法人向けの経理・会計領域などバックオフィスのクラウドサービスを提供する株式会社マネーフォワード。
九州・沖縄支社および福岡開発拠点(以下、福岡拠点)では、組織拡大に伴い、人員増加のペースに合わせて増床計画を進めてきました。そして今回、「福岡大名ガーデンシティ」へのオフィス移転プロジェクトを株式会社HATARABAが全面サポート。
新オフィスに込めた想いについて、拠点長の堤さんにお話しをうかがいました。(以下、敬称略)
背景・課題
- グローバルメンバーをはじめ従業員の増加に伴い、更なるスペースの確保が必要だった
- 構築したいオフィス機能や築きたいカルチャーの実現に課題があった
ポイント
- 「人・場所・仕事が交わるハブ、組織のパフォーマンスを最大限発揮できる場所にする」を体現するオフィス環境を実現
- 会議室やスペースの名称に福岡ならではのユニークなネーミングを採用
- 約100名収容可能なイベントスペースを確保し、社内外のイベントや勉強会がいつでも開催可能に
多様なメンバーが集う場所としてのオフィス構築
ーふだんの業務内容と今回のご移転で担われた役割を教えてください。
株式会社マネーフォワード 九州・沖縄支社および福岡開発拠点 拠点長 堤さん
堤
ふだんは「マネーフォワード クラウド」のERP(Enterprise Resource Planning)関連の領域の開発組織で副本部長としてエンジニアのマネジメントを担当しながら、拠点長として福岡拠点全般の統括も担っています。
今回のオフィス移転プロジェクトでは、移転に関わる業務全般を推進いたしました。オフィスビルの選定、各種業者との打ち合わせ、オフィスルールの作成など多岐にわたる対応など。オフィス構築を担う本社組織のWorkplace本部と連携してプロジェクトを進行しました。
マネーフォワードグループは法人/個人/金融機関の主要3顧客に向けたサービスを提供しています。2017年にサービスの開発拠点として福岡に開設された拠点は、以降、メンバー数が増え続けました。それに伴い複数回のオフィス移転を経て、今回の移転プロジェクトを始動することになりました。
ー現在、福岡拠点に所属しているメンバーは何人くらいになるのでしょうか。
堤
100名超で、エンジニアが8割、残りの2割はセールスなどビジネス領域のメンバーです。2021年頃から会社全体でエンジニア組織を強化する動きがあり、福岡でもグローバル人材の採用にも取り組んできました。現在はエンジニアの3割程度が日本語以外の言語を母国語とするメンバーで、多様な人材が集まる拠点です。
グローバルメンバーも含め従業員がどんどん増えていくなかで、つくりたいカルチャーや機能があっても、オフィス環境や規模の関係で難しいと感じることが多くなっていました。そしてオフィスのスペースが手狭になってきたこともあり、今回のオフィス移転を決断しました。
ーHATARABAとはどのようなきっかけで出会ったのでしょうか?
堤
そうですね、もともとオフィス構築に関わる担当者とのつながりがあり、『福岡でオフィス移転を検討しているなら、一度話してみては』とご紹介いただいたのが最初でした
HB西村
2年くらい前ですよね?お会いしたときには、ある程度どこにしようかという候補は決まっていて、それからビルを探し、決定したのが2025年のはじめ頃でしたよね。
堤
はい、最初は2023年10月頃に動き出しました。初回の打ち合わせの時点から、福岡のスタートアップコミュニティに対する理解の深さや、同じ視点で議論してくれる姿勢に強く惹かれました。
ただ情報を並べるだけではなく、「どうしたいか」を一緒に考えてくれる、伴走してくれるパートナーだと感じていました。
HB西村
そのようにおっしゃっていただけてうれしいです。ありがとうございます。
ー移転先を選ぶにあたって重要視した条件や希望はありますか?
