株式会社オギツ

100坪~300坪
50〜100人
メーカー
流通・小売
設立20年以上

分散によるコミュニケーションコストが発生していたオフィスを1フロアに集約。 従業員がブランドを体感できる3つの会議室を備えた移転を実現

カジュアルからエレガンス、ベーシックまで、多様な婦人靴の製造販売を手掛ける株式会社オギツ。百貨店や専門店に卸すほか、ECモール等への出店も行っています。オフィス内にはショールームを設け、取引先向けの内覧会を行うこともあるのだそう。

そんな同社の前オフィスは、3フロアに分かれていたためにコミュニケ―ションを取るのに移動が発生していたことが課題でした。契約更新のタイミングもあり、1フロアに集約できるオフィスへの移転を決断。

今回のオフィス移転で物件を紹介しました。移転を主に担当した営業本部 営業企画部 企画部長の坂川様、同部デジタルマーケティング担当の大下様にお聞きしました。(以下敬称略)

背景・課題

  • ・3フロアに分散していたため、コミュニケーションが取りづらい
  • ・商品の写真を撮る場所がオフィスになく、情報発信に時間がかかる
  • ・直接商品に触れる機会の少ない従業員に、ブランドを体感してほしい

ポイント

  • ・1フロアのオフィスに移転
  • ・オフィス内に撮影スペースを設置
  • ・会議室にブランド名を名づけ、ブランドを表す内装に

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オフィス移転の主目的は、3フロアに分かれていたオフィスを1フロアに集約すること

皆様の普段の業務内容、今回の移転で担われた役割についてお聞かせください。

株式会社オギツ 営業本部 営業企画部 企画部長 坂川様

坂川

婦人靴の製造販売が弊社の主な事業です。主要な取引先は百貨店ですが、ECモールへも出店しています。私が所属している営業企画部はオフィス移転には直接関わりがないのですが、同じく施工が絡む店舗の出店・改装を担当していることから、オフィス移転のメイン担当を担っています。過去の移転も担当していまして、今回で3回目になりますね。

株式会社オギツ デジタルマーケティング担当 大下様

大下

私は営業企画部のデジタルマーケティングを担当していまして、SNSでの発信や自社サイトでのニュース発信などを担当しています。営業企画部に異動してきたのが2023年2月なので、今回の移転への直接的な関わりはありません。

坂川

大下さんには移転後の感想をぜひ聞かせてもらいたいなと思い、同席してもらいました。

今回の移転の背景や目的についてお聞かせください。

坂川

前のオフィスはショールーム、デザイン製造部門、執務スペースと3フロアに分かれていたため、これを1フロアに集約するのが移転の目的でした。まずデザインを起こして実際のモノを作るところまでに携わり、そこから工場に依頼をしながら受け止めるところまでが製造部門の仕事です。社内には販売部隊やその責任者もいますから、3フロアに分かれていると日々のコミュニケーションを取るために階段の昇り降りが発生し、なかなかヘビーだったんです。

加えて、製造業ならではのモノの多さも課題で、オフィスというよりは倉庫に近い状態になってしまい、理想のオフィス環境からは随分と離れてしまっていました。

自社ブランド商品を販売している会社ですから、ブランドのカラーをすべての従業員に体感してもらえる場がオフィスであってほしいと思い、移転を機にそうしたオフィス作りを目指すこととなりました。

前の物件の契約更新の時期が迫っていたことも、オフィス移転に踏み切った理由の1つです。

貴社ならではのオフィスの活用法はありますか?また、出社率についてはいかがでしょうか。

坂川

ショールームがあることですね。弊社はメーカーでもあるため、オフィス内に商品を並べ、お客様に来ていただける場が必須なんです。半期に1度はオフィス内ショールームでの内覧会も開催しています。

出社率は現在6割強ですね。感染予防のため、一時は3割強ほどでしたが、状況を見ながら上がってきた形です。部署の定例会が週頭に集中しがちなので、週明けの出社率が高く、後半は在宅勤務をする従業員が多くなっています。

移転するに当たり、どのような条件の物件をお探しでしたか?

