建設機械を始め、幅広い機材、資材などを貸し出す総合レンタル業を展開している西尾レントオール株式会社。全国各地に拠点を設け、事業拡大を進めています。商品の拡充によるスペース不足を解消するため、通信測機東京営業所を移転することに。物件のご提案、契約締結までのフォローを株式会社HATARABAが支援いたしました。本プロジェクトをご担当された総務人事部 総務課 不動産開発担当課長の岡松様、通信測機機材部 通信測機東京センター所長の森様にお話を伺いました。(以下敬称略)
背景・課題
- ・分散させた営業所と商品センターを再び同じ場所にしたい
- ・商品拡充のため、自動ラックを設置したい
- ・大人数で使用できる会議室がほしい
- ・営業や広報に使えるショールームがほしい
- ・通勤の利便性を大きく損なうことは避けたい
ポイント
- ・元印刷工場の跡地という条件を満たす物件に移転
- ・改装し、営業所と商品センターとして使える仕様に変更
- ・移転にあたり作りたかったショールーム、会議室も完備
天井高10メートル、かつ通勤の利便性を担保できる物件探しを実施
貴社の事業についてご紹介ください。
岡松
当社は建設機械やイベント関連機材、民生品など幅広い商品を扱う総合レンタル業を展開しています。現在の拠点数は全国で330です。
お二人の業務内容、今回のプロジェクトへのお関わりについてもお聞かせください。

総務人事部 総務課 不動産開発担当課長 岡松様
岡松
私は不動産開発を担当していまして、全国の物件調査、各部への提案から契約までが業務範囲となっております。出店先が建築を伴うものであれば、建築プロジェクトにも参画するポジションですね。
森
私は工事現場で使用される測量機や無線機など、レンタル商品の管理入出庫メンテナンスを担当している商品センターの責任者を務めています。今回の移転プロジェクトでは、商品センターの占めるウエイトが大きかったため、新事務所の機能面やレイアウト検討を担いました。
今回、営業所の拡張を検討することになった経緯についてお聞かせください。
岡松
既存施設が手狭になってきたのが検討することになった1番の理由です。当社はレンタル会社ですので、お客様のあらゆるニーズにお応えするためには、どうしても商品の拡充が必要不可欠であり、商品数に応じて施設の拡張も必要になってきます。限られたスペース内で工夫を凝らして活用してまいりましたが、どうしても面積に限界を感じ、今の場所ではこれ以上の商品拡充が難しいという判断に至りました。
移転にあたって重視したかったのは、営業所と商品センターを同じ場所にすることです。以前は港区芝浦の同じ施設内に両機能を有していたのですが、商品拡充をする必要が生じたため、営業部隊を別の場所に移したんです。物理的に離れると、職務上のやりとりがやはり不便で、今回あらためて2部署を同じところにまとめたいと考えました。

通信測機機材部 通信測機東京センター所長 森様
森
お客様に貸し出す商品は商品センターに保管されていますから、営業がこちらに取りに来るなど、負担が生じていたんですね。徒歩10分程度の距離だったとはいえ、往復すると20分ですから、顔を合わせないと相談しづらいことを気軽に話に行ける距離ではなかったのです。
では、新しい物件に求める条件の1つが「面積」になりますね。その他、どのような条件を重視されていましたか?
森
自動ラックを導入したいと思っていました。大阪ではすでに導入されていて、利便性を知っていたため、東京にも入れたいなと。あとはショールームの設置ですね。広報PR活動に使いたいと考えていました。また、理想として大人数で使える会議室もほしかったですね。優先順位は自動ラックを設置できる空間であること。次は立地でした。出社する人がメインなので、移転することで通勤の利便性が大きく損なわれることは防ぎたかったので。
HATARABAとの出会いのきっかけ、ご依頼いただいた決め手について教えてください。