堤
「みんなの集合場所になること」です。役割や職種に関係なく、人が出会い、交わり、前に進むきっかけを生みたい。その想いを、自分たちの手で形にできるオフィスを最優先に選びました。
堤
最後の交渉の際、条件などが難しい交渉の場面においてもHATARABAさんが一緒に頑張ってくれました。本当に心強かったです。
HB石塚
「これは難しいな」と思うこともありましたが、マネーフォワードさんの「自分たちの手でオフィスをつくりたい」という想いを、叶えたい一心でした。改めて、ここに決まって本当によかったと思いますし、私たちもうれしい気持ちでいっぱいです。
福岡拠点だからできることを模索する中で見えたビジョン
ーどのような移転にしたい、理想のイメージなどはありましたか?
堤
ただオフィスを広くして、便利な機能をいれればいいというわけではなく、福岡拠点として意味のある移転にしていきたいという思いが強くありました。
まずは、全員が共有できるビジョンを言語化することで、オフィス構築プロジェクトを進める際の基準、立ち戻れる拠り所をつくりました。
堤
その掲げたビジョンが「人・場所・仕事が交わるハブ、組織のパフォーマンスを最大限発揮できる場所にする」です。福岡拠点の全社から見たポジションはイノベーティブなイメージ。何か新しいことがはじまる場所、ハブになることをビジョンに据えていました。
このビジョンを掲げるに至ったのは、グローバルの人材が増えたことにも関係しています。福岡に限らず、いろいろな拠点にまたがって開発を進めることが増えてきて、例えばベトナム拠点や関西拠点のメンバーとともに開発を進めるということも。
福岡の拠点の立ち位置を模索する中で、ハブとしての役割に行きつきました。みんながそこに集まってくるという拠点を目指せればと。日本全国、全世界にメンバーが散らばっているけれど、福岡に集まれば開発が進むというイメージをビジョンにしました。
ー拠点のコンセプトとしては「Move Forward.」がありますね。
堤
はい、拠点コンセプト「Move Forward.」は拠点ビジョンを実現するための手段として立てています。「Move Forward.」は、福岡のアグレッシブさを表しています。さらに、この拠点コンセプトを、メンバー一人ひとりが理解し行動に移せるように、ステートメントとして「多様な個性が出会う、みんなの集合場所へ。これから始まる挑戦と変化で、誰もが前進できる未来をつくろう。」を掲げています。
(提供写真)マネーフォワードの「Mission・Vision・Values・Culture(MVVC)」が掲げられたエントランス
HB西村
ハブのイメージが伝わるステートメントですね。どのように決めたのでしょうか。
堤
社内メンバーのワークショップを経て決まりました。また、今まで日本語話者ではないグローバルメンバーにこうしたコンセプトなどを共有する際には、日本語のコンセプトをシンプルに翻訳して伝えていたのですが、今回は意図や想いを丁寧に伝えたいと考えて、英語も日本語も理解できるメンバーに伝えたいニュアンスを相談し、英語版のステートメントもつくりました。
出社の意義を最大限活かせる環境
ー移転したオフィスのポイントを教えてください。
(提供写真)
堤
16階にオフィスを構えており、東西南北のさまざまな方角から福岡の街を一望できます。
従業員アンケートをもとに設けられたチームエリア『YAMAKASA』では、より気軽にチーム単位で集まり議論できる環境を整えました。色々な用途で使っていただければと考えています。
(提供写真)チームエリア『YAMAKASA』
堤
また、執務エリアの一番奥には「フォーカスエリア」を新設しました。チームメンバーが一体となり、時間を忘れて作業に没頭できる集中空間です。この『こもり感』が、短期間で集中的な成果を生み出すための強力な後押しとなると考えています。
フォーカスエリア
堤
福岡にまつわるネーミングを随所に入れているのもポイントです。『DONTAKU』『MENTAI』『UDON』などの名前がついたイベントエリアや会議室があります。メンバーにアンケートをとって決めたのですが、食べ物の名前が多くなりました。グローバルメンバーにも好評です。
