コミュニティに特化したプラットフォームの開発、クリエイターやブランド、企業へのプラットフォーム提供と伴走支援を行っているオシロ株式会社。新オフィスは、天井高が5メートル、青空を臨める大きな窓が多数ある開放感のあるギャラリーのような印象を受ける物件です。本移転のお手伝いを株式会社HATARABAが行いました。移転プロジェクトを自ら率いる代表取締役社長の杉山様、サポートにあたった社長室室長の石田様に、今回の移転プロジェクトについて伺いました。(以下敬称略)
背景・課題
- ・社員のクリエイティビティを高めるために、天井高のある物件への移転を希望していた
- ・柱や壁のない理想の物件への移転が決まったが、会議室を作る必要があった
ポイント
- ・条件を明確にすることで、希望物件のオーナーとの交渉がスムーズに。契約締結に至った
- ・会議室としてタイニーハウスを作り、配置。空間の良さを損なわず、働きやすさを担保
「いつか入りたかった」念願の物件への移転を希望
皆様の業務内容、今回の移転で担われた役割についてお聞かせください。
杉山
オシロの創業者であり代表の杉山です。移転プロジェクトは、私にとってメインプロジェクトですね。おもしろすぎて、1人でほぼすべて担ってしまったといっても過言ではないんです。社員には自分の追っている数字があり、日常業務にプラスして移転関係の仕事をしてもらうのはストレスになってしまうだろうから、私が巻き取ろうという思いもあります。
移転に関する大体な部分は担当できたため、おそらくみんなはオフィス移転が大変というイメージを持っていないかもしれません。ただ、そうしたなかでも、これまでオフィス移転の度にペンキ塗りは毎回みんなで行っています。チームビルディングを兼ねての恒例行事なんです。
石田
私は創業初期からのメンバーで、移転のたびにペンキを塗り、ものも自分たちで運び…とプロジェクトに携わってきました。今回の移転に関しては、社員数の増加に伴ってコーポレートメンバーも充実したことから、そこまで中心的な部分に関わってはいません。今は社長室に所属しているため、図面を書いている社長の様子を見守ったり、客観的な意見は伝えたり、話し相手になったりしました。
今回の移転背景についてお聞かせください。
杉山
アート作品を置くためですね。応援している作家さんの作品をオフィスに置いているため、もっと広いオフィスに移りたいという思いがありました。…という理由も本当なのですが、もう1つ優先度の高かった理由は「社員のクリエイティビティ向上」です。そのため、物件を選ぶ際は、クリエイティビティを高められる空間を重視しました。特に欲したのは天井高ですね。天井高がある空間ではクリエイティビティが上がるというデータがあるんです。
石田
この物件は天井高が5メートルあるんですよ。
この物件に決まるまでの経緯についてご説明ください。
杉山
実は、この物件は「いずれ入りたい」と思っていた候補物件でした。過去にこの近所で間借りしていた時期があり、ランチをしにこの辺りを通ることがよくあったんですよ。室内の天井高や外観に惹かれて物件情報を調べてみたのですが、当時の弊社にはとてもじゃなけど払えない賃料だったんです。満を持して今回こちらに移転することができてとてもうれしいです。契約に至れたのは、HATARABAのお二人の尽力があったからこそだと思っています。
どのような経緯でHATARABAがお手伝いさせていただくことになったのでしょうか。
杉山
株主から紹介を受けたのがきっかけです。この物件への移転を強く希望していましたが、お話するなかで他の物件もご提案いただきました。
HB石川
この物件への思いを強く持たれていたこともあり、内見数は3、4件と、一般的な移転と比べると少ない件数でした。比較表も作りましたが、やはり圧倒的にこちらへの思いは変わりませんでしたね。
HB新井
他の物件はいわゆる「普通の物件」でした。やはりこの物件は雰囲気が1番特徴的だと感じます。あらためてこの物件に入りたいという気持ちが定まったあとは、どうすれば契約できるのかを考えるだけでしたね。「この条件なら入る、ダメなら断念する」と条件を明確に示していただけたので、こちらとしても交渉がしやすく、感謝しています。
社員同士のコミュニケーションが生まれるよう、動線を意識
一見、オフィスというよりはギャラリーのような雰囲気ですが、物件が決まったあと、内装に関してはどのようなこだわりを持ってオフィス作りに取り組まれたのでしょうか。