HATARABA 三上
HB三上
きっかけは、御社のアドバイザーの方と私に接点があったことでした。「なかなか見つからない要件の物件を探している」とお聞きし、交流会で役員の方からも「こういう物件があれば持ってきてほしい」というお話を受けました。
岡松
HATARABAさんとつながる以前、4年前ぐらいから動いてはいたんです。最初は新築も検討していて、23区や湾岸エリアで土地を探して建築する計画もあったんですよ。ただ、23区内の土地が想像を絶するくらい高騰していました。そもそも、都内にあまりまとまった土地、物件もなく、調査自体に苦戦していましたね。あっても利便性が悪く、電車通勤が厳しい場所だということもありました。社員が来づらい場所にお客様に足を運んでもらうのは……という具合に、なかなか進められていませんでした。
私が三上さんにお会いしたのは2022年3月ごろで、情報交換をしていただきました。その翌月には今回の物件を紹介いただいています。そこから社内調査、関係部署による内覧を5月上旬に行い、その場で前向きに話を進めようと決定しています。
これまで比較検討した物件はございましたか?
岡松
他社さんからも紹介はいただいていたのですが、最重要視していた自動ラック倉庫の設置をするために満たすべき条件を満たさなかったため、残念ながらご縁がありませんでした。こちらでも探していたのですが、本当に見つからず。よくこんなにスピーディーにご提案いただけましたよね。

HB三上
自動ラックを設置するには、天井高が10メートル必要となります。一般的な事務所の天井高は2メートル50センチですから、まず「倉庫物件から探そう」と絞りました。しかし、倉庫物件が多い場所となると、通勤の利便性が損なわれる可能性が出てくるだろうという考えもありましたね。
今回、すぐにご紹介できたのは、タイミングの運も良かったためです。ちょうどお会いする前後でこちらの印刷工場だったビルをどうしたらいいのか相談をする機会があったんですよ。そのため、今回と同じ条件を満たす物件をもう一度探してほしいと今のタイミングで言われたら、10年はかかるかもしれません。改めて、こちらに決められた決め手は何だったのでしょうか。
岡松
立地、面積、経済的な条件いずれもが魅力的でした。1番の決め手は、多層階に渡る吹き抜けスペースがあることですね。新聞の印刷工場時代に、輪転機という印刷機を設置していた場所だそうで、そこに自動ラックを設置できると考えました。温度管理のできる室内に自動ラックを置けることが条件でしたので、今回の物件はぴったりでした。要件が特殊なため、居抜き物件ではハードルが高かっただろうと思います。

森
私も自動ラックを置く条件を満たしていることが1番大きかったですね。あとは作業スペースや事務所の広さも前のものと比較しました。またすぐに面積が足りなくなってしまうようではもったいないですから。今後の拡充にもまだ余裕があると思えたのも決め手でしたね。
元印刷工場を営業所に改装
工事要件にもハードルがあったと伺っています。
HB三上
印刷工場だったことから、謎の機械の残置があったり、床があえて斜めに作られている箇所があったりと、一般的な物件にはない「どうしたら?」ということが多々ありました。躯体に影響のある工事をするにあたって、専門的な話を進めていくのが大変でしたよね。物件を選んだあとからが御社にとってスタートだったのではないかと思います。
岡松
自動ラックを設置するためには、商品の出し入れ口も設置しなければならず、壁に穴を開ける工事が必要なものですから、どうしても既存のままでは使えないんですよね。そこをクリアしなければ契約締結できないということで、結果的にご紹介いただいてから締結までに1年半を要しました。そういった状況でも、プロジェクトメンバーと同じ目線に立って最後までフォローいただいた三上さんには非常に感謝しています。また、契約まで1年半を要したにも関わらず、それだけの時間を与えていただいた貸主の方にも感謝しています。

HB三上
御社には「みんなで何とかしよう」という雰囲気がありました。いろいろな社員の方とお会いしましたが、皆さん優秀で建設的な議論ができる方ばかりで、当事者意識を持って動かれているのが印象的でしたね。御社の強さを感じました。
岡松
「この物件を逃すと、立地・面積・経済面の条件を満たす物件はもうないぞ」の気持ちで、1年半しがみついてでも成就させないとと思っていました。
HB三上
貸主の方と御社が相思相愛だったとも感じました。2社とも関西企業で、先方への挨拶で神戸に行くなどしながら、信頼感を築けていったのではないかなと。2社間の信頼感を壊すおそれがあるのは管理会社か仲介会社だと思っていたため、最後まで円満に進められて安堵しています。
岡松
今も貸主さんと親しくしていただいています。
新営業所についてご紹介ください。


