2015年の創業以来、ネット広告業界において進化し続ける株式会社Discovery。同社は飛躍的な成長に伴う人員増加から移転を検討。前回の大阪本社移転、東京支社新設に続き、今回の大阪本社再移転もサポートしました。
一時は難しいと思われた同じビル内での移転が成功に至った経緯やオフィスへの思いを、代表取締役・篠木様に伺いました。(以下敬称略)
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背景・課題
- ・従業員の増員による席数の不足
- ・従業員、クライアントの利便性を重視した立地
- ・今後の企業成長を想定し、250坪以上の区画を目指す
- ・クライアントの信頼を得られるビルグレードを実現したい
ポイント
- ・ストレスフリーで、モチベーションの上がる勤務環境を実現
- ・情報共有の体制を整えることで、立地・広さなどの希望に最適な物件への移転が叶った
- ・経営戦略の一つとしてのオフィス移転ができた
情報共有を綿密に行い、ベストな物件の最新情報をいち早くキャッチ
――今回のご移転に至った理由、背景をお聞かせください。
篠木
単純に人が入り切らなくなったためです。前オフィスでは86坪・約45人のキャパシティに対して、大阪だけで70人ほどの規模に。コロナ禍による出社規制で業務はできていましたが、全員の席が確保できない状態でした。
――移転に際して、広さ以外に条件はありましたか?
篠木
1つはアクセスです。最寄り駅や、よく往訪させていただくお客様の場所に近いこと。もう1つはビルグレード。セキュリティや管理体制などのオフィスの設備がビルのグレードに出てくるんですよね。
――移転までの流れをお聞かせください。
篠木
以前から鬼束さんとは、物件情報も含め、いろいろと情報交換・共有させていただいていたので、タイミングが合って移転に至りました。
弊社:鬼束
最初の大阪本社移転以降、すごいスピードで成長されていたので、必ずまたどこかで移転のタイミングがあるだろうと、定期的に情報提供させていただいていましたね。
弊社:佐藤
僕は東京オフィス新設に関わらせていただいたため、今回はサポート的な役割として入らせていただきました。
【物件探し】希望条件から物件探しを依頼する
――移転先として重視していた点を教えてください。
篠木
前オフィスの3倍の広さがあることです。2倍だとすぐに埋まってしまうので、「引っ越す時は3倍くらいの広さ」と決めているんです。
前回が86坪なので、3倍の250坪以上という条件で探していました。だけど、そういう大きい区画のビルはあまり空かないんです。200坪以上となると物件が少なくて、選ぶのもかなり難しく、諸条件を考えて、同じビルの4階から1階に移りたいと思っていました。
当初は「1階の一部だけ借りたい」という方が先にいらっしゃって話を進められなかったのですが、結局その話がなくなってワンフロアが一気に空き、1階に入れることに。非常に良いタイミングでした。
弊社:鬼束
他物件の検討もしましたが、僕達も1階がベストだと感じていました。そこでオーナーさんとしっかり連携して、いち早く情報をいただけるよう準備していたので、1階が空いた際すぐに情報共有ができました。
篠木
260坪の1階が空いてくれたというのは非常に助かりました。しかも、ビルグレードが高いのにすごくコストパフォーマンスが良い。管理人さんもよく見知っていて安心です。
また、社内的には福利厚生の住宅補助という観点においても都合が良い。移転を機に住宅補助の規定を変更することはできますが、それで不利益を被る従業員がいますし、手間もかかります。そういった点からも「上から下へ」の館内移転ができて、とても助かりましたね。
――従業員の反応はいかがですか? 移転して良かったことを教えてください。
篠木
2点あります。
まず1つは、フロアが広くなって、仕事がしやすくなったこと。人口密度が高い環境で仕事をすると、ストレスが上がります。例えば、何かしらのトラブルが起きて、誰かがその対応に追われている時、やっぱりその空気はすぐ伝播しちゃいますよね。オフィスには、伝播した方がいい空気と、伝播しない方がいい空気があります。
緊張感は必要だけど、せっかくリラックスして集中力を高めて仕事している人には、そういうストレスを伝えるべきじゃない。なので、ある一定の人口密度にした方がいいと考えています。
2つ目は開放感。1階は天井が高いので非常に開放的です。「前よりさらにオフィスがきれいになった」という声も聞こえるようになり、移転して良かったなと思います。
――お客様の反応はいかがですか?