坂川

まずはエリアですね。靴を扱うメーカーが浅草に集中している関係上、浅草エリアになるべく近いところを希望していました。あとは東京駅にも出やすいところですね。先ほどお話しした弊社内での内覧会には全国各地からもお越しいただくため、東京駅からアクセスの良い場所が良いだろうと考えての希望でした。

3つ目は、「従業員がリラックスできるスペースを作りたい」です。前のオフィスは、モノが多くなってしまったために雑然としたなかで昼ご飯を食べざるを得ない状況だったため、移転を機に休憩できる場をどうにかして捻出したいと考えていました。

【物件探し】希望条件から物件をリクエストする

最優先条件はエリアと家賃。優先度高くこだわったのは、内装の異なる会議室

弊社との出会いのきっかけについてお聞かせください。また、仲介会社に対するイメージもお聞かせいただけますか。

坂川

私はビルの売買にも少し携わったことがあり、仲介会社の方ともたくさん接点があります。そのなかで、言い方は悪いのですが、汗水を流して働いている方が正直あまり多くはないという印象がありました。また、店舗を作る仕事をしている関係上、不動産との接点も多いため、仲介会社をわざわざ挟む必要はあるのだろうかという思いもありましたね。ただ、オフィス移転に関する知見は不足しているため、やはりプロに助けてもらいたいという気持ちもありました。

金子さん達には前の移転時にも物件のご紹介を受けたことがあり、接点がありました。そのときに実直にやっていただけたなという印象があり、今回もお願いしたという経緯です。コミュニケーションの取りやすさが選定理由ですね。

弊社 金子

弊社:金子

ありがとうございます。今回の移転では、こちらから物件選定の段階から仲介会社を1社に絞って行ったほうがスムーズなのではと提案いたしました。複数の仲介会社と内見に行きながら決めていく方法も良いのですが、1社に決めたほうが手間や工数を減らせる上、条件交渉もしやすい部分があるとお伝えしてのことでしたが、いかがでしたか?

坂川

同じ物件・同じタイミングで検討する場合、仲介会社によって経済的な条件が大幅に変わることはあまりないと思うので、1社に絞るやり方で特に問題はなかったのではないかと思います。同じ物件を紹介してくれた仲介会社が複数いるとなると、そこから仲介会社を選んでいくところにストレスがかかるとも感じたことがありましたしね。

そうなると、仲介会社選びで大きいのは、やはりコミュニケーションの取りやすさなんですよね。今回やり取りをするなかで、相当細かなところまで聞いたこともあったかと思うのですが、そのときにウェルカムな態勢で受け止めてくれるかどうかが実は非常に大事で。そこに関して、金子さんには他社よりもきめ細かく対応していただけたと感じています。

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現在の物件を選んだ決め手は何でしょうか。

坂川

こちらが希望していたエリア条件を満たしていること、最寄り駅からの近さ、あとは家賃ですね。前のオフィスと坪単価あたりの家賃が1000円ほどしか変わらなかったことは決め手として大きかったです。

弊社:金子

今回の移転では、割と多くの物件をご提案させていただきました。内見も6件ほど行きましたね。結果、条件に合致する物件をご紹介できて良かったです。秋葉原の物件と最後まで迷われていましたが、決め手は何だったのでしょうか。

坂川

秋葉原の物件も良かったです。そちらを選ばなかったのは、家賃面という現実的な理由と、改装後で綺麗すぎたことが、かえって今の弊社の身の丈には合わないのではと思ったからですね。いずれさらに発展したときにご縁があれば検討したいと思います。

今回の移転プロジェクトで難しかった点はどこでしょうか

坂川

内装を決めるところですね。金子さんから施工会社を3社ほどご紹介いただき、ニーズや情報を伝えて提案を受けるというコンペのようなやり方を採りました。

依頼する施工会社を決めるまではスムーズだったのですが、そこから形にするのが非常に大変で。提案自体は素敵なのですが、消防法との兼ね合いや予算面もあって、すべてが思い通りにはできませんでした。100点は無理だとしても、60点70点と少しでも満点に近くするために何を優先させて何を諦めるかの調整が大変でしたね。