杉山
まずはご覧いただいてわかるように、真ん中に並ぶタイニーハウスですね。ご覧の通り、この物件は柱がなく広々としているところ、天井高が魅力なのですが、オフィスとして使うことを考えると、「会議室に使える部屋がない、個室が作りにくい」という難点があったんですよ。そこで、個人的に「いつか作って住みたい」と思っていたタイニーハウスをオフィス内に作り、会議室として使うことを思いつきました。そこで、タイニーハウスアーティストの竹内友一さんに無理いって建ててもらいました。
石田
サイズ感、サイズに合った屋根の傾斜、配置場所や角度など、とにかく入念にこだわっている様子を見ていました。冒頭にお話したペンキ塗りは、今回はこのタイニーハウスの壁ですね。社員みんなでペンキ塗りを行いました。オフィス入口に近いものからナイト、ビショップ、クイーン。今お話している場所も会議室で、キングと名付けています。
石田
あとこだわったのは、社員の動線作りですね。タイニーハウスの間には隙間があるのですが、どこからでもオープンスペースと執務スペースを行き来できるようにするのではなく、あえて1番奥だけを通路とし、他の隙間には観葉植物を置いて動線を制限しました。社員が顔を合わせ、会話のきっかけになるようにと考えてのことです。
HB石川
以前のオフィスから動線作りは意識されていたのですか?
石田
はい。前のオフィスではカウンターをオフィスの中心に置くことで、会話が生まれるようにしていました。今回はオフィスが広くなりカウンターが2つに増えたため、執務スペース内のカウンターは壁際に配置し、飲み物置き場にしています。コーヒーを入れにきた社員同士で雑談が生まれることを期待しての配置ですね。オープンスペースにあるカウンターは、社内イベントなどで活用されています。
杉山
天井高があるほうがクリエイティビティが上がるとお話しましたが、近しい距離で仕事をするほうが成果につながりやすいという論文もあるんですよ。弊社がワンフロアにこだわるのもそのためなんです。
移転後、社内外の反響はいかがですか?
石田
弊社は以前よりオフィスをイベントスペースとしてお客さまに貸し出しているのですが、このオフィスに移ってきてから、使ってくださる方が増えた印象があります。
個人的には、このオフィスに関してストレスが一切ないと感じています。空間が広いので開放的ですし、窓から光がたくさん差し込むのも精神的にプラスに作用しているのでしょう。
杉山
天井が高い分、酸素が濃いのだと思っています(笑)。
アーティストやクリエイターさん含め、弊社にはいろいろな方が来られるのですが、皆さんとても良い印象を抱いてくださっていますね。うれしいです。
今後もオフィス作りに情熱を傾け、オシロの聖地を作り上げたい
オフィスに対する思い、今後の展望についてお聞かせください。
杉山
私は社長でありながら元クリエイターでもあります。クリエイター気質だからといって社長がオフィスづくりにあまり情熱を傾けすぎるのはどうなのか、むしろこだわっていてはいけないのではないか?とすら思っていたんです。
しかし、弊社の株主でもあるメルカリ会長の小泉さんから、「オフィスは1番大事なのだから、社長がこだわって作ったほうがいい」という言葉をいただきまして。新オフィスはまだまだ未完成ですから、これからもオフィス作りに情熱を注いで、オシロの聖地にしていきたいですね。かけるべきはお金よりも情熱の方が大事なんです。ZOZOさんのオフィスも、クラシコムさんのオフィスも情熱がほとばしってますよね。
石田
以前から、杉山は「いつか、オシロのお城を作る」と話しているんですよ。
HB新井
今後のアップデートが楽しみです。
HB石川
同じく、完成したオフィスを見られるのを楽しみにしていますし、そこに携わらせていただけるのであればありがたいなと思っています。
杉山
オフィス作りのプロとして、力を貸していただけるとうれしいです。
HB新井
今後ともよろしくお願いいたします。今日はありがとうございました!
会社概要
- 会社名
- オシロ株式会社
- 移転先
- 東京都渋谷区渋谷1-3-3 ヒューリック青山第二ビル 8階
- 従業員数
- 約30名
- 移転後坪数
- 約115坪
- 企業URL
- https://osiro.it/
- 取材
- 2024年5月