創業70年を迎える老舗の医療機器総合商社「栗原医療器械店」。群馬に本社を構え、国内外1500社を超える医療・介護関連のメーカーとの関係性を生かし、関東・信越地区で医療機関・クリニック向けの[医療機器・材料の卸販売]と介護が必要な方向けの[介護福祉用具のレンタル・販売]を主な事業としています。
医療と介護の質の向上を図り、良質で適切な医療を効率的に提供する体制の確保を後押しするため、東京本社を移転しました。
交流の機能を存分に体現した栗原医療器械店の東京本社構築について、浅賀様、藤田様、渡邊様にお話をお聞きしました。(以下敬称略)
背景・課題
- ・栗原医療器械店が考える東京本社に求める機能とは
- ・東京本社を構えるべきエリアの検討
ポイント
- ・パートナーシップを構築する「交流」の機能
- ・ベンチャーと協業を見据え「日本橋バレー」を選択
栗原医療器械店の事業内容と東京本社移転の背景
まずは栗原医療器械店の事業内容についてお聞かせください。
浅賀
栗原医療器械店は群馬に本社があり、今年70周年を迎える医療機器の総合商社です。取り扱う医療機器はマスク・ガウン等の消耗品からロボット手術の器械、介護福祉用具まで、幅広くございます。
同居するグループ会社のアルバースは心臓、脳血管など循環器領域のプロフェッショナル集団として専門商社として活動しています。
そういった医療機器を国内数多くの医療機関へ販売しています。医療機関が主なお客様となります。特にアルバースの取り扱っている循環器系、つまり心臓や脳血管のカテーテルなどは救急医療にも多く必要とされており、いかなる有事の時も医療を止めないためにあらゆる企業努力をしています。
東京本社を移転することになった背景、目的をお聞かせいただけますか。
浅賀
栗原医療器械店・アルバースともに国内に複数、お客様である医療機関の集まるエリアに営業拠点があります。
ここ、東京本社は物流やお客様対応メインの営業拠点ではありません。栗原医療器械店とアルバースの管理部門の機能と、そして仕入先の医療機器メーカー様やヘルスケアベンチャー企業様とのパートナーシップをより強化することを目的として設立しました。
仕入れ先とのパートナーシップを強化するとは具体的にどういったことを表しているのでしょうか。
浅賀
我々の取り扱う医療材料や福祉用具は、地域社会の医療や介護に必要不可欠なものです。新型コロナウイルスや戦争のように世界各国で起こってしまう制御不能な事態が発生したとしても「医療を止めない」為に、流通の流れを滞らせないような強固なパートナーシップが必要だと考えています。
もちろんサプライチェーンを円滑にすることなどは非常に重要なファクターです。しかしそれだけではなく、人の熱意や強い思いに共感してくださり、地域医療の発展のために共に手を取り合えるような、そんな強い信頼関係、パートナーシップを重要視しています。
当社は卸業を主な生業としているため同業他社も同じ製品を扱っています。差別化するにはやはりそこに介在する「人」が重要だと考えています。人に価値がある、人にしかできないことがあると、そう考えています。
弊社
我々と似ていますね。我々の扱うオフィスという商材も同業他社が扱えます。その中で我々だからこそ選んでもらえるというのは「人」かなと。泥臭いかもしれませんが、結局は人と人の繋がりに価値がありますよね。
東京本社として日本橋を選んだ理由とは
以前は飯田橋に東京支社があったと聞きました。東京の中でも特に日本橋を選んだのは何か理由がありますか。
浅賀
実はここを選ぶにあたり、非常に頭を悩ませました。先ほどお話した通り、東京本社は管理部門がメインで、基本的には常時オフィスを利用する従業員はそれほど多くはありません。
東京本社を社内でコスト面も含めどのような位置づけとして捉えるのか、そして社外に対してどのようにアピールしているべきなのか、求める役割やブランディングなど。非常に悩ましい問題で、多方面から検討を重ねました。最後に背中を押してくれたのは長倉さんと島袋さんでしたね。
弊社
日本橋は江戸時代から医薬品会社が集まるエリアとして知られていますが、近年、大手のディベロッパーがヘルスケア関連のベンチャー企業が多く集まる街づくりをし、日本橋バレーとも呼ばれています。
革新的な医療関連の企業様にはもってこいのエリアです。そして今回ご紹介したこのビルは新築でビルグレードも高く、立地も非常に良好です。栗原医療器械店様が東京に本社を構えるには最適のオフィスだと思い提案させてもらいました。
浅賀
そうですね。我々は創業70年の老舗の企業ではありますが、グローバルで技術革新のスピードも速い今、ベンチャーとの協業を視野に入れ、ここに決めました。
実はこの物件を紹介してもらう前に決まりかけていたところもあったのですが、新たな縁やビジネスチャンスを生むであろう東京本社を未来への投資と考え、このビルに決めたのです。
