キャストグローバルグループは、司法書士、土地家屋調査士、弁護士、行政書士といった士業が連携を組み、顧客の法的な問題に対してワンストップで応える士業グループです。その中で、相続コンサルティングや事務代行を主軸として行うのが株式会社キャストグローバルです。
士業ならではのオフィスの役割を満たしつつ、点在していた拠点のコミュニケーション課題を解決するため集約移転を行いました。
当社では、この移転で物件紹介、契約をサポートいたしました。
難航した物件選びや重視したポイント、今後のオフィス戦略について、株式会社キャストグローバル代表取締役 佐藤彰紀様にお聞きしました。(以下敬称略)
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点在していた事務所を1ヵ所に集めるため、移転を検討
佐藤様が今回の移転で担われた役割についてお聞かせください。
佐藤
今回の移転に際し、神田エリアに所在していた司法書士法人キャストグローバル、土地家屋調査士法人キャストグローバル、社会保険労務士法人キャストグローバル、行政書士法人キャストグローバルおよび株式会社キャストグローバルの東京本部と神田事務所を統合させるため、移転先の物件選びから内装の検討手配、ビル管理会社との折衝など、移転業務全般を担当しました。
移転の背景について教えてください。
佐藤
キャストグローバルグループは3つの士業グループの機能を統合させたという経緯があり、各グループが抱えていた拠点が多数あります。今回の移転は、この3つのうち1つのグループの事務所の再編です。結果、小川町に4法人、神田に3法人あった事務所が、今回の移転で1ヵ所にまとまりました。
物理的な距離があると事務所間での連携が取りづらいという課題感が再編に至った大きな理由です。分散していた事務所機能を集約する事で業務効率を高め、従業員間コミュニケーションの改善を図ることを目的としました。
あとは設備を共有することによるコストカットも目的の一つですね。
社員の増加という背景もありましたね。ありがたいことに、ここ数年の間ずっと社員が増加傾向にありまして、来年新卒者が入ってきたらもう座る席がない状況でした。そういった状況で、移転するかどうかを考え始めたのは2021年1月頃です。
佐藤
そうはいっても、当初は増員に対応するため、前オフィスのビルで増床できればいいなと思っていたんです。移転より増床のほうがコスト的にも安いのではないかという考えがありまして。ただ、そう希望通りに空きが出るわけもなく、これは移転先を探すしかないだろうなということになりました。
そんな中で、「みんなで同じオフィスで仕事をしたい」という経営サイドの要請があり、新卒者が増えても受け入れられる場所を探して移転しようという方針になりました。
オフィス出社が御社の基本のワークスタイルなのでしょうか。
佐藤
そうですね。士業業務には今もなお紙文化が根強く残っており、手続きにお客様がオフィスに来られることも多いです。そのため、駅からのアクセスのしやすさはマストでした。お客様が来やすい場所ということは社員にとっても通勤の利便性が高いということになりますので、エンゲージメント向上の面においてもプラスだと思っています。
そのため、移転先の条件として立地は譲れませんでした。アクセスのしやすさはもちろん、住所が与える印象も重視していましたね。あとはワンフロアで全員を収容できる面積。当然のことながら、賃料も予算内に収める必要がありました。
物件選びに難航。打破したのは飛び込み営業によるチラシだった
弊社との出会いについて教えてください。
佐藤
竹内さんの飛び込み営業ですね。それまでに別の仲介業者さん経由で何件か物件を見てはいたのですが、なかなか希望通りの物件に出会えず、少し疲弊していたんです。
飛び込みで営業に来てチラシを置いていかれたと聞き、正直あまり期待せずにチラシを見たことを覚えています。すると、そこに掲載されていたのがこれまでの仲介業者さんから紹介されたことのなかった物件でして、「これは」と思って連絡を取らせてもらったという経緯です。「大手町エリアでこんなに安価な物件があるの?」と。
弊社:竹内
取り壊しが決まっているため、相場より安価になっているという事情がありました。あまりオープンになっていない物件情報で、ぜひ知っていただきたいとエリア内の企業に飛び込み営業をしていたんです。
佐藤
解体による退去が決まっている場合、ここまで安くなるのかと気づかされました。オフィスを借りる=何年もいるための場所を探すものだという思考が頭にありましたから、そういった考え方もあるのかと。
数年後に退去しなけれ
ばならないことは、懸念点にはならなかったのでしょうか。
佐藤
むしろ、それが今回の物件の決め手です。というのも、社員の増加ペースが我々にも見当が付かないんですよ。新卒社員の採用は人数の計画があるため、先々の増加ペースが読めますが、士業法人の採用メインである資格者は読めないんですよね。試験に何人合格し、そのうちの何人が来てくれるかがまったくわからないものですから。1人雇えて良かったという年もあれば、6、7人採用できる年もあります。資格者は貴重ですから、できる限り採用するスタンスでいるのですが、そうなると席不足の問題が必ず発生するというわけです。
こうした事情を考えると、2025年にはどちらにせよ増床先や移転先を考えなければならない状態にあるだろうと。デッドラインが決まっているために安く借りられるのは、当社にとっては都合の良い条件だったんです。
移転に当たり、大変だったことはありますか?