篠木
おかげさまで良い反応をいただいています。オフィスと撮影ルームが外から見える点が、特に反響が大きいですね。ビル前の大きな看板も「見ましたよ」とよく声をかけていただきます。嬉しいですね。
我々がマーケティングの会社として、他社さんとの差別化を図っているのがデザインです。お客様に感じていただきたい空気感、つまり我々がデザインや制作を大事にしているということを、オフィスを通して表現できたらと思っています。
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従業員やお客様への思いを目に見える形で示す
――オフィスが持つ役割についてはどのようにお考えですか?
篠木
オフィスは、従業員に「この会社に勤めていて良かった」「この会社が好きだ」そんな風に思ってもらう役割を担っていると思います。僕もこうした方向性を目指しているので、やはり従業員が出社したくなるような環境に設計したいですね。
――お客様との関係性においてはいかがですか?
篠木
大きい所帯を構えることが、お客様の安心感につながると思っています。
創業当時はオフィスが小さかったこともあり、「会社として機能しているのか」「サービスの品質は高いのか」といった目線で見られることが非常に多かったですね。
今はオフィス環境を通じて、「会社として成立しています」「成長しています」「サービスの質を担保できます」と伝えられているんじゃないかと思っています。
篠木
会社の特長を視覚的に伝えられることも大きいです。
例えば今回の移転では撮影スタジオを新設しましたが、会社の一面をそのように表現することによって、「どんな強みがある会社なのか」「どういうところに積極的に投資する会社なのか」を見ていただけて、信頼感につながると考えています。
あとは、しっかりとした審査基準のあるビルに入居しているということ。今回、館内移転した野村不動産大阪ビルもそうしたビルの一つです。このビルの名前が名刺やコーポレートサイトに書かれていることで、財務状況の良い、まっとうな会社なんだという安心感につながると思います。
弊社:鬼束
僕らとしても物件をご提案する上で、ビルのグレード感はすごく大事にしています。入居審査については経営者の皆さんはよくご存知ですから、そういった意味での安心感は強いですね。
――篠木社長にとってのオフィス移転はどういう位置づけですか?
篠木
「どこにオフィスを構えるか」という点において、移転は経営戦略の一つ。先ほどもお話したように、ビルグレードがお客様の信頼感に関わります。
あとは、移転自体が僕の個人的な目標なんです。所帯が大きくなるというのは、会社の成長を目に見えて実感できます。業績を伸ばすのが大前提で、その目標数字の達成が最も大事ですが、経営者個人としての目に見える楽しみは移転なのかなと思います。
「チームで仕事をする」という行動指針を実現しやすい環境に
――オフィスづくりで意識されているポイントをお聞かせください。
篠木
そうですね。執務ルームが細かく分かれていると「閉じ込められている感」のようなものを感じてしまうので、働いている環境がお互いに見えた方が開放的で良いと思っています。
もちろん、情報の規制や保管には気をつけていますが、従業員には「見られている」という意識も持ってもらいたいし、逆に「どんな人が来ているか」も見えた方がいいというのもあり、そういう設計にしています。
――新オフィスのコンセプト、レイアウトのこだわりなどをお聞かせください。
篠木
チームで仕事をしやすい環境にこだわりました。
我々は広告運用、広告営業、制作・デザイン、この3つの部署が力を合わせないとサービス提供ができないというのが前提になっており、チームで仕事をするのが我々の行動指針の一つです。
打ち合わせの回数や参加人数が非常に多いので、ミーティングルームは多く設け、全部で15室。打ち合わせがしやすい環境にしています。レイアウトも「チームで仕事をしやすいか」をベースにしています。
篠木
また、「人が増えた時に対応できるレイアウトか」も意識しました。オフィス中央にフリースペースを設け、増員に対応できる設計にしています。
篠木
あとはやはりデザインですね。我々が創り出すものを感じ取れるようなオフィスデザインを目指しました。
弊社:佐藤
オフィス全体としてすごくおしゃれな印象です。
成長を見える化し、規模に適したオフィス環境を構築する
――創業されて8年。様々な成長を遂げられてきましたが、成長に伴って現れた、組織づくりや働き方、働く環境といった面での課題の変化についてお聞かせください。
篠木
人が増えるともちろん良い部分もありますが、意思決定や仕事のスピードが落ちるという悪い部分もあります。いろんな人たちと連携を取る必要があり、時間がかかるためです。あとは、従業員一人ひとりとのコミュニケーションが難しくなる点も課題です。
――それらの課題はどのように解決されてきましたか?