結果的に選んだ日本橋という立地、日本橋三丁目スクエアのオフィスビルの評価はいかがですか。
浅賀
我々社内の人間はもちろん、仕入先であるパートナーの方々、そして新たな協業先となる様な数々のスタートアップの方からも非常に評判が良いです。フラットで対等な関係性を作れるような、気軽に寄れる場所だと言ってもらえます。
以前の東京本社は営業拠点と併設していたということもあり会議室が少なかったので、今回のような交流の場は多くはありませんでした。そこが大きな課題でもあったので、新たな事業開発やアライアンスが進み始めているように感じています。
交流の場としての東京本社。ヘルスケアならではのこだわり
オフィスの内装や家具にも様々なこだわりが詰まっていそうですね。
藤田
そうですね。社外の方とのパートナーシップを構築するための交流の場として、円滑なコミュニケーションが生まれるような仕組みを取り入れています。
例えば、MTGルームごとに椅子の色や雰囲気を変えています。新しい事業を模索するための活発なアイディアを生み出したいのか、具体的な課題について冷静に建設的に議論したいのか、部屋の広さだけでなく、目的に応じて選べるといいなと思いました。
入口のラウンジはアポがなくても、気軽にふらっと寄っていけるようにと柔らかい印象にしています。
ヘルスケアを扱う当社ならではのこだわりは、座りにくい椅子です。ぜひ座ってみてください。
弊社
ちょっと不安定でバランスが取りにくいですね
渡邊
そうなんです。正しいまっすぐな姿勢で体幹を意識しないとぐらついてしまうんです。もちろん普通のオフィスチェアもありますよ。
あとは停電時に持ち運べるような電源。未だ利用したことはありませんが、有事に備えるのは我々の扱う製品特性でしょうか。
面白いですね!老舗の企業で、医療機器というとちょっとお堅いイメージでしたが、様々なことに挑戦している様子が内装からも伝わってきます。
藤田
内装を作っていくのも大変でした。レイアウト、机、ソファーなど一つ一つに様々な考えや思いがあって、「やっぱりこっちの方が〜」と変更が多かったですね。まとめていくのは大変でしたが、色々な意見に耳を傾けながら私達も共に考えて最終形になったからこそ、非常に愛着の持てるオフィスになったと思っています。
オフィスの移転、内装の構築は難易度の高いプロジェクトだと思います。従業員の方や、外部の方など、新しいオフィスの反響はいかがですか。
渡邊
とても好評です。立地もビルも、オフィスの内装も、使い勝手もよく、満足してくれていると思います。
弊社サービスへの評価と今後への期待
対応はいかがでしたでしょうか
浅賀
とても満足しています。まずは対応がスピーディーなところ。移転のプロジェクトは大掛かりですから、社内の調整も多く、レスポンスが早いというのは非常に助かります。
後は意外ときめ細やかな対応だったなと振り返って思います。提出いただく資料はもちろん、内見時にそっと水を渡してくれたり。
弊社
見た目と違って案外気が利くんですよ(笑)
浅賀
なんだかんだ質問したり時間がかかったのでちょうどいいタイミングで水を出してくれてびっくりしましたよ。(笑)
浅賀
単に空いている物件を探してくるのではなく、本質的にやりたいこと、やるべきことをプロとして指摘、具体的に提案してくれたのはさすがだなと思いました。
今回我々が東京本社を構えるためのプロジェクトを主導していましたが、ファシリティに関しては素人です。
大企業になるとファシリティ専任の方がいらっしゃるかもしれませんが、多くの企業にとってはまだいないのではないでしょうか。
ファシリティのプロとして戦略的に、経営判断をサポートするような形にまで入り込んできてほしいと思っています。これからも宜しくお願いします。
弊社
ありがたいお言葉です。引き続き全力でサポートさせてください!
■インタビューを終えて
日本橋に東京本社を移転することは非常に大きな経営判断でした。求める機能やブランディング、従業員の働き方、様々な要件をどう具現化していけばよいのか、悩みながら模索しながら、専門家のアドバイスも取り入れながら作り上げた新たな縁を紡ぐ可能性を秘めたオフィスでした。
栗原医療器械店は「人が強み」である、「人に価値がある」とのお考えだとお話しされました。仕入先やお客様だけではなく、関わる多くの取引先とも良好な関係性を築いていることがわかるインタビューでした。
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会社概要
- 会社名
- 株式会社 栗原医療器械店
- 東京本社 移転先
- 東京都中央区日本橋三丁目9番1号 日本橋三丁目スクエア 4階
- 移転後坪数
- 約150坪
- 従業員人数
- 1,438名 ※インタビュー時
- 企業URL
- https://www.kuribara.co.jp/
- 取材
- 2022年8月
取材・文:編集部 撮影:原 哲也