交通費などの精算業務、勤怠管理業務など、さまざまな業務を軽減するSaaS事業を展開している株式会社ラクス。急速に組織拡大しており、人員の拡大ペースに合わせて常に増床計画が進められています。オフィス構築にかかるコスト削減とスピーディーなプロジェクト進行が可能なのは、プロジェクトマネジメントを内製化しているためだといいます。
株式会社HATARABAは、物件契約周りをサポート。オフィス構築、増床プロジェクトに携わる経営管理本部 総務法務部 総務課 榎本様、尾上様、磯様に、最新の増床計画を中心にお話を伺いました。(以下敬称略)
背景・課題
- ・コストをできるだけ抑えた増床計画を推進
- ・人員の増加ペースに合わせ、スピーディーな契約が必要
ポイント
- ・プロジェクトマネジメントを内製化しているため、圧倒的なスピードを担保
- ・内装材の選び方を工夫し、コストを抑えて見栄えの良いオフィスを実現
- ・密な情報連携により、スピード感ある増床計画を遂行
人員拡大ペースに合わせ、増床プロジェクトを継続中
皆様の業務内容、オフィス増床プロジェクトでの役割についてご紹介ください。
榎本
3人とも総務部に所属しています。弊社はファシリティ領域を内製化しており、我々のメイン業務はオフィス構築、オフィス拡大作業で、コスト削減やスピード感のある進行を使命として仕事にあたっています。
榎本
他社においては、外部の会社にプロジェクトマネジメントをお願いする会社のほうが多いと思うのですが、その部分を内製化しているのが弊社の特徴であり強みですね。HATARABAさんには、物件の契約部分でご協力をいただいています。
私が全体の流れやプロジェクト管理を、尾上が基本設計やレイアウト図面作成を、磯が内装デザインや家具の選定といったような役割分担をしています。
場合によっては、役割が変化したり、重複したりするケースもあります。
あらためて、今回の増床の経緯についてお聞かせください。
榎本
人員増による増床です。弊社はある一定の規模の人員数を掲げており、その目標を達成するには、年間で数百人規模の採用をしなければならないんですよ。そのため、かなりの頻度で増床を続けています。先日30階を契約したばかりなのですが、もう間もなく次のフロアの増床が控えているという状態ですね。
HATARABAがご支援させていただくことになった経緯をご紹介ください。
HB大野
緊急事態宣言中、私が主催していたファシリティ担当者向けのオンライン飲み会が御社との出会いのきっかけでした。その後、コロナ禍が落ち着いてきたころにあらためてお話させていただいたところ、従業員数が増えていて今後オフィスをどうしていこうか考えられているということで、ご支援に至りました。
HB長倉
そこから段階的に増床を続けてこられての今という感じですよね。
榎本
弊社はスピード感を重視しているため、こちらの速度に合わせていただくのは大変なのではないかと常々思っています。
HB長倉
必死についていかせていただいています(笑)
HB大野
このスピード感を保てるのは、やはり社内に図面を描ける方がいるからこそだと感じています。
尾上
おっしゃる通り、社内で図面を描け、直接発注できるからこそのスピード感だと思いますね。
榎本
間にプロジェクトマネジメント会社が入ると、図面のやり取りだけで1週間経ってしまうこともありますからね。会社の想いをオフィスに反映させやすいという良さもあり、内製化のメリットは大きいです。プロジェクトマネジメント会社が入らない分、当然コストも削減できますしね。
今後のプランにおいても戸惑わないよう「スタンダードモデル」を設定し、細かな改善策を施す
オフィスのこだわりポイントについてご紹介ください
榎本
どのビルのどのフロアでも同じように働ける環境づくりを意識しています。東京にある3つのビルを移動して働く人もいるので、オフィスによって勝手が違うと非効率になってしまうんですよ。
全国共通のスタンダードモデルを作っていて、増床や新しくオフィスを構築する際は、基本的にそのモデルに沿うようにしています。まったく同じではなく、必要に応じて改善している部分もあるんですけどね。
磯
コストをかけさえすればいいものを作れるのは当たり前なのですが、どうしても予算面を考えなければならないため、コストを抑えつつ、いかに良く見せるかという観点でデザイン選定を行っています。あとは、シンプルにしています。シンボルを置くようなオフィスではないため、カルチャーを表していないオフィスのように思われるかもしれませんが、シンプルで、効率の良いことこそが弊社のカルチャーなんです。
今回の増床部分に関して、改善した点はあるのでしょうか。
磯
会議室の壁面ガラスに貼っているシートですね。中に人がいることは見せたいものの、クリアに見せたいわけではないため、目隠し用に曇りガラス風のシートを貼っています。これまでは一面が曇ったシートを裏面に貼り、表面からデザインシートを貼っていたのですが、コストがかかるうえに、両面にシートを貼ることにより視認性が悪くなりすぎるという課題があったんです。
磯
そこで今回は、デザインが施されている曇りガラス風シートを片面に1枚貼ることにしました。初めから曇っている部分とクリアな部分とがあるデザインのシートを1枚貼るだけなので、コストも削減できます。隙間にあるクリアな部分から中が伺え、遠目で見ると見えないという仕掛けになっているんですよ。
なお、あまり見せたくない会議室と、見えるようにしたい1on1とで、曇り部分とクリア部分とのバランスが逆になるようにという工夫も施しました。
オフィスに対して、従業員や社外の方からの反響はいかがでしょうか。
榎本
入居後1カ月後にアンケートを取り、その後も半期に1回のペースでアンケートを取っているのですが、9割近くは満足してくれていますね。入居後のアンケートでは、「ここにもモニターがいる」といった要望があったため、速やかに対応しました。
尾上
ある程度もう完成形だと思ってはいるのですが、それでも要望は上がってきますよね。
榎本
今回の増床フロアにやってきた方たちが以前いたフロアには、リフレッシュルームがあったんです。これはコア内貸室と呼ばれている部分を活用して作った場だったのですが、思いのほか人気スペースになっているので、新しいフロアにもリフレッシュルームがほしいといった声も出ています。
今後もオフィス構築プロジェクトは継続
今後の展望、HATARABAに期待したいことがあればお聞かせください。
榎本
引き続き、弊社のスピード感についてきていただけると嬉しいです。あとありがたいなと思っているのは、御社が主催されているFM Salonですね。外の情報も知ったほうがいいと思っているので、他社様のオフィス施策を知れる機会をいただけるのはありがたいです。
会社概要
- 会社名
- 株式会社ラクス
- 増床場所
- 東京第2オフィス
東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー 25階(総合受付)、29階 - 従業員数
- 連結:2,561人 単体:1,532人(2024年3月31日時点)
- 企業URL
- https://www.rakus.co.jp/
- 取材
- 2024年7月
取材・文:卯岡 若菜 撮影:竹井 美砂子