その調整は坂川様おひとりで担われたのでしょうか。

坂川

総務責任者2名にも相談しました。ただ、弊社が製造販売している商品の特性や販売先であるお客様のことを考え、ファッションを軸にした見せ方をオフィスでできるかを総務の人間が考えるのは中々難しいんですよね。ファッションと内装をどう紐づけるかを考えられるのは店舗の出店施工を担当している私が長けていますから、私が前に出るのが一番早いだろうということで進めていきました。

新オフィスで特に実現させたかった事は何でしょうか。

ブランド名「ing」の名前を付けた会議室

「MODE ET JACOMO」の会議室にはクール&ビューティーなイメージを

トレンドと自分らしさを兼ね備えた「nayau」の名前の付く会議室

坂川

3部屋ある会議室のテイストを変えることです。このオフィスで働く人間は60人強いまして、なかには管理部門など常日頃から商品にあまり携わることが少ない従業員もいます。データ上や画面上でしか商品を体感する機会の少ない従業員にも、ブランドを日頃から体感してほしい。その思いから、弊社ブランドから3つを選び、ブランドのキーカラーを壁紙に採用、会議室名もブランド名にしました。

大下

前のオフィスのときは「〇階の会議室」と呼んでいたのですが、今は会議室名であるブランド名で呼ぶようになりました。各ブランドへの愛着が湧きますね。内装も気に入っています。

坂川

あとは撮影スペースも設けました。これまで製品を社内で撮影することができなかったので、SNSの投稿用写真を自社で撮れるようにしたかったんです。ビジネスのスピード感を上げられるのがメリットですね。

オンオフを切り替えられるオフィスにすべく、今後も活用方法を工夫したい

移転後、従業員や来客の方の反応はいかがですか?

坂川

初めて新オフィスに来られた方には、新鮮さを感じていただけているようです。新オフィスは、面積だけでいうと前オフィスとそう変わりません。ただ、以前はフロアごとに給湯室やお手洗いなどにもスペースを取られていたため、1フロアになるだけで面積が広くなったように感じますね。

コロナ禍で在宅勤務者が増えたことで、ひとり1席を用意する必要がなくなったため、新オフィスでは3割ほどをフリーアドレスにし、座席数を7割まで減らしました。固定席だとどうしてもモノが増えがちなのですが、フリー席には私物を置いておけないため、雑然とした雰囲気になるのを防げている気がします。ものづくり部隊は出社率が高いため、今も基本的に固定席です。

大下

私はフリーアドレス席を利用していて、気分によって座る席を変えています。前のオフィスでは事業部で固まって座っていたこと、そもそもフロアが分かれていたことから、他部署の方と話す機会が少なかったのですが、今は以前より事業部の垣根に関係なく幅広くコミュニケーションを取れるようになったと感じます。

坂川

休憩スペースができたこともあり、部署間のコミュニケーションは増えましたね。自席で食べている人もいますが、意図した使い方が浸透してきていると思います。

新オフィスへの感想、今後の展望についてお聞かせください。

明るい休憩スペース

大下

気分が上がるオフィスになったと思います。強いて言うなら、カフェスペースがあったらよりコミュニケーションを取りやすくなるのかなと。コーヒーが飲めたり、音楽が聴けたり、あとはテレビも付いていたら嬉しいです。

坂川

参考にします(笑)。カフェスペースは移転のタイミングでは予算面で一旦諦めたのですが、何かしら休憩しやすくなる工夫を今後も考えていきたいです。

会社概要

会社名
株式会社オギツ
移転先
東京都中央区新川1-17-25 東茅場町有楽ビル
移転後坪数
約170坪
従業員数
約60人(取材時)
企業URL
https://www.ogitsu.co.jp/
取材
2023年2月

取材・文:卯岡 若菜 撮影:竹井 美砂子

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