森
念願の自動ラックを設置できたことで、作業場に棚を置いて何とかしていた商品の保管スペースができました。作業場がすっきりしましたね。自動ラックで保管するようになったことで、商品の出し入れも楽になり、目当てのものを探す時間もなくなりました。
営業部門と技術部門が同居できるようになったことで、相談を含めコミュニケーションも活性化しています。小会議室ができたため、打合せやWebミーティングもストレスなく行えるようになりましたし、大人数の会議室も設けられました。

会議室
岡松
会議室は40名ぐらいに対応できる広さを求めていました。途中「これぐらいのスペースで大丈夫なのか」という不安もありましたが、完成してみると問題なかったですね。
森
「狭いんじゃないか」と言われていましたが、使い始めてからは「十分だな」と言ってもらえています。


その他、印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。


ショールーム
岡松
プロジェクト前の物件の様子を知っているので、ビフォーアフターに感慨深いものがありますね。施設の完成イメージはプロジェクトメンバー6名ほどで決めたものですが、それが具現化したのは希望通りに工事をしていただいたからこそ。無事故で無事に完遂してくださった施工会社様にも感謝しています。
森
壁の撤去や床のかさ上げなど、完成イメージが想像しづらいところもありました。工事が進むにつれてイメージと実際の様子が一致していくのを見ていて、少しずつ引っ越しが楽しみになっていきました。初日に問題なく業務できたときに、1番安心感を覚えました。メンバーや関係者の皆様に感謝しています。

HATARABA担当者のニーズへの理解力に感謝。今後の物件探しにも期待したい
HATARABA三上のサポートについてのご感想をお願いいたします。
岡松
実は三上さんには、今回の物件だけではなく、新宿オフィス、千葉県柏倉庫のプロジェクトもご支援いただいています。いずれにおいても感じているのが、こちらのニーズへの理解力です。不動産開発を担当している立場として、不動産業で大切なのはニーズへの理解力だと日々感じています。同じ相談内容でも、人によって的外れな物件を紹介されることもあるんですよ。希望しているニーズを理解した上で、スピーディーに提案いただけるのは、本当に素晴らしいと思っています。今後もぜひお願いしたいです。
HB三上
うれしいです。不動産は、いいものほど早くなくなる、残り物には福がないものです。そのため、早さは常日頃から意識しています。これからもヒアリングをするなかでニーズに焦点を合わせ、合致した物件をスピーディーにお出しできるよう尽力いたします。
岡松
特に今回の事例は、「天井高は満たしているけど立地が」「立地は満たしているけど費用面が」など、本当に難しかったと思います。数ある不動産業者との付き合いがあるなか、三上さんは我々と同じ立ち位置、目線で真摯に対応していただけたのが良さだと感じました。
人対人の関係性の積み重ねが会社対会社の信頼関係につながると思っているので、今回のプロジェクトを通じて三上さん、貸主様、施工会社様それぞれと良い関係を築けたことを、非常にうれしく思います。事業拡大に向けて出店を強化してまいりますので、ぜひ今後もご支援を賜りたいです。
森
三上さんもおっしゃったようにタイミングも当然あったのでしょうが、いい物件をご紹介していただけたから移転できたと感じています。今後の拡大、挑戦にもつながるプロジェクトを完遂できて良かったです。まだまだスペースに余裕があるため、事業拡大できるようがんばりたいです。ありがとうございました。
HB三上
入居後に使用者の方が「ここに来てよかった」と思っている表情を見られるのがこの仕事をしていて1番うれしいことだと思っているので、今回こうしてお話をお聞きできる機会に恵まれてうれしかったです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

会社概要
- 会社名
- 西尾レントオール株式会社
- 本社
- 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-11-17
- 設立
- 2022年 10月3日
- 従業員数
- 2,355名(2023年10月1日時点)
- 移転営業所
- 通信測機東京営業所
東京都江東区木場2-14-8 神戸デイリー東京ビル - 移転後坪数
- 約930坪
- 企業URL
- https://www.nishio-rent.co.jp/
- 取材
- 2025年1月