篠木
リーダーやマネージャーを育てるしかないです。自分以外の意思決定者、組織を引っ張っていく人を育て、その人たちに頼って任せる部分をつくる。そこが大きな課題であり、今成功してきている要因でもあると思います。そのため、オフィスレイアウトはチームごとに分け、連携しやすいような形をとっています。
コミュニケーションについても従業員全員と取ることは不可能なので、やはり任せるしかない。自分が伝えたいことをリーダーやマネージャーに託すしかありません。
――同じく成長フェーズにいらっしゃる経営者やオフィス構築担当者に向けて、メッセージがあればお聞かせください。
篠木
やはり重要なのは計画性でしょうか。オフィスへの出費がムダとは思いません。
企業成長と共に、オフィスも成長していくのがいいんじゃないかと思っています。会社に対して適正な賃料の比率、内装工事のかけ方が大事なのかなと。あとは、目標達成の度合いを見える化すること。業績や従業員数など、この規模になったら会社を移転させるとか、そういったものが節目節目で必要になります。
弊社:鬼束
篠木社長とのやりとりでびっくりするのが、はっきりと「来年の何月以降でやります」と言われることなんです。早い段階で「何月以降」と明言されますよね。
篠木
人数や売上の規模に応じて、必要なオフィス環境は絶対出てきます。気分やその時の状況で判断せず、「こんな条件・状態になったら判断して移転します」という、数的な目標を達成しているから移転するだけという感覚です。
弊社:鬼束
篠木社長からは、現状の売上規模や人数、来年の予想を共有いただいていて、「これが達成できたら迷わず移転します。達成できなかったら延ばします」という形でご相談いただいていましたね。
タイミングで物件も変わってくるので、「そのタイミングならこの物件」「次のタイミングならここか、また別の物件」などと、あらかじめ物件情報をご報告するような形でコミュニケーションを取らせていただいていました。
共に進んでいける良きパートナー
――弊社サービスの評価をお聞かせください。
篠木
すごくやりやすいです。必要なタイミングで、一番良いコミュニケーションが取れます。
鬼束さん達と出会う前は、条件に該当する物件が見つからなかったり、移転する際に条件が変わったりといろいろ問題がありましたが、お二人は条件面なども調整していただけるので非常に信頼しています。
弊社:鬼束
篠木社長はすごくお忙しい方なので、過不足のないよう、必要な情報はしっかりお伝えし、余分な情報はお伝えしない。そういうコミュニケーションを意識していました。
篠木
我々の意図も汲み取った上で、先読みした提案をいただけるのも非常に助かっています。移転において大事にしている価値基準も理解いただいているので話が早かったです。
弊社:鬼束
前回の移転時に、今後のビジョンを共有いただいていたので、僕たちとしてもやりやすかったと思います。
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篠木
鬼束さんの誠実さを評価しています。すごくありがたいです。このビル自体は他の不動産会社も扱えるわけなんですが、大事なのは「誰の情報が一番信用できるか」「誰とコミュニケーションを取れば、良いオフィス移転ができるか」なんです。
移転は経営戦略の大事な部分を担うと僕は考えています。その大事な部分を一緒にやっていく人が、条件や言っていることがすぐに変わる、時間を守らない、こちらの意図が伝わらないとなると、もう話になりません。ですが、鬼束さんはそういったところがなく、誠実な方なので、すごく信頼して情報も聞けます。
経営フェーズに合わせて一緒に考えてくれるところがありがたいです。
弊社:鬼束
すごく嬉しいです。仕事をする上で基本的な部分ですが、お客様に嘘をつくのはもちろんいけないですし、ありのままの状況をご報告するというのを常日頃、意識しています。
ちなみに、篠木社長には毎回驚かされることが多いんです。僕達の予想を上回ることが多くて。移転頻度や大きさなど、業界内の一般的な考え方にとらわれない決断をされて、「そんな大きさにするんですか!?」などと非常にびっくりするのですが、移転後のオフィスではその決定がぴったりとハマるんですよね。そのため、篠木社長とのやりとりでは一般的な会社のイメージを取り払い、広い視野を持つようにしています。
篠木
誠実で信頼できる良いパートナーだと思っています。僕個人のパーソナリティーや、何を大事にしているかという部分をすごく理解してくれているので、今後も御社としかお付き合いはしないかなと思います。
弊社:鬼束
篠木社長が見据えられるゴールを僕達も一緒に目指し、ポイントポイントでお手伝いをさせていただきたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
会社概要
- 会社名
- 株式会社Discovery
- 移転先
- 大阪府大阪市中央区安土町1-8-15 野村不動産大阪ビル1F
- 移転後坪数
- 約260坪
- 従業員数
- 106人(取材時)
- 企業URL
- https://discovery-inc.com/
- 取材
- 2023年5月
取材・文:西村 まき 撮影:保久村 旭吾