HB西村
移転前のオフィスにも福岡らしい会議室がありましたよね。ラーメンの硬さの名前がついていて、『バリカタ』とか(笑)。
堤
そうそう、グローバルメンバーには『バリカタ』や『細麺』って言ってもわからないかもしれないですからね。アイコンで絵にしても、ほとんど同じだったので、今回は思い切って別の名前にしました(笑)。
(提供写真)
堤
こちらが先ほどお話にも出てきたイベントエリアです。約100名収容可能のキャパシティを持ち、社内外のイベントや勉強会が開催可能です。日々の交流の中心になることを期待しています。「“お祭り”のように人が集まり刺激を生む場にしたい」という思いから『DONTAKU』と名づけました。
(提供写真)イベントエリア『DONTAKU』
ー愛着が持てそうですね。御社は働き方やオフィスの役割についてどのように考えていますか。
堤
先ほども申し上げた通り、一つの拠点で完結するのではなく、他拠点との共同開発も普通になっている中で、全員が同じ場所にいることが前提ではない、極論全員リモートでも仕事は成り立つのではと考える方も多いかもしれませんが、チームとしては各拠点に集まれることは必要だし、意義があることだと考えています。
出社してリアルに話せる、対面でスピード感を持って解決する方がいい時もやはりあります。画面越しだとなかなか伝わらないニュアンスをすぐに話せる。福岡はコンパクトシティですから、多くのメンバーがオフィス近くに住んでいるため、通勤負担が少なく出社効率が悪くないのも福岡ならではかもしれません。
多様性を受容するカルチャーを大切にする会社へ
ーこれからオフィスで実現していきたいこと、今後の展望について教えてください。
堤
これまでグローバル化を推進してきましたが、人によって多様な意見や価値観があると感じる機会がたくさんありました。
また、子育てや介護をしながら働いている方もいれば、体調の関係で柔軟な働き方を求める方もいます。会社として大事にしなければならないルールは大前提としてありつつ、多様さを受容するカルチャーでありたいと思います。
どんな人にとっても働きやすいオフィスづくりは、これからも模索していきたいです。
HB石塚
私たちも、より働きやすいオフィスの追求をサポートできるよう、常にアンテナを張り、最適な形で貢献していきたいと考えております。
堤
ありがとうございます。
あとは、地場産業に深く根ざした関わりを増やしたいと考えています。この土地の強みや価値を活かし、「福岡発」だからこそ挑戦できる新たな可能性を探っていきたいです。
特に今はAIの活用が一般的になりつつありますが、AIを活用したバックオフィスの業務効率化はまだまだ開発余地があると思うので、先進的な機能を福岡拠点が中心となって開発し、福岡の企業に貢献することができれば嬉しいです。
ー最後に、HATARABAと営業担当へのご感想をお願いします。
堤
私たちと同じ目線でいてくれたことがとても励みになりました。オフィスの選択など、決断に勇気がいるところで支えてアドバイスをくださったので、自信を持って移転を進められました。
嘘偽りなく正直に意見を言っていただけるし、その中でも寄り添ってくれるということもあり、コミュニケーションもスムーズでした。
ビルのオーナーさんとの難しい交渉の場面でも並走してくださったことで無事にオフィス移転を迎えられました。何か一つでも欠けていたら実現できなかったと思います。
HB西村・石塚
ありがとうございました!
会社概要
- 会社名
- 株式会社マネーフォワード 九州・沖縄支社および福岡開発拠点
- 移転先
- 福岡県福岡市中央区大名2-6-50 福岡大名ガーデンシティ 16F
- 拠点設立
- 2017年12月
- 移転後坪数
- 約250坪
- 企業URL
- https://corp.moneyforward.com/
- 取材日
- 2025年11月
取材・文:雨谷 里奈