佐藤
ここまで大きな移転は初めてでして、1番大変だったのは社内調整でした。士業法人の代表社員という、いわゆる代表取締役のような人が都内だけでも7~8人いるんですね。一般的な会社では押さえておくべき人が数人で済むところ、この全員にコンセンサスを得ながら進める必要があるんです。
あと大変だったのは契約ですね。御社さんにご紹介いただいたことで希望通りの物件には出会えたのですが、そこから契約に至るまでに時間がかかりまして。竹内さん、川島さんが都度丁寧に交渉してくれたので無事に契約できました。心強かったですね。
弊社:川島
ありがとうございます。佐藤様とのやり取りは非常にスムーズに進められるので、こちらも助けられました。無事、契約に至れてほっとしています。
家具を揃え、統一感のあるオフィスに
オフィスの中身について、こだわったポイントはありますか?
佐藤
Web会議スペースを設けました。1番重視したのはフロアの見通しの良さですね。せっかくワンフロアのオフィスを構えるわけですから、みんなが仕事をしている様子が一目見てわかるよう、中央部分には背の高いものを置かないなど、家具の配置に気を配っています。
弊社:川島
今回、家具は一新されたんですよね。
佐藤
はい。これまで使っていた家具は必要時に買い足していまして、見た目の統一感がまったくなかったんです。ちょうど什器の交換時期だったこともあり、「一緒になってがんばる」という意識を高めるため、統一感のある家具を買いそろえることにしました。
基本的に固定席なのですが、今後フリーアドレスを展開していく前提で設計しています。とはいえ、まだまだ袖机がある固定席スタイルを好む社員が多い状態ではあるのですが。フリーアドレスにしていきたい理由は、座席問題です。土日に出勤して平日に休日がある社員がいるため、フリーアドレスであれば効率的に座れる場所を確保できるなと。
その他、今回の移転で大変だったことはありますか?
佐藤
書類の整理と移動ですね。移転を機にきちんと書類を入れられる場所を確保したいと思ったんですが、そのスペースの計算が大変でした。
次の移転時も他社にはない物件情報を期待したい
佐藤
いずれ取り壊される古いビルですので、どうしても設備面や水回りに古さを感じるところはあります。ただ、家具を統一したことで見た目は格段に良くなりましたね。あとは社内の雰囲気が変わりました。別々の事務所にいると、やはり事務所ごとに空気感が異なってくるもので、その空気が新オフィスで綺麗に混じり合ったと感じています。グループの統一感を持たせたいという当初の狙いは果たせたなといったところです。
次の移転への展望、弊社に期待したいことについてお聞かせください。
佐藤
他の仲介業者さんからは出てこない情報もいただけるというのが御社の第一印象です。数年後にやってくる次の移転の際にも、ぜひ他に出回っていない独自の物件情報をいただければと期待しています。
会社概要
- 会社名
- 株式会社キャストグローバル
- 移転先
- 東京都千代田区大手町二丁目7番1号 TOKIWAブリッジ
- 移転後坪数
- 約250坪
- 企業URL
- https://castglobalgroup.com/
- 取材
- 2022年11月
取材・文:卯岡 若菜 撮影:原 哲也