋
HB島袋
うれしいですね!最初にメールをお送りしたのが2021年の冬で、年始早々に内見にいきましたよね。
片江さん
ベイエリアのオフィスはすべて内見したんじゃないでしょうか。当時は諸般の事情でタイミングが合わず、先に地方展開を進める決断をしたのですが、2人のフットワークの軽さと面倒見の良さ、連絡のスピード感は強く印象に残っていました。
実は、今回移転を決めたとき、他の仲介業者さんからもたくさん引き合いをいただいたんですよ。でも、お2人以外にお願いする気にはなりませんでした。
HATARABA 新井
HB新井
そう言っていただけてありがたいです。ダイバーシティ東京はわりと初期に内見しましたが、ずっと第一候補でしたね。
片江さん
賃料や建物のグレードよりも、「普通」や「無難」を嫌うRoadグループらしさを体現できるかどうかが焦点だったので、設計の自由度が高いのは大きな魅力でした。それに、「ダイバーシティ」といえばお台場のランドマークのひとつで、確固たる知名度を誇っているじゃないですか。賃料や、建物のグレードだけでいえばもっと良いオフィスはあったと思いますが、総合力で頭が抜けていたのがダイバーシティでした。
感覚をビジュアルに落とし込み、理想のオフィスを実現
―移転のプロジェクトは、どのように進めていったのですか。
エントランス
片江さん
わりとタイトなスケジュールで、限られた予算のなかでの移転だったので、当初予定していたプロジェクトチーム体制は断念。「Roadグループらしさ」「新オフィスに求めるもの」を誰よりわかっている私が中心となって進めることにしました。
ウェイティングエリア
瑠奈さん
経営と移転プロジェクトを両立してもらうため、社長のめざすオフィス像をヒアリングしてデザインに落とし込んでいきました。社長はフィーリングの人なので、ざっくりした要望をもとに海外オフィスなどから参考画像を探し、すりあわせていく手法をとりました。
オフィスからの眺望
―重厚且つ華やかなエントランスも、海を望む執務スペースも、とてもすてきです。
片江さん
ビジュアルを通してイメージを共有する方法は効率的で、こだわりを随所に反映したオフィスができたと自負しています。ただ、そのすべてを口頭で説明しても、たぶん伝わらないし覚えてもらえない。でも、このオフィスに賭ける覚悟や思いをCrewに伝えたい。そう考えて、創業からデザイン系の仕事を一任していた杉本さんを指名し、ブランドブックを作製してもらうことにしました。
杉本さん
ふだんから、紙やWebにデザインを落とす仕事が多いので、喜んでお受けしました。が、制作期間が驚くほど短くて(笑)。オフィスオープンイベントにあわせて3日間でつくってほしいといわれて、なんとかやりとげました。
ブランドブックを実際に拝見させていただきました。
―企業理念やビジョンを可視化して浸透させるだけでなく、採用活動にも使えそうなブランドブックですね。
片江さん
まさにそうなんです。求職者が最終面接などで来社したとき、派手に振り切ったオフィスにこめられた思いを理解してもらうための重要なツールです。
カンファレンスエリア
集約でつながりを再構築できた新オフィス。新事業の基盤としての役割にも期待
President’s Office
―移転を終えて、その効果をどのように感じていらっしゃいますか。
片江さん
6つの事業会社が集約されたことで、事業を超えたつながりが生まれ、社内副業のような形で事業をかけ持つCrewも出てきました。性別や部署の垣根を超えた意見交換も活発化していて、狙い通りだと感じています。
一方で、経営陣の管理や評価の難易度は上がりました。これまでは現場主導でボトムアップ型の組織運営でしたが、しばらくはトップダウンに回帰し、成長局面を乗り切っていくつもりです。
―ありがとうございました。最後に、今後の展望をお聞かせください。
片江さん
2026年1月に、スポーツビジネスと地域振興のシナジー創出をめざし、元メジャーリーガーの岩村明憲さんが率いる福島県唯一のプロ野球チーム「福島レッドホープス」と資本業務提携を結びました。
これを機に、スポーツ選手のセカンドキャリア支援事業にも取り組みたいと考えています。Crewと同じように、私たちと関わってくれるスポーツ選手の人生もよりよく変えられる会社でありたいですね。このオフィスは、さらなる成長と新しい展開を支える基盤として、ますます活躍してくれると思います!
会社概要
- 会社名
- 株式会社Road Goal Holdings
- 移転先
- 東京都江東区青海1-1-20 ダイバーシティ東京 オフィスタワー 12F
- 設立
- 2017年 10月17日
- 従業員数
- 150名(2026年3月時点)
- 移転後坪数
- 約330坪
- 企業URL
- https://www.road-goal.co.jp/
- 取材
- 2026年2月
取材・文:藤巻 史 撮影:竹井